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人事労務の本質とは|『図解 労務入門』を通じてわたしが再発見したこと

こんにちは。わたしは現在約 50 人規模の会社のコーポレートチームで労務を中心に働いています。恥ずかしながらこれまで仕事とそれを通じて何を実現したいのか自分の想いをきちんと言語化できていませんでした。
ところが、書籍『図解 労務入門 人事の土台をゼロからおさえておきたい人のための「理論と実践」100のツボ』と出会って、本来自分の中にあった想いに気が付くことができました。この記事では、なぜわたしが人事労務に携わるのか、労務との出会いやこれまでのキャリアについて棚卸しします。

2,000 人規模のIT企業に就職し、ひょんなことから人事部へ

わたしが新卒入社した会社は 2,000 人規模の IT 企業で、社員の 8 割はシステムエンジニアでした。いくつか選考に進んでいたうちの一つで、内定をもらう前後に新人研修のあとは人事に配属になる可能性があると言われたんです。システムエンジニアが大半の会社でそんな配属の可能性があるなんてなんだか面白そう、何かの運命かも?と、心の中でその会社に入る自分にわくわくしていました。
これは後から聞いた話ですが、コーポレート部門の平均年齢が上がり後継者を探していたこと、当時の統括部長の出身と同郷で親しみを持ってもらっていたことなどから声をかけてもらえたそうです。

それから、約 5 年間、新卒採用を中心に研修、研修費用の管理などを担当しました。新卒採用では毎年 50 人前後の新卒社員を迎え入れており、同僚や若手社員の配属後現場での話をあれこれ聞くことがの日常の光景でした。
ところがある時、健康面やメンタル不調などの理由から休職したり退職する人が一定おりその割合が増えている事実を知りました。一緒に働きたい、きっとこの会社で活躍してくださると採用に至った方がその後会社を去って行ってしまうということは、新卒採用をメインで対応していたわたしにとってショッキングな出来事でした。と同時に会社のある一面しか見れていないのではという危機感もありました。
組織のまだ見えていない他の面もちゃんと捉えたいし、その上で環境を変える何かがしたい。でもそれはとても大変なことだとも感じました。会社のことを知りにいきたいと経験を積むために部署異動を考えましたが、当時は異動のハードルが高く仕事の幅を広げづらい環境でした。

見渡せる規模感の会社へ

組織規模の大きな会社からいったん離れたわたしは、現在の勤め先に転職しそのタイミングで広報にチャレンジするのです。ここでは端折りますが、いくつかのサービスローンチに立ち会えサービスの作り手の熱量に触れられたことや上場に至るまでの結束力を体感できたことはとても感慨深いものでした。

労務との出会いは突然に

その後 2 度の産育休で会社を休業しました。2 度目の復職の時です。社内体制が変わり復帰後はコーポレートの仕事をするかもしれないと話をもらいました。前職で人事の一部の仕事をやっていたものの、やりきれなかった"あのもやもや"ともう一度向き合えるかもしれない、これはチャンスだと思いました。
その後コーポレートメンバー数名の出入りがあり、引継ぎという形で労務業務にチャレンジすることになりました。自分が勤怠や給与に関わる部分を見ることになり、人事の根幹の仕事に緊張しきりでした。無い知識は補うしかないので、引継ぎ業務の傍ら給与計算の仕組みを一から勉強するなどできる努力をコツコツ重ねました。

『図解 労務入門』と出会い人事労務に戻ったワケを再発見

幸いなことに勤め先の会社は学びに熱心な人が多く、コーポレートチームもその一つです。日々学んだことを業務に生かすなど、熱心な仲間と働くことができています。そんな同僚から教えてもらった書籍こそ『図解 労務入門』でした。
わたしがこれまで読んだ本は制度や仕組みそのものを解説するものが多かったこともあり、「人事とはなにか」「労務とはなにか」という問いに頭がフル回転したのと同時に前職でのやり切れなかったあの悔しい気持ちが思い出されました。

人事とは「人を生かして事をなす」。
労務は、事をなす(一所懸命働く)人たちを生かす(生活を守る)人事
人材マネジメントは、事をなす(成果をあげる)ために人を生かす(才能を活用する)人事

図解 労務入門 人事の土台をゼロからおさえておきたい人のための「理論と実践」100のツボ(著者 坪谷 邦生 , 岩田 佑介, 古茶 宏志)のChapter1より

書籍ではこのように「活かす」ではなく「生かす」と解釈されていたのです。人がその人らしく元気でいてくれるからこそ活きいきと活かされる。その基礎を作っているのが労務です。わたしの体験とも重なりました。前職時代の若かりし頃にもし、働く人をいたわる労務知識を持っていたらまた世界か違っていたのかもしれないです。困っている人に掛ける言葉も違っていたことでしょう、労務の力で寄り添えたこともあるかもしれません。自分の未熟さに気づかされました。採用や定着、活躍も大事、でもその土台はどうなってる?ここを知って等しく労務を提供できることって人事としてとても大事なことだと点と点が線で結ばれたような気持ちになりました。

学びのスタートに立つ

1冊の書籍がきっかけとなり、過去を思い起こし現在の仕事のモチベーションとなる想いに気づけ、改めて学びのスタート地点に立てたように思います。労務担当者として制度やルールに則った仕事をするのはもちろんですが、それだけでなくその人らしくいられる土台である"あたたかな労務"を提供できるよう日々の仕事と向き合っていきたいと思いました。
ここまでお読みくださりありがとうございました。それではまた今度!

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