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祇園囃子の聴こえぬ街へ・6


祇園祭のハイライト、山鉾巡行の前夜祭となる宵山は、別名「屏風祭」とも呼ばれます。
宵山をそぞろ歩いて山鉾見物をする人達に、「ワシ等のとっておきのお宝見ていきいや」祭。
昔ながらのおうちは、道から中が見えないように窓に格子や模様ガラスが入っているところが多いのですが、それを外して室内のしつらえを見せてくれます。


ちなみにウチではこっそり「自慢祭」と呼んでいる(笑)。
イヤでもほんと、見たら、「ああ、これは胸張って自慢するわ……」とうなずかずにはおれぬ逸品揃い。

中でも凄いのは、北観音山の吉田家と藤井紋。
もう「おおう……」としか言えません。


特に藤井紋さんのミニチュア鉾はスゴい。

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これには写ってませんが、奥に覗いて見える客間の、宴会モード万端のやたら長い座卓もスゴい。
見るタイミングによっては本当に宴会が始まってたりもして、もう、ホームズでなくても「アナタ達お金持ちですね」と一目で言い当てられるような立派なお着物の方々や芸妓衆がずらっと座っていたり。

話はそれますがこの辺りは本当にすごいので、巡行の日は二階がこんなことになってたりもする。
これは吉田さんちの方です。

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も少し下がって、南観音山のところのくろちくさんもこんなことに。

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裃姿はくろちくの会長さん。
トップ写真は、今年、山鉾の無い宵山に、黒主山と同じくご町内に提灯を建ててくださった南観音山の新町通に見えるくろちくさん。
宵山時期はいっつもセールをされてて、今年もやってました。
南観音山の粽も売られてましたよ。



更に話をそらすと、昔は今よりもいろいろなことがずっと大らか(またはいい加減)だったので、こうやって2階から見ている=山鉾町内の関係者には、帰りがけの山鉾の屋根方さんが、屋根からぽんぽん粽を投げ込んだりしてました。下に知り合いがいたり、愛想の良い子供さんなんかがいたら投げ落としてたりもしてた。
今はもう危ないからってことで不可なようですが。
でもあれ、見てる分には楽しくて結構好きだったんですけどもね。
意外に受け取るのは難しくて、2階の人が上手く受け取ると自然とギャラリーから拍手わいたりして。


話それついでに、こういう方面で凄いのは菊水鉾もで、宵山にはこんなことになっております。
2階でお茶会をやっているので、それに来られたと思われ。

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たまたま出入りの時に出くわしたのですが、相当な人数だったので、舞妓ちゃん・芸妓さんとの間でものすごい勢いで「○○さん姉さんこんにちは〜」と矢のように挨拶が飛び交っておりました。
どうも菊水鉾の方々は夜の街にお強いな?とも思ってます。
巡行の際、毎回「む、お仕事は夜の祇園か木屋町ですね」て感じのスパンコール多めのキラキラミニスカ・ソバージュロングヘア・ヒール・ブランドバッグ・ガチ化粧・手にはお酒の差し入れを持ったお姉様方が、休憩中の裃のお偉いさん方と仲良くお話されておられるのを目撃するので。


むう、本当に話が完全にそれてしまった。
「自慢祭」の流れで、「ひとり巡行」の話をしたかったのですが。
それはまた改めて。


では前回予告通り、しょっぱい系屋台トークを。
ベジバルのフォアグラオムレツ、500円。
もう一度言います、500円!!
しかも、頼むとシェフが目の前でじゃっと炒めて卵液を注ぎ、くるんくるんと巻いてくれる!
500円!!!←言わずにおれなかった

こちら、円居グループ京都なる会社さんのお店なのですが、こちらのお店はどこもかしこも本当に美味しい。
京大吉田キャンパス内に学食として存在するフレンチ「ラ・トゥール」、同じく京大先生御用達の「レストランまどい」、鴨川を臨む「ボンボンカフェ」、激安ランチの野菜バーが最強「ムッシュいとう」、どれも素晴らしいお店です。



そしてここは外せない、宵山グルメのKing of Kings、膳處漢(ぜぜかん)ぽっちりのしみだれ豚まん。
あっつあつの皮にたっぷりと染みた醤油だれ。ごろごろと塊になった豚肉。
「京都の人間は薄味が好き」なんてウソだとよく判ります(笑)。

ここはもう驚異の行列を誇ります。可能なら、昼間のまだ行列が短い内に買ってしまうが吉。
本当に本当に並ぶので、並ぶ前に水分を用意しておくことが必須です。倒れるレベルの行列ですからね。
なお今年はこのような情勢もあって、4月から店内にて販売されておられました(現在は終了)。
なんと、冷凍にて地方発送も始められたとか。
皆様これは買いですよ。そして、来年はぜひお店に。素晴らしく雰囲気の良いお店です。
ほら、この ↓ えも云われぬ美味しそうな眺め!

   

   

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