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友人ジュリオのナスのグラタン

シチリア島の州都、パレルモからの発信。 ボンジョルノ。

私の交友関係の中で、男女問わず何人かとても料理の上手な人がいる。 その一人がジュリオ。 そして彼の作る料理の中でも私が一番好きなのは、ナスのグラタン。 最初に食べたのはもう何年前になるのだろう? オーバーでなく、衝撃の美味しさだった。 トロトロナスのグラタンで、すぐに作りかたを聞いてみた。 シチリアの人結構ケチで(笑)、教えてくれないケースも多々ある。 「レシピは家宝よ」みたいな事を言う人も多いのだ。所が彼はあっさりと教えてくれた。 「スライスしたナスを揚げて、ナス、ベシャメル、パルミジャーノのすりおろし・・・と、段々に重ねてオーブンで焼くだけ」と。 それだけ?

後日すぐに作ってみたところ、う〜ん、美味しいけれど何かが違う。 その後会うたびにしつこく聞いたら、ベシャメルはかなり緩めだとか、パルミジャーノはたっぷりだとか、少しずつ秘密が引き出されていった。 

私がこのグラタンをこよなく愛している事を知っているので、お呼ばれすると大抵作ってくれる。 ただ、冬場はダメ。 ナスのシーズンから大きく外れているから。 かなり広大な畑を持つ彼、野菜にはちとうるさい。 シーズン外れのビニールハウスで育ったナスは、旬の時期の物とは大きな差がある。 こちらは米ナスが主流、冬の大きなナスは身がスカスカで、揚げるとどんどん油を吸ってしまい、カロリーが気になるのは勿論、味も美味しくない。 油っぽいグラタンになってしまう。

まだ本格的なシーズンには早いけれど、今年初のジュリオのナスのグラタンを作った。

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相方はジュリオの作るのよりも美味しいと言ってくれたけど、私的にはどうももう一歩という感じ。 何が違うのかなぁ。

最近考えた揚げナスのテクニックは、スライスしたナスにまずはお塩、ここまでは通常通り。 ナスからアクが出たら拭き取り、そこへオリーブオイルをタラ〜っと。 生のナスにオイルをかけて暫く放置。 ナスがしっかりと油を吸ったところで、フライパンで焼いていく。 これでまるで揚げたような食感になった。 大量の油を使う事なく、その油の処置も考える事なく、最初にかけたオイル分しか吸わないので、カロリーダウン、だけどまるで揚げたような結果が得られる。

どうして今まで思い付かなかったのか?

やはり揚げナスで作るナスのパルミジャーナ、これはナスとトマトソース、パルミジャーノ、モッツァレッラを段々に重ねてオーブンで焼く郷土料理だが、カロリーダウンさせる為に「焼きナス」で作る人もいる。 だけど揚げナスと焼きナスは別物で、カロリーダウンと共に味もダウンしてしまう。ところが私のやり方だと、トロトロの揚げナスのように仕上がるので、美味しさもキープ出来る。 

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2人で米ナス2個分のグラタンを食べきってしまった。 これは熱々である必要もなく、冷めても美味しい。 夏場はベシャメルやクリームを使った料理はしないのだけど、これだけは特別。 夏はトマトソースオンパレードになりがちなシチリア料理、そしてそれに飽きてしまう私。 今年はもっとこのグラタンを作ろうと思う。 簡単で確実に美味しく、冷めても美味しいので持ち寄りパーティにも便利。  

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