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推し新体制発表会を見つけよう!配信屋から見た萌えポイント〜J2編〜

※1/14 徳島ヴォルティスを追記しました

こんにちは、今年こそ夢が叶うのではないかと息巻いているジェフサポの青山です。
イベントや企画プロデュース業のかたわら配信業もやってまして、東京国立博物館さんや色んな企業さんで「配信の先生」をやったり、カンファレンスの配信を請負ったりしています。

そのせいもあってか、先日我らがジェフユナイテッド市原・千葉の新体制発表会(YouTube)を見ていて「配信担当さんファインプレー!」「あー、動画の共有難しいよね」など、本編とは全くもって関係のない部分に意識が行きまくりました。なんの感想なんだ。

配信にリソースを割く判断はとても難しいものです。お金をかければ豪勢になる会場選びや装飾と違いますし、効果測定もしにくいですからね。
そんな中、限られたリソースの中で配信をしてくださった各クラブの関係者のみなさん、ならびにオペレーターの皆さんに最大限のリスペクトを送ります。気持ち届いてます!

というわけで、YouTubeにアップされているJ2クラブの新体制発表会を配信屋目線でチェックしてみました。
みんなも推し新体制発表会を見つけよう!

ちなみに完成度どうこうではなく「ここに注目してほしい」という萌えポイントをメインに綴るのでお付き合いください。

設計の潔さが光ったブラウブリッツ秋田

トップバッターはブラウブリッツ秋田です。
会場の報道陣+ZOOM接続(社長)+YouTube配信という3箇所とのコミュニケーションが求められる仕様になっています。今年はこのパターンのチームが多かったですね。
違和感のない2カメ運用&リップシンク(映像と音声のタイミング)もばっちりで中々の仕上がりに見えます。

個人的にグッときたポイントは、社長の資料共有をZOOM内で完結させたこと。ZOOM経由だと画質低下の可能性もあるため、後半の背番号発表のように別ソースからYouTubeに配信するか迷われたと思うのですが潔い判断でした。
配信って技術的には大概のことが出来ちゃうので、リソースが限られる場合オペレーションミス等のリスクを鑑みて軽量化していく仕事だったりします。社長が現地にいないこともあり、コミュニケーション含めたミスを減らすナイスジャッジでした。

圧巻の1080p60fps送り!随所に工夫が見られたV・ファーレン長崎


続いてはV・ファーレン長崎。
まさかの1080p60fpsの大サービス仕様!春奈社長や松田監督の滑らかさが素晴らしい。リップシンク(映像と音声のタイミング)もばっちり。
こちらも会場の報道陣+ZOOM接続(社長)+YouTube配信という3箇所とのコミュニケーションが求められる仕様ですね。
カメラ映像にテロップを重ねているので、喋っている人は誰なのかわかるよう視聴者にも優しい配信になっています。グリーンバックをクロマキーで抜いているように見えますね。

個人的な萌えポイントは、動画内1:02:40〜のクリスティアーノ選手のZOOMインタビュー。ZOOMのビュー設定ウインドウが邪魔をしないようにあらかじめ右下に隠されています!とても優しい心遣いです。現地にいる通訳さんを含めたやりとりを成立させるためにマイナスワン運用(ZOOMと現地の音が混在してハウリングしないための対策)も為されており、これは優しさが溢れ出る配信だぞ。

テロップでわかるプロの仕業。ザスパクサツ群馬

さてさて続いてはザスパクサツ群馬です。
制作としてZOBIエンタープライズさん(映像制作の会社)が入っているとのことなので特にコメントなし…というのも寂しいので、構成も含めいくつか。

こちらはZOOM越しのコミュニケーションもなくシンプルな構成でした。
やっぱりカウントダウン動画+オープニングアバンのような演出って、こう…テンションが上がりますよね。視聴意欲を掻き立てる細かな配慮に萌えます。そして会場側の用意が整ってないにしても湯友の人形で蓋をする徹底ぶり。くぅ〜憎いぜ。テロップ周りに関しても完全にプロの仕業なのでコメントありません。転換の様子を透過蓋の後ろに映してるのもマーケ的にグッドですね。

しいていうなら一切資料を使わなかった新体制発表会そのもののストロングスタイルさに拍手でしょうか。
あっ、長崎に続いて群馬も1080p60fps送りですね!ヌルサクです。

確かな進歩が見られたジェフユナイテッド市原・千葉

我が子をも見守るような気持ちで観てしまったジェフの新体制発表会。
実況ツイートで1レイヤー運用と書いてましたが、選手名テロップが載っているので2レイヤーですね!失礼しました。OBSのテキスト入力な気がします。

何がびっくりって、ジェフがマイナスワンで配信組んでる…しかも出来てるというところです。記者さんもZOOMのルームに入っており、その部屋をそのまま尹監督との質疑応答に使っています。ということは事前ブリーフィングも大変だったでしょう。きっと「カメラとマイクはお名前が呼ばれるまでオフで!」なんてお願いを記者の皆さんにしたのでは。
記者さんとの質疑応答にもZOOMを使っているのはジェフだけでした。しかもすごく効率的な使い方です!
オペレーションの都合でハウリングが起こってしまった場面からも、しっかりZOOMへ会場音声を送っていたことが見受けられます。

あと動画が上手く流れなかった時の道代さんのカバー、ああいうのに我々配信屋は救われるのです。ありがとう道代さん。

もし違ったら申し訳ないのですが、ジェフに関してはOBSやめてハードウェアエンコーダー導入しちゃった方が良さそうです。音ズレ等の心配事が一気に減るので。定番のWeb Presenterや、ワンオペで簡単な字幕載せたいのであればならLIVE ARISERあたりがオススメです。

たぶん現地重視だった横浜FC

横浜FCはあっさりな味付けの配信でした。
会場、横浜市役所のエントランスのところですよね。いいなー。
横浜FCの新体制発表会の配信では資料投影がなく、2カメ+エアー音声という最低限のポイントを抑えたスタイルでした。もしかしたら資料はwebに残したくなかったのかもしれません。
広いスペースでの開催ということで、熱心なサポーターの方は現地に来ている率が高いだろうという判断のもとの軽量化という可能性もあります。それはそれで合理的な判断です、配信フリークとしては若干寂しいですが。

武士道を貫いたヴァンフォーレ甲府

そしてヴァンフォーレ甲府!
実は甲府の配信が一番好きでした。こちらはスポンサーのフォネットさんが制作しているようです。
唯一の1カメ運用かつ、吉田監督のZOOMもスクリーンをカメラで抜くという潔さ!でも、お気付きでしょうか。カメラの画質がめちゃくちゃ良いことに。
これはカメラに全振りしたということでしょう、そして実はマイナスワン運用も綺麗に為されている(けどZOOM音声はエアーという硬派さ)。そしてアニメーション付きでテロップ処理も丁寧だ。
なんというか…武士のようなものを感じますよね。必要なものだけを上質に取り揃えましたというメッセージが込められている気がします。

そうなんです、配信の一番の目的は「会場に足を運べない人に情報を届ける」こと。その原点に向き合ったのがヴァンフォーレ甲府の配信だったのではないかと思います。
萌えポイントは吉田監督のZOOMに切り替える際、あらかじめ場面転換の時間を設けて原稿を用意していたこと。(23:00ごろ〜)細かな配慮が光るぜ。

すごく地味に大変だっただろう徳島ヴォルティス

徳島ヴォルティスの新体制発表会が行われたので追加しました。
こちらも甲府と同じくクオリティ高めの1カメ+エアー音運用です。
映像は現地とYouTubeでパラ(分岐)しているのですが、音声はエアーのみ。映像より音声パラする方が簡単じゃないのかという気持ちはありますがYouTube視聴者への配慮が見受けられます…が、この謎はあとで解けます。

タイトルにもあるすごく地味に大変だっただろう部分なのですが、YouTubeへのpptx資料は16:9で来ています。しかし、たまに映り込む会場スクリーンを見ると…あれ、4:3だよねこれ?
恐らくですが会場用と配信用で2つの資料をつくり、会場資料がめくられるタイミングで配信用資料をページ送りしていると思われます。つまりここだけでPCを2台使っていると。

16:9が主流となりつつある世ですが、資料を複数ページまとめてA4用紙に印刷すると4:3の方がフォントが小さくならずに済むんですよね。
それか会場のスクリーンのサイズが正方形に近いものだったので4:3を選択したか…謎は深まります。

ということは、あれ、パラしてない?

おわりに

かいつまんだり早送りしたりの視聴のため、クラブによっては創意工夫を拾い切れていないかも知れませんがご了承ください。

「理屈では合ってるのに理不尽なトラブルが発生する」のが配信あるあるなので、視聴側の皆さんもぜひ寛大な御心で配信スタッフを応援してもらえると個人的にも嬉しいです。

そんな機材知識も使って、今年から遠征Vlogはじめるのでよかったら登録していってね!(クリックするとYouTubeチャンネルへ飛びます)

最後までお付き合いいただきありがとうございました!


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