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フルーツサンドとパンの耳【日誌2頁め】

今日はお仕事オフ。ちょっと朝寝坊。
朝寝坊ってなんでこんなに幸せなんだろうか。
母は私の寝ている間に仕事に出かけた。まだまだ現役、頭が下がります。

今日は遅く起きたからおなかすいた。
パンが2枚余ってるし、、、あ、そうだ。
冷蔵庫にイチゴもあるし、フルーツサンド作ろう。

さかさハートのいちごサンド 完成図

ちょっといびつなサンドイッチだけど、自分で食べるものだから。
上出来、上出来。

切り落としたパンの耳はレンジで1分チン!で簡単ラスク。
これはおやつにしよう。半分は母に残しておこう。

レンチンしすぎてちょい焦げラスク シナモンシュガーをまぶして完成! お砂糖は三温糖で優しい味に

サンドイッチ作りながら思い出した。
子供の頃、サンドイッチが出た日のおやつは必ず「揚げパンの耳」だった。
切り落としたパンの耳を油で揚げて、シナモンシュガーをふりかけただけのおやつ。

うちはまあまあ大きめなおうちで、お友達がよく集まってくる家だった。
お友達が来れば、母は何かしらおやつを必ず用意してくれる、しかもほぼ毎日手作りのおやつ。
おやつ目当てで来る子も結構いたっけな。
少しずつ女性が社会進出し始めてはいたが、それは「腕に職」がある一部の女性で、まだまだ専業主婦が多い時代。
でも、そこまでしているお母さんは周りを見回しても少なかった。
シュークリーム、プリン、アップルパイ、、、人気の手作りおやつがいくつかあったけど、「揚げパンの耳」は意外にもダントツ人気のおやつだった。
今ほど「朝は必ずパン」という家庭も少なかったから、サンドイッチがおうちでよく出てくるなんてことも少なかったんだろうし、だからパンの耳をおやつ仕立てにするというのもそんなに多くはなかった。
切り落としたパンの耳を油で揚げて、たっぷりのグラニュー糖をまぶし、仕上げにシナモンをぱらぱらっと振って完成。
「これ、なんの香り? いいにおーい」と聞いてくる子も多かったな。
シナモンの甘い香りが当時の小学生にはちょっとオトナの香りだった。

ーーーーーーーーーーーーーキ リ ト リ 線ーーーーーーーーーーーーーーだけどね。ちょっとナイショのお話ですが
私、実はこの「揚げパンの耳」がとってもニガテで。。。
なぜニガテだったのか、今でもはっきりはわからない。
「揚げパンの耳」が出てきた日は私はさりげなく1個をゆっくりじっくり食べて時間稼ぎしていた。
その事実は今でも母には話していない。
(もしかしたら私の様子を見て気づいていたかもしれないが)
これからも話さないつもり。大きな愛がそこに詰まってるのを感じて子供ながらに言わなかったことを大人になった私は知ってるから、大人の私もそれは口にすまいと思ってる。
ーーーーーーーーーーーーーキ リ ト リ 線ーーーーーーーーーーーーーー

それから20年の時が経ち
私は自分の子供と、そのお友達に「揚げパンの耳」を作って出したことがある。
油で揚げて、グラニュー糖をたっぷりまぶして、シナモンをぱらぱらと。
「え、何これ? パンの耳? 美味しいね」とこれまたみんなの手が止まらない人気のおやつになった。
そっかぁ。今はサンドイッチにはサンドイッチ用のパンがあるもんね。
パンの耳だけをこんなふうに食べる機会なんて、なかなかないよね。
この子たちにとっては別の意味で「珍しいおやつ」だったのだろう。

さらに20年の時が経ち、現在。
サンドイッチは耳つきでもじゅうぶん美味しい。耳が昔ほど硬くないもの。
だから我が家でもサンドイッチは「耳つき」が主流となった。

今日は久しぶりの耳なしサンド。
耳を切り落としながら、ふと思い出した懐かしい光景。
でも切り落とした耳は揚げずにラスクにした。
油は少し控えめにしないといけない、そんなお年頃にふたりともいつの間にかなったものね。

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