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【講座を作ろう!】帰ってきた尻込みちゃんと3人の尻叩き

尻叩き妖精シリーズ、久々の新作です。このシリーズの発端は天海玉紀先生のこの記事です。

【前回までの大変ざっくりとしたあらすじ】
占い師になりたくて勉強してきたのに、いざ占い師として有償で営業していこうという段になると「あれが怖いこれが無理😭」と言って「占い師としてやっていくための営業」へちっっっとも手をつけない2021年のソロ活占い師志望者・人呼んで尻込みちゃんがいたんだとさ。2023年からやってきた「未来の尻込みちゃん」はそんな2021年の自分のもとへ3人の尻叩き妖精を送り込んだんだとさ。

これまでの『尻叩き妖精シリーズ』全四話はこちら!

上記の四話以外の関連記事も含めて収録したマガジン『尻叩き妖精シリーズ』もあります。

【講座? コンテンツ? 講師デビュー? ええっ!?】
かつて「尻込みちゃん」と呼ばれていた駆け出しソロ活占い師の元へ3人の尻叩き妖精が送り込まれてから、早いもので9ヶ月の時が経った。尻叩き妖精たちに代わる代わる尻を叩かれた甲斐があり、元尻込みちゃんであるところの駆け出しソロ活占い師も毎日ちょっとずつ尻込みリスト解消に励むようになっていた。

ブログを始めてみた。SNSとブログを両輪として積極的に発信していくようにした。更新頻度とSNSでの発言を増やしたらソロ活占い師同士や占い学習仲間とのオンライン交流も増えてきた。尻込みしていた申込フォーム作りだってがんばってやってみたし、カフェ鑑定の場所のアテはまだないけれど、当人比で宣伝・広報活動にいっそう力を入れたおかげでオンラインの有料鑑定は時々申し込みがある。

そんな元尻込みちゃんに、新たなる尻が襲いかかろうとしていた。

鑑定を受けにきたお客様から「占いに興味が出てきたんです。先生、初心者教室やってくれませんか?」

占い学習仲間から「この前ブログに書いてた話、面白ーい! これってふくらませたらコンテンツにできるんじゃない?」

ソロ活占い師の先輩から「ねえあなた、私とあなたともうひとり呼んでジョイント講座やらない?」

占いのレッスンを受けてきた先生から「そろそろあなたも講師をやってみたら?」

教室? コンテンツ? 講座? 占いの?? 私が??? ムリムリムリムリ、鑑定ならともかく、講師が務まるほど占い師歴長くない! だいたい講座の作りかたも段取りも全然わからない! そもそも何を、どこから教えればいいの? テキスト、私が書かなくちゃいけないんだよね? 売ってる占いの本を教科書にして教えるわけにもいかないんだよね? えっ、占い講座のテキストってどう書くの? っていうかテキストって書くのにどのくらい時間かかるの? わかんない、何もかもわかんない。

元尻込みちゃんの「元」が取れて再・尻込みちゃんになりかけている駆け出しソロ活占い師を訪ねてきた者がいた。「あっ、あなたは2023年の私!」と駆け出しソロ活占い師は叫んだ。「何ヶ月ぶりだっけ……とにかくお久しぶりです。今日は何の用で来たんですか?」

「久しぶりだけど、ちょっと違う」と訪問者は答えた。「私は2023年のお前ではなくて、2024年のお前だ」未来の私であることには変わりないじゃないですか、と駆け出しソロ活占い師はツッコみたくなったが、やめておくことにした。2024年の自分を名乗る訪問者の後ろに更に3人の連れの姿が見えたからだ。

「尻叩き妖精さんたちじゃないですか。2024年の私と尻叩き妖精3人、お揃いで何をしに来たんですか」と駆け出しソロ活占い師は尋ねた。「またしても尻込みの気配を感じたんでね」と2024年のソロ活占い師はニヤリとした。「尻叩き妖精の需要があるかなと思ったわけよ」2024年のソロ活占い師の背後で尻叩き妖精3人がてんでに頷いた。

「今回はいきなり3人全員で来るんですね」と駆け出しソロ活占い師は言った。「うん、前回は初めてだったからひとりひと晩ずつ3晩に分けて尻を叩いてもらった。しかし今回は2度目だ。そこまで時間をかけるほどではないだろうからね」と2024年のソロ活占い師が答えた。「ソロ活見習いの基本は前回で身につけたのだから、今回はひと晩で足りるだろう」ちょっと待って、つまりそれってひと晩で3倍お尻を叩かれるってこと? と尻込みちゃんが問い返す間も与えずに、2024年のソロ活占い師は「じゃあ頼んだよ」と3人の尻叩き妖精を残して去っていったとさ。

【まずはめでたい】
3人の尻叩き妖精のうち、最初に口を開いたのは優先順位の妖精だった。以前も真っ先に来てくれた、白髪混じりの髪をひっつめにしたおばちゃん妖精だ。「前回と同じ順番じゃあ芸がないから、今日は前と逆の順でやろうじゃないか」残り2人の妖精がうなずいた。優先順位の妖精は3人の中では仕切り役であるようだった。

「では、今日は俺が先頭というわけだな」と真っ赤な髪の尻叩き妖精が言った。彼は発信の妖精だ。「『講座をやりませんか』と誘ってもらえる。めでたいことではないか!」片手に握った赤いメガホンをもう片方の手にパン! と打ちつけて発信の妖精は言った。「講座をやれそうだと思ってくれる人が出るほどに活動情報の発信、ひいては占い師活動そのものに励んできたという証だろうよ。何を尻込みすることがあるものか」「そりゃあ嬉しいし、めでたいですけれども」と駆け出しソロ活占い師は言った。「何かを教えた経験がないんだもの、尻込みはしますよ」

発信の妖精は笑って「まあそういうあんたの尻を叩くのが俺たち尻叩き妖精の仕事だ」と言った。「まずはこの12分割のイベント企画チェックリストを見ろ。講座をやるには、まずこれを埋められるようになることを目指す」

12分割イベント企画チェックリスト

1 講座を開く動機・俺得ポイント
2 講座に関わる支出(経費)はいかほどか
3 告知をどうするか
4 会場はどこにするか
5 企画の目玉は何か
6 下準備をどうするか
7 誰に向けた企画か
8 受講料をいくらもらうか
9 受講したら何を高められるか
10 いつ講座を開くのか
11 コラボ相手やサポーターはいるか
12 アフターフォローをどうするか

「この表は『新・ #占いクラスタおとなの自由研究会 』テキスト販売記事から持ってきたものだ。テキスト自体は有料だが、12分割チェックリストの画像自体は無料で読める部分に置いてある。尻込みちゃんもどんどん使っていいぞ。無断転載と自作発言は禁止だが、チェックリストに自力で計画を書き込んだ場合に限り、ネットに公開しても構わない」

「ものすごく現実的だけど」とチェックリストを見つめながら尻込みちゃんは言った。「まだ講座の中身も決まっていないのに会場とか締切とかまで考えるの、頭が回りませんが😭 あと『誰向けの企画』とか『企画の目玉』とか地味に難しくないですか?」発信の妖精はカラカラと笑った。「うむ、言うと思ったぞ! 実はこれは尻込みちゃんがやるには段階がひとつ早い」「ひどい😭😭」「尻込みちゃんがまずやるのは、こっちだ!」

発信の妖精が取り出したのは最初のチェックリストによく似た12マスの一覧表だった。

講座受講メモ

1 自分が受講した動機
2 何時間でいくらの講座だったか
3 何が知りたくて受講したか
4 講座の会場はどこだったか
5 講座のワクワクポイントは何だったか
6 講座前に予習はしたか(事前課題があったか)
7 講師は誰だったか
8 何をもらったか(配布資料等)
9 何を教わったか
10 いつ受講したか
11 同じ講座を受けた学友から何を得たか
12 その講座について今も思い出すことは何か

「前に会ったとき、俺やお膳立ての妖精が言ったことを覚えているか? まず先輩占い師がやっていることをよく観察し?」

「真似をしてみる!」

「そのとおりだ! 今回の尻込みちゃんは『講師見習い』になる。まず『これまで自分が受けたことのある占いの講座』を思い出し、受講生の視点でこのチェックリストを埋めてみるところから始める。全マス埋められなくても構わない。どのマスから埋めてもいい。思い出せる限りのことを書き込む。講座を複数受けているなら、講座別にこの表を作る」

「……その後は?」

「視点を切り替える。かつて受講生だった尻込みちゃんを、今度は講師として1番のマスに置く。『むかし受講生だった頃の自分』のような存在を想定受講生として7番のマスに置く。2番のマスに書いた『受講料として支払ったお金』を8番の『受講生からもらうお金』に置く。5番の『ワクワクポイント』だったことは同じ5番の『企画の目玉』へスライドさせる。そうやって、最初に見せた講師目線の表へ作り替える」

「今日の発信の妖精さん、なんだかちょっとお膳立ての妖精さんっぽいですね」

「なんの!これはれっきとした発信の一環にもしうるものなのだぞ! たとえばだ、受講した講座や参加したイベントをこのように12項目で整理してから特に伝えたい数項目を取りあげ、肉付けをしていけば振り返りレポートだとて書きやすくなるのだ。ブログの記事にだって何にだって仕上げられる。ついでだ、読んだ本の備忘録にだって使えるのだから読レポ仕様の一覧表も見ていくといい」

読書感想文仕様12分割メモ

1 読んだ動機
2 本の価格と読むのにかかった時間
3 何を知りたくて手に取ったか
4 読んだ場所はどこか
5 個人的ワクワクポイントは何か
6 読む前に下調べしたこと
7 著者/作者は誰か
8 お値段以上だったところ
9 目を開かされたところ
10 いつ読んだか
11 友達と話し合ってみたこと
12 今でも思い出すこと

「講座をやるとなれば、告知に宣伝と複数回の発信が必要になる。ブログもSNSもじゃんじゃん更新していかねばならん。読者、ひいては未来の受講生へ必要な情報を抜け漏れなく届けるために、あらかじめリストを作って自分の頭の中にあるものを外へ出し、整理しておくことが大切だ」

「今日の発信の妖精さん、やっぱりなんだかお膳立ての妖精さんみたいですよ」

「何だと?!」

「それと、肝心の講座の中身って、どう決めたらいいんでしょう😭」

【講座の中身、どうしよう?】
「講座の中身作りについては、わたしこと本家・お膳立ての妖精がお尻を叩かせていただきます」そう声をあげたのは小さな女の子の妖精だった。ちいさな紺色の制服をきちんと着て、袖には「お膳立て」とプリントした黄色い腕章を巻いている。彼女は「順番を逆にしても、わたしってどのみち真ん中なんですよね……」とつぶやきながらどこからともなくクリップボードを取り出した。

「講座の中身って、お膳立ての妖精さんが担当するものなんですね」と尻込みちゃんは言った。お膳立ての妖精は肩をすくめた。「そりゃあ何を教えるか決まっていないと告知もできませんから、中身作りはお膳立てのうちです。今回は『講座をやりませんか?』とお声がかかったことを前提としてお膳立てを進めるので」

「緊張する😭」

「相変わらず怖がりですね。お声をかけてもらったのだから、講座の中身についてはお声をかけてくれた方に助力をお願いすればよろしいんですよ」

「へ??」

「お客様から初心者講座をやってほしいとお願いされたならお客様に『何がいちばん知りたいのか』をヒアリングする。先輩からジョイント講座のお誘いを受けたならその先輩とテーマや中身について打ち合わせとネタ出しをする。ブログやSNSの発信を見た人に『これ講座になるのでは』と言われたなら、もうそこでテーマは決まりますし。占いを習った先生からおすすめを受けたのならもちろん先生に相談ができます」

「あ、そこ頼ってもよかったんだ」

「そうですよ!相談や打ち合わせもお膳立ての一環です。そして、お膳立てと言えば講座用の申込フォーム。アンケート機能やメッセージ欄を使えば、受講生から質問をあらかじめ募集できます。『講座内容に反映させるので、知りたいことがあれば積極的に書き込んでください』と強調しておきましょう」

「あっ、確かに私が受けた講座も申込フォームに質問やメッセージを書く欄がありました。書き込んだことを講座当日に取りあげてもらうの、少し照れるんだけど嬉しかったな」

「講師も何を重点的に話すと喜ばれるかわかって嬉しい、受講生も知りたいことが知れて嬉しい、win-winです。そのために申込フォームからしっかりお膳立てしましょう」

「はい!」

「よいお返事です」とお膳立ての妖精はニコニコした。「次に講座テキストです。受講生に配布するものでもあるし、講師自身にとっては講座の台本でもあります。これを書くのが講座をする上での最大のお膳立てとなります」

「ひえっ!😭」

「怖がりすぎないでください尻込みさん。今までソロ活占い師活動だってSNSだってブログだってやってきたはずです。やればやった分だけの力と自信がついたはずです。講座テキストも同じ。書けば書いただけ『何を伝えればいいか』は確かなものになります。そして、まずは書いてみないことには何も始まらないんです」

講座テキストを書くためのお膳立て
この講座で尻込みちゃんは受講生に何をわかってほしいのか?
受講生はこの講座で何をわかりたいのか?(アンケートを取ろう)
それをわかってもらうために必要な基礎知識をリストアップする
テーマに沿った実例を用意する
実例解説用に調べものをする
必要な図解や表を用意する
テキスト構成は「導入・本題・出口」
導入部で基礎知識・本題で実例・出口で応用や質疑応答

「講座テキストを書くことで、まず自分で自分に教えます。いちど書けたら、その講座テキストを使ってリハーサルをします。そこで手直しが必要ならば手直しをして、それから本番です」

「リハーサルに付き合ってくれる人を探さなきゃ😭」

「そうですね、それもお膳立てです」お膳立ての妖精は頷いた。「リハーサルのしやすさという意味でもソロ活占い師仲間複数名で集まるジョイント講座はおすすめです。互いに互いのリハーサルに付き合えますし、意見ももらえます。テキスト作りの孤独な原稿作業中も励ましあえます。ひとりの持ち時間も短いので、初めての講座にも向いています」

「もしも、一緒にやる人のアテがなくて完全にひとりでやる場合は……?😭」

「ひとりきりでできるところまで講座の難易度や時間を下げ、事務作業の規模を削りましょう」とお膳立ての妖精は言った。「たとえば対面講座やオンライン講座をやってみる前に、有料記事を販売できるブログサービスに有料でテキストだけを置いてみるとか。短い解説動画や音声ファイルを作って、データ販売をしてみるとかです。講座の全てをそこで公開してしまわず、『続きはフルサイズの講座で!』と予告して売れ行きや反響を見ながら講座本番までの準備をするという手もあります。あっ、そうだ」

「何ですか?」

「有料記事を作るにしてもデータのダウンロード販売をするにしても、振込先の設定をするところからですね」

「はい」

「売上の振込はどのタイミングか、手数料は何%か、この際ですから調べておきましょう」

【何が最優先か】
「さて、最後の尻叩きはあたしだね」と優先順位の妖精が口を開いた。「講座を開くともなるとやるべきことは山ほどある。その中でも真っ先に決めなきゃならん最優先事項は」

「最優先事項は?」

「いつを本番にするか、つまり『お尻を決める』ことだ」

「お尻を、決める」

「そうだ。泣いても笑ってもこの日が本番だっていうお尻を決める。そうすればそのひとつ前のお尻である講座テキストの締切も決まる。計画は最終最大の尻を決めるところから始めるんだ。そこから逆算して受付締切、募集開始から告知開始、会場決定まで順に決めていく……それであんた、いつやるんだね」

「へ?」

「2024年のうちにはやるんだろうね?」

「へ?!」

「腹をくくってお尻を決めな」

「優先順位の妖精さん、前より厳しくないですか……😭」と尻込みちゃんは泣いた。

「前は尻叩きも初回だったからね」と優先順位の妖精は首を振り振り言った。「初回だったからあんた自身に尻込みリストの順位をつけてもらって、いちばん苦手なふたつは後回し、できそうなことから優先で片付けていくって方式でやれた。だが講座となればそうもいかない。『自分のやれそうなことから』ではなく『動かせない現実的な締切』から優先的に決めていく必要があるんだよ」

「😭😭😭」

「まず、絶対にこの日なら自分の予定が丸一日空いていて、会場の予約も取れるという日を見つける。会場を押さえて、この日を本番だと決める」

「うう……」

「本番までの日数を数えて、その日までに自分ができることを考えて、講座のレベルと規模を調整する。日数が少なければ少ないなりに小規模の講座にする。4ヶ月後に対面講座やオンライン講座でもいいし、1ヶ月後に有料記事公開でもいい。2ヶ月後にダウンロード販売開始でもいい……ああ、もっとも誰かからジョイント講座に誘われている場合は、誘った側でもう本番の日取りは確定済かもしれないが」

「うわあああああ!!!」

優先順位の妖精はにんまりと笑った。「早いうちにお尻を決めればそれだけ支度に余裕が持てるって寸法だ。さあさあ、あんたの予定を立てようじゃないか」

そこから尻込みちゃんがどうなったか、続きを書くのはこれを読んでいるあなた♡



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