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日本のパスタ、イタリアのパスタ

シチリア島の州都、パレルモからの発信、ボンジョルノ。

イタリアはロックダウンが解除されて、早くも3週間が過ぎました。 あっという間に時間が経ちます。 冬から夏へと季節も変わり、我が家も外食にも出掛けるようになり、生活が全く変わってきた・・・というと、そうでもない(笑)。 引き続き家にいることが多いし、パソコンに向かう時間も長いです。 ただ食生活はロックダウン中とは違うかな? 買い物も足りない物があれば買いに出かけるようになり、つまりこの部分は昔に戻った感じ。 週一回の買い出し生活の頃は、とにかくある物で何とかやって行かなくてはいけなかったので、ランチは決まってパスタかリゾットでした。 それまではせいぜい週に4回だったのに、ほぼ毎日パスタを食べる日々。

前にも書きましたが、私はそれ程パスタを必要としていません。 外食でオーダーすることもまずないし、家で作るのは相方が食べたがるから、そして簡単だからという理由です。 それが3ヶ月間ほぼ毎日となると、食べるのも飽きるしワンパターンになってしまう。

noteは勿論、インスタ、FB、その他色々な所で日本人の方々の作るパスタを目にしました。 その結果、分かったことが1つ。 日本のパスタの方がずっとオリジナリティがあり、発想が豊かであるということ。

私が学生時代から「和風パスタ」を食べさせるお店はあり、納豆や生のイカ、タラコなどの具材を使ったパスタは存在していました。 でもそれらはあくまでも和の食材を使った「和風パスタ」であり、別枠だと思います。 今私が言いたいのはその枠のパスタではなく、「イタリアン」の枠の中でのパスタのこと。

随分前に「キャベツとアンチョビのスパゲッティ」というのが話題になり、おそらく30年近く前の事だと思いますが、発端はとある広尾にあるイタリアンの賄い食だったと記憶しています。 そこから誰かが目をつけて、紹介して、雑誌でも取り上げられて、ブームが起きました。 イタリアで一人暮らしを始めた頃は、私もよく作りましたよ。 それが今の相方と暮らすようになり、作らなくなった。 ある日試しに作ってみたら、「どうしてキャベツ?」と聞かれました、これ予想内でしたけど。 「ある時期日本で流行ったの」と答えたら、ふーんって感じ。 完食したけれどそれ以来リクエストは来ません。 

鶏肉を使ったパスタもイタリアには存在しません。 イタリア語で検索しても出てこない、スペイン語のレシピは出てきたので、スペインでは食べられているのでしょう。

数日前は友人が作った「ひき肉とナスのパスタ」を目にしました。 イタリアでもその組み合わせはありますが、ひき肉は煮込んだラグーソースであり、ただパラパラと炒めたひき肉をパスタに使う事は、イタリアではない。

シラスをトッピングしたり、日本のパスタは自由自在って感じです。 そうそうシチリアにもシラスのパスタはありますが、シラスをトッピングという発想はありません、トッピングはパセリです。

ある日、私的には結構定番だと思っていた「ほうれん草とサーモンのパスタ」を作った時、「美味しいね、この組み合わせ。初めての味」と言った彼。 この組み合わせは私が日本にいた頃から存在していたから、日本では少なくとも25年以上前から食べられていて、全然新しくないんですけど? つまり、このレベルなんです。

上げていけばきりがないのですが、日本人の発想は凄いと思います。 多分焼きそば感覚で作っているのかもしれませんね。 

イタリアはパスタの形状とソースの関係にこだわるので、なかなか新しい物が出てきません、というか受け付けません。 伝統を守るのはいい事だと思いますが少々頑な過ぎるのがネックとなり、発想が乏しい・・・。 まぁ彼らはそれがネックだとは1ミリも思っていませんが。 

和の食材を使った和風パスタではなく、イタリアンの枠で日本人が作るパスタ、興味深々で見ています。 

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