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目をそらしてしまった

『10人に1人は発達障害』

発達障害にもLD、ADHD、読字障害、アスペルガー・・・

細分化させたらもっと色んな症状を持つ子がいます。

30人に2人は何かしら障害を持つ子がいます。

私とSくんは30人のクラスに2人・・・10人に1人の発達障害でした。


提出物が出せない

『〇〇日までにノート提出』という課題をきちんと提出できた試しがありません。

・わかっているのに先延ばしにしてしまう

・なかなか取り掛かることができない

・ノートを忘れてきてしまう

提出物が出せていない子は黒板の端に名前を書かれてしまうのですが、

その名前がずっと黒板から消えることはなかったことを覚えています。

私ともう一人名前が消えない子がいて、それがSくん。

私はSくんにちょっとした仲間意識を持っていました。

しかし、唯一仲間になれないな・・・と思っていたのは

彼が『ハナクソをひっそり食べてしまう』という点でした。

荒れるギャングエイジたち

『ギャングエイジ』という言葉をご存じですか?

子どもの発達に現れる特長のことで小学中学年~高学年に現れます。

私が小学5~6年の時のクラスに、社長の息子が1人いました。

とても偉そうで体も大きく乱暴で、クラスは暴力で支配されていました。

ボスナンバー1、ボスナンバー2、ボスナンバー3がいて、

その傘下に各グループの男子たちが付き組織化されます。

ボスが1人をいじめるとなれば、組織が一斉にターゲットをいじめます。

『ハナクソを食べるから気持ち悪い』という理由で

Sくんはひどいいじめにあいました。(本当にひどかった)

ハナクソを食べることは気持ち悪いですが、それ以外は無害なSくん。

『ハナクソ食べるのやめた方がいいよ』とよく説得した記憶があります。

彼を避けたり無視する女子も多い中、発達障害の同志ということもあって、

差別をすることなく、彼には1人の人間として接していました。

目をそらしてしまった

『○○ちゃん、○○くんのこと好きなんだって!!』

情報を仕入れて、後ろの黒板に相合傘の落書きをして名前を記入する。

絶対小学生ならば、絶対経験するアレ。うちのクラスも恒例でした。

『しょうもない・・・』と思い興味がなかったのですが、

私の名前が記入される日が来ました。

後ろの黒板にチョークで相合傘の絵を書き、そこに書かれた名前は

『Sくん ・ ニャンチュールー』

ニヤニヤ笑って大声でからかい出す社長の息子の男子ボス。

ショックで立ち尽くす私。

友達が見かねてSくんに『本当にニャンチュールーが好きなの?何で?』

と聞いてくれました。

コックリ頷いて、Sくんは言いました。

『ニャンチュールーさんはみんなと違って、優しいから』

優しくしてたら、私までいじめられてしまう。

次の日からSくんがこっちを見ても目をそらしてしまい、

私も無視するようになってしまい、Sくんは寂しそうだった。

大人になってから思うこと

大きくなりSくんは県下で1番の難関校に合格します。

彼はいじめにも耐え、コツコツずっと勉強してきたのです。

乱暴な社長の息子は、私立校に進学し、バラバラになりました。

成人になり20歳の同窓会のときに、乱暴な社長の息子と再会しました。

彼は顔立ちも髪型も身長も一切変わっておらず、(彼の身長は160㌢)

他の男子の方が大きく成長して彼を見下ろし、

『何で俺たちってお前のことが怖かったんだろう』

と言い出しました。

Sくんは同窓会に来なかったけど、次にもし会えれば

目をそらさずにお話がしたいなと図々しくも思う私。

そしてこの社長息子のチンチクリン具合を見せてやりたい。

他の人とは違う発達障害等が理由で苦しい日が続いても

大きくなってからはどうなっているかわかりません。

信念を持ってコツコツ自分のやるべきこと貫けばいいのだと思います。

そして発達障害の子どもの間に介入する療育がもっと必要です。

子どもがなぜその行動をとってしまうのか、寄り添ってほしいのです。

また目をそらしてしまう子が生まれる前に。


































































また目をそらしてしまう子ができる前に。


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