NOT SPECIAL.

手のひらに渡された　一粒の石
私は誰かの特別になりたいと思っていたのに　
特別じゃなかった

どこかの海で　どこかの川で　拾ってきた石
角が取れて丸まった石
ただ白くて丸いだけの石
太陽に照らすと少し透けて見えるような　不思議な石

「誤解しないで」そう言って渡された石
誤解なんてしてないけど

誰も誤解なんてしていない
どう誤解するのだろうか　この石に対して意味を求めてなんていない
どこかの海で　どこかの川で　この石を捨ててやろう

永遠に結ばれる事はない人との関係性を終わらせるために
この石は私には必要はない

ただ女は意味を持たせたいと思うだけで
この石に何か特別な意味があるなんて思っていない
ただ渡したかったのもわかる

少しだけ特別になれたのかもしれないと　期待してしまう
先読みして「誤解しないで」と渡されたこの石に罪はない
ただ　見ているだけで虚しい気持ちになる

石に罪はない　誰にも罪はない
期待なんてしていない　誤解なんてしていない
心が離れていく瞬間　混ざり合う事はない
遠い海のどこかの底に沈んでいく石のように　巡り会うこともない

砂に埋もれて　波に揉まれて
ただもっと小さくなって　砂の一粒になって消えていく
この思いとともに　海に流そう