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週末の夜はおうちで大原に行ってみませんか


本日はちょこっと宣伝。
と言っても自分の利益には一切無関係な話なのですが(トップ画像にはよー氏の写真を使わせていただいております。多謝)。

8/22(土)、NHK BSプレミアムにて放送されます「歴史発掘ミステリー 京都千年蔵」。

こちらをぜひ、ご覧いただきたく。

京都は大原、勝林院しょうりんいんが舞台です。
実光院は勝林院の子院。



勝林院、観光的知名度はあまり高めではありませんが、声明界では超有名お寺。
声明しょうみょうといいますのは、まあお経にメロディつけたものだと思っていただければ。
こちら、平成25年に勝林院にて行われました開創一千年記念法要ダイジェストだそうです。

はー、α波が出るわ……。


大原の天台声明は日本声明界でも大変有名で、その一大研究家&教育家でもあった方がこちら、実光院の前々住職、故・天納傳中あまのでんちゅう先生。

なぜこの番組の紹介をしようと思ったかと言うと、もうものすごく昔の話なんですが、天納先生とちょっとご縁がありまして。
ちょうどその当時に、妙法院の門主さんが亡くなられたかご病気だったかで、次の正式門主さんが決まるまで、代理で天納先生が門主を務められていたことがあったのですよね。


妙法院は、かの世界的有名寺、三十三間堂こと蓮華王院を所有しております。
この為、三十三間堂の諸々も、妙法院門主さんが面倒をみることになる。


三十三間堂には新年に「通し矢」なる、これまた有名な行事がございます。
同日、道内では「楊枝やなぎのお加持かじ」なる行事がある。
こんな感じで、お坊さんが柳の枝でお清め&功徳を分けてくださいます。


これを行うのが、妙法院の門主さん(まあ一日中は無理でしょうから、時々はどなたかと交代されるのでしょうが)。
つまりその年は、天納先生がお務めされることになった。

「僕やるからね〜良かったら来てな〜」とおっしゃるので行ってみたら、ほんとにいはった(あたりまえ)。
ちなみに現在はこのお加持、お坊さん達に厳しく「立ち止まらないでくださーい」言われながら、ひとりひとり順に並ばされベルトコンベア式にお水をかけてもらうスタイル。

が、当時は人混みはあれど、もう野放図状態。列など何もなく、皆さん枝から飛んでくるお水を何とか頭に受けようと押し合いへし合いです。
こんな混沌の中で気づいてもらえるか、と思いつつ「せんせー」と手を振ると、さすが音楽家耳が良く、すぐに「おお、来たんかーありがとうー」とものすごく身を乗り出して大量に水を振りかけてくださった(笑)。

もう、人生の中でこれ以上のVIP感を味わうことはこの先ないんじゃないかと思います(笑笑)。満員電車もかくやの人混みの中で、羨望のまなざしを一身に浴びました。


やさしくてあったかくて面白くて、勿論声明は素晴らしくて、素敵な方だったなあ。
ちなみに目をかけてもらったきっかけは、同じスケジュール帳を使っていたこと。
山川の歴史手帳です。
れっきとしたスケジュール帳なのに、何故か日本史・世界史年表とかが載っている謎の手帳。


しょっちゅうあちこちで薦めていたそうなのですが、その際に実際に使っている人に会ったのは初めてだったとか。大興奮されてました。
まあ確かにスケジュール帳としての能力は割と地味なので、わざわざこれを選ぶ人も少なかろうとは思いますが。


今回のNHKの番組のきっかけですけども、どうもなかなか、勝林院さんも存亡のときレベルで財政が厳しいらしく。
もう、本当にいいお寺さんなんですよ。何て言いますか、さっぱりしてる。枯淡の味わい。
緑の豊かな大原の地に抱かれて、大変美しいお寺です。



番組をご覧になって、そして感染状況がもう少し落ち着いたら、ぜひ御拝観いただきたい。
大原というとトップ写真にもあるように、皆さんまず三千院、それから宝泉院とか来迎院辺りに行ってしまわれがちですが、こちらもぜひに。

     



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