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自分の演奏や作品を否定されたときは

ある程度活動を続けていると、ふとしたきっかけで自分の演奏や作品を誰かに否定されてしまうことがあるでしょう。アンチコメなんて言ったりしますね。

ネットで匿名のやり取りをしている以上、いつでも自分の都合のいいような感想ばかり寄せられるわけではありません。

今回はちょっとネガティブな内容になってしまいますが、きっとこういう記事を見て救われる人もいるだろうなと思って、あえて切り込んでみることにしました。


実は無意味

例えばあなたがミュージシャンだったとして、他のミュージシャンから否定される。
ギターをやっていたとして、他のギタリストから否定される。
あなたが歌い手だったとして、歌い手から否定される。
あなたがボカロPだったとして、ボカロPから否定される。
これらは全て100%嫉妬です。悔しいから言ってきています。同族嫌悪というやつです。
そして、実はあなたを攻撃しているわけではありません。

否定する側は憂さ晴らしというより、自分のコメントによって第三者から同調を得たいんです。
「確かに言う通りだな」
「盲点に気づけててすごい!」
と自分に注意を向けてもらいたいからそう喧伝しているだけであって、あなたがその材料にピックアップされただけなんです。
(他にも老婆心からくる批判があるのですが、これは後ほど説明します。)

そして、同業者から嫉妬されるのはいいことです。
あなたの活動が軌道に乗っている裏付けですので、むしろどんどん嫉妬心を買う方向で動くべきなんです。

もちろん犯罪や迷惑行為、個人を中傷したりするのはよくないことです。しかし、SNSなど不特定多数が覗き見できる場で好きなことをやって「たまたま視界に入って不快になった!」なんて言いがかりもいいとこです。ストリートライブが耳障りだった!よりはるかにめちゃくちゃな言いがかり。

そういう意見に対しては「じゃあ真似したら?」という魔法の言葉で全て片付いてしまいます。

真似したくないのなら独自路線を問うてその通りに進んでもらうしか解決策がないし、真似できないのならあなたの勝ちです。勝ちというか、誰にも真似できない領域(オリジナリティーの獲得)を目指してそこから発散するのが芸術だと思うんですが、いかがでしょうか?
それか『二番煎じになるのが悔しい』という壁にぶち当たってもらうしかないんですよね。

誰が不快になろうがなるまいが、すでに世に出した作品は常に一定です。結局のところはこれ。

『好きなもの』に上限なんてない

例え話をしますね。
あなたは今ショッピングモールにいます。いるとします。

お昼を食べようとフードコートにやってきました。
うどんを食べたいと思ったあなたは、うどん屋の列に並んでいます。

そこへ隣のラーメン屋の店員がやってきて「ここのうどんは美味しくないよ。衛生的にもイマイチだし。お昼はうちのラーメンにしたら?」とささやいたとします。

「へーそっかー」と、あなたはラーメン屋の列に並び直しました。
これ、うどん屋にしたらたまったもんじゃないですよね。
普通に営業妨害です。

実はこれ、音楽の世界じゃ当てはまらないんです。
「えっ?どういうこと?」とお思いでしょう。

なぜなら、好きになれるアーティストの数に上限がないからなんです。
先ほどの例は、うどん屋からしたらその日の客数が他人の働きかけによってマイナス1です。ラーメン屋がプラス1。効果がありました。
でも、もしあなたが「あの〇〇ってアーティストの曲、イマイチだったわ。しょぼいわ。〇〇のパクリだわ。聴くのやめといた方がいいよ。」なんてささやかれたとしたら、逆に興味湧いちゃいません?
「そんなにイマイチなんだ。別に食べてお腹壊すわけでもないしYouTubeに曲とか上がってないかな。」って探しちゃいません?

要するに、アーティスト同士のディスり合いってフードコートでお客さんを取り合ってるのとはわけが違うんです。

もしあなたが誰かに「好きになっていいアーティストは〇人までだよ。」なんて決められたら「は?なんでそんなことアンタに決められなきゃいけないの?」って思いませんか?
『音楽リスナー』と『その日のお昼何を食べようか迷っているカスタマー』とは根本的に条件が違うんです。

対象を定めて批判することで知名度アップに貢献しているので、むしろ逆効果まであります。

ある程度は仕方ないこと

先程までは同業者同士の批判、コンテンツとしては音楽作品という枠組みでお話ししてきました。
ここでは演奏・動画コンテンツにスポットライトを当てていきます。

よく「弾いてみた動画をアップしたら、YouTubeでアンチコメがきた」なんて投稿、目にしませんか?
本人からしたらとても悲しい、悔しいとは思いますし、反発心も芽生えてきますよね。

でもこれ、ある程度仕方ないことなんです。
いじめられてる側に「まあまあ落ち着いて」なんて言ってるみたいで気が引けますが、順に見ていきますね。

まず、なぜ演奏動画をアップしたんですか?
自分が演奏してて楽しい!だけならアップする必要はないはずです。

理由として考えられるのは……
・反応がほしい
・共感がほしい
・奉仕として良さを伝えたい
・良い!と思われたい
などなど、いろいろあるでしょう。

そしてそのコンテンツがどのように他人に浸透して行くのかというと……
『ビュー→再生→いいね→コメント』
というプロセスを経ていきますし、通常この順で反応する人数は少なくなっていきます。再生数よりもいいねが多くなるなんてありえないですもんね。

ポイントとなるのは、内容が否定的であれ、反応にこぎ着けてることは確かなんですよね。

・視界に入ったけど興味がないので再生せずにスルーした
・再生してみたけどイマイチだった
・相手が傷つくかもしれないので、特に反応した形跡を残さなかった

こんな人が山ほどいるわけで、可視化されてないだけなんです。
そんな中で、とりあえず「反応がほしい」という欲を満たしてくれてはいるので、私としては目的は達成されていると思うんですよね。

「でも斜め上から不快なコメントが飛んでくるのは耐えられない!」という方が多数でしょう。

ここで、私の実体験をお話ししますね。


とあるライブでベースを弾きまして、終わったあと客席でアンケートを配るというのをやったんです。
アンケートを集計してみると、そこには「ベースがバキバキしすぎてて、聴いてて不快だった」とのコメントが!

これ、当時は結構ショックでしたね。
狙ってそういう音作りをしたというのもありますし、好みの問題でしょ?!という反発心も芽生えました。

でも、それから数ヶ月後……
たまたまその時のライブ音源を見つけまして、ちょっと再生してみたんですよね。そしたら……
ベースがバキバキうるさくて聴いてらんないんですよ。
あ、あのときのアンケートのコメントそのままだなって反省しました。


つまりですね。
わざわざ投書してくるレベルの批判って、それはもうアンチコメントの域を超えて『普遍的なイマイチさ』をはらんでいる可能性があるんです。それに本人が気がついてないから、わざわざ言ってきてくれている可能性が高いんです。

フリーペーパーを読んでいて内容がイマイチだったとしても、わざわざハガキ送らないじゃないですか。何か別の理由があるんですよきっと。

しかも先述した私のケースだと、イベントでお客さんはチケット代を払って入場してるんですよ。もはやクレームですよね。

なので、否定的なことを言われて傷つく、逆上するというのも十分わかるんですが、投書レベルのアドバイスをタダでしてもらったと謙虚に受け止めて、少し時間を置いたあとで当時の自分を見返してみるといいですよ。
(というか、プロのレッスンを受ける以外のダメ出しなんて精度が保証されてないので、気にしない方がいいよ!という慰め以前の別の問題なんですが。)

そもそも、SNSの性質上人の往来が自由ですので、繰り返しになりますがある程度は仕方ないことなんです。
耐えられないのならチケットを買わないとあなたの演奏を観れないようにすればいいんです。そうまでしてでもあなたの演奏が観たい!という人が抽出されるので一石二鳥じゃないですか。

そうすることでアンチコメがクレームに姿を変えて、より真摯に向き合えるようになりますよ。

蛇足ですが、長期的にはお世辞の方が他人を苦しめると個人的には思っています。

ファンから言われたのならクレーム

先程の話に抵触しますが、あなたのファンやお客さんから苦言を呈されたのなら、それは一転してクレームとなります。

期待外れだった。ガッカリした。
ここに反発心を抱いているようじゃアーティストなんてやっていけないと思うんですよね。
おまけにプロでやっている方だと、そのステージや環境に至るまで、自分ひとりの力では成り立っていないことばかりなんです。

そうやって周りの人のお膳立てを得ておいて「自分の実力で他人を従えてる。そっちが勝手に好きになってるんだから自由の身でいていいだろ。」なんて通らないですよ。(これ、わりと有名な方でも散見される姿勢なのでどうかと思うんですよね。)

ここはいろんな意見があると思いますが、そもそも自分に影響力がある構図は他人がいないと成り立たないことに気づくことが重要です。地球にあなたひとりしかいないのなら、王ではあるけど影響力という概念すらありません。

私にも、かつてはファンだったけどもう心が離れてしまったアーティストがいます。
直接は伝えないですし、届かないんですけど。

普通、人は離れていくときは無言です。
恋人みたいに「別れよう」なんて言って離れる必要はないんですよ。
ごくまれに、自分に対して否定的な感情を抱いているにも関わらず離れていかないという矛盾した行動をとる方がいますが、そういうときだけブロックなどの対策をとればいいんじゃないでしょうか。世界観を乱しますし。

ここまで読み進めてもらって「素敵なアーティストライフを!」なんて言うのは気が引けますが、このように常に冷静な自分を持っておくと、ふとしたきっかけで挫折したり…なんてことはなくなるんじゃないかなと思います。

素敵なアーティストライフを!

かおりP


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