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オーブン料理の季節到来

シチリア島の州都、パレルモからの発信。 ボンジョルノ。

昨日は一日雨だったパレルモ地方、土曜日から降ったり止んだりです。 一昨日の夜、今シーズン初めて暖房をつけました。 と言っても我が家、20度設定であります。 

元々オーブン料理は好きですが、これからの時期はかなり頻繁に使います。 煮込み料理とオーブン料理、別に冬が好きなわけではないのですが、こういう料理は好きです。

トップの画像のポークと野菜のオーブン料理、実はイタリア料理でもシチリア料理でもありません。 出会ったのは10年近く前のパリでした。 カルチェ・ラタンのとあるお店に偶然入ったのがきっかけです。 そこで食べたタジン料理、子羊と野菜と・・・・、とにかく凄く美味しくって、帰宅したら再現しようと思ったのです。

意外かもしれませんがここではいつでも子羊肉が簡単に手に入るわけでもなく(フィレンツェに住んでいた時にはいつも普通に売っていたのに)、ポークでやってみることにしました。 ところが材料が全然はっきりしない。 子羊、タジンなどで検索をして、フランス料理はモロッコ料理などの影響もありますから(多分)そちらも検索。 プルーンが入っていたのは形が少し残っていたからわかっていたのですが、りんごを入れるレシピがあったので、なる程ね。

何度か試して今のレシピに落ち着きました。

今回はポーク800g、玉ねぎ、セロリ、青リンゴ、プルーン、材料はこれだけです。 肉はフライパンで全体にしっかりと焼き色を付けます。 そして蓋の出来るオーブン容器へ。 同じフライパンで野菜の千切り(それ程細くなくて良い)、リンゴの薄切りを炒めます。 それもオーブン容器へ。 肉の上下に野菜を置いて、ちぎったプルーンを5個くらいとバターを適当に乗せてから、蓋をしてオーブンへ。 ここまでの下準備に45分! 野菜を洗って切って・・・という作業、結構時間がかかりますね。 炒めるのは15分位かなぁ、しんなりして来れば大丈夫。

オーブンに入れたら後はほぼ得意の放置作業です。 肉に厚みがあったので、2時間くらい焼きました。 途中で3回くらい野菜を肉の上に乗せる作業を。 完全無水料理ですが、野菜からどんどん水分が出て来るので、その汁も肉の上からかけます。

出来上がり。

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リンゴは完全に溶けてしまいます。 この野菜は付け合わせになるのですが、こうやって上から乗せるとビジュアルが今ひとつですね。

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お皿に盛る時には野菜は下へ、この方が落ち着きます。 こういう汁気のある料理の時には、ほぼ確実にジャガイモのプレを作ります。

リンゴの酸味とプルーンの甘味がなんとも美味しいです。 日本では青リンゴの様な酸っぱいリンゴが手に入りにくいので、甘い物だったらプルーンはいらないかもしれませんね。 それにしてもどうして日本のリンゴはあんなに甘いのでしょうか? 甘いものが苦手な私には全然美味しく感じないのですけど? 小さい頃はリンゴが好きでした。 硬くて、カリッとしていて、ちょと酸っぱいの。 リンゴはそういう物であって、別に甘さは必要ないと思っている私です。

それはともかく、この料理は結構人気があって、ホムパの時にこれを出すと売れ行きが良いです。 ところがね!

最初にパリで食べて、再現して、それから4年くらい経った頃に再びそのお店へ行ったのです。 メニューは全く変わっていなくて、迷わずこれをオーダした私、当然ですよね? 出てきた物は覚えていたあの時と同じ物だったのですが、私のこの料理とは全然別物でした! 勝手に私がいじくり回して、全くの別物になっていたという次第です。 

タジン鍋を開けた時、「そうそう、このビジュアルだった」という思いと、「あれ?私のとは全然似ても似つかない」という思いが同時にやって来た。 笑えます。

因みにこのお店、それ以来ほぼ毎年足を運んでいます。 今年の2月は3回も行きました。 La Jacobine というお店、我が家では勝手にこの肉料理を「ポークのヤコビーナ風」と命名しました。 そう、イタリア語にはJ は存在しません。

蓋付きの容器がなければお鍋でも出来ると思います。 無水鍋があれば問題ないし、そうでなければ少しお水を加えれば。 何度も書いていますが、シチリアではどうしても全てがトマト味に偏りがちです。 先日も肉の赤ワイン煮込みを作りましたが、赤くない煮込み料理を好む私です。 決してトマトが嫌いなわけではありません。 でもトマトばかりだとウンザリもしてしまうので。

こう言う料理をしていると、冬が近付いて来たと感じます。 オーブンを長時間付けているとキッチンもポカポカで暖房いらずですし。 何せ出かけられない毎日ですから、時間の掛かる料理で時間を潰すのが良いのかもしれませんね。  

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