ヤンソンさんの誘惑
シチリア島の州都、パレルモからの発信。 ボンジョルノ。
昨日の夜、久し振りに「ヤンソンさんの誘惑」を作りました。
スウェーデン料理です。
今ではすっかり有名になっていますよね。
私がこの料理を知ったのは40年以上前の昭和の時代です。
母の友人が教えてくれました。
母は若かりし日BAのCAをしていて、当時の同僚であり、結婚後しばらくカナダに住んでいたお友達がご馳走してくれたのです。
カナダ時代のお友達(もしかしたらスウェーデン人?)から教わったという、なんとも美味しいポテトグラタン。
作り方を教えて頂いて、一時期我が家の食卓に頻繁に登場した物です。
私は確か中学の終わり頃。
高校時代時々友人宅で持ち寄りパーティをしたのですが、これを持っていくと必ずみんなから絶賛されましたっけね。
でもその頃はこれがスウェーデン料理だとも、ヤンソンさんの誘惑という名前がついていることも、全く知りませんでした。
私の中学時代、アンチョビもそれほど市民権を受けている食材ではなく、小さな缶詰が結構高価だったようです。
今住んでいるシチリアはアンチョビは安いし、シチリア料理には欠かせない食材なので、常にキープしてあります。
昨日、朝ポークを買い、何故かいきなりランチは外食。
そして夜になって食事の準備をしようと思ったら、野菜が足りない。
足りないというより、ない。
さてどうしましょう?
玉ねぎとじゃがいもはあったので、そして別の目的で買っておいた生クリームがあったので、頭に浮かんだのが「ヤンソンさんの誘惑」でした。
かなり久しぶりに作りましたが、これは超簡単だし失敗することなし。
生クリームが少々多すぎなのですが、200mlを少し残しても仕方がないと思い、全部投入。
これはこれでトロリ感が良い。
青い物が足りません、それは重々承知です。
でもなかったのだから、仕方ないじゃない?
多過ぎるかな?と思ったヤンソンさん、誘惑に負けて全部平らげましたよ。
寒い冬の夜にはヤンソンさんがいてくれれば良い。
心と体を温めてくれる。
もうヤンソンさんは離せない。
濃厚で私を包み込んでくれる。
そして、考えようによってはかなりセクシー。
名前も知らなかったお料理、中学生の頃に出会ったお料理。
いつの頃からか母もあまり作らなくなったお料理。
そしてその後名前を知り、今ではかなり有名になっているお料理。
私の思い出の数々は、料理と共にあるなぁ。
だってこれを作ると母のお友達のおば様の顔が浮かぶもの。