長男と次男 35 《不登校実録》
最初の一歩の重さ
次男は、別室、適応教室、クラブ、習い事
いずれにしても最初の一歩を踏み出すことが
なんせ大変だ。
行ってしまえば楽しかったり
元気になったりするのだが
「動き出し」のエネルギーが相当必要だ。
要は彼自身の基礎体力?基礎気力?が
上がりきっていないということだと
私は認識している。
こればっかりは、
こちらが準備しようとしようまいと
その時にならなきゃどうしようもない。
ゆえにもはや
こちらも大袈裟には捉えない。
昔は全くそんなことなく
手が掛からなかったな…
学校に行けなくなってからこの傾向は顕著。
昔は無理していたのかもしれないな。
「見守る」って本当に難しい。
そんな次男と通信制高校の説明会に一緒に赴く。
説明会があることは数日から言ってはいたが、
やはり同日になるととんでもなく不機嫌。
暴れたり暴言を吐いたりはしないが
特に私の顔なんて全く見ずにモノに当たる。
普段はほぼそんなことをする子ではないだけに
覚悟はしていたが多少は私の心も削れる。
「見守る」ということは
なんでも好きにさせておくことでは決してない。
親は常に神経をはりめぐらし、
子のちょっとした変化を察知しなくてはならないのだ。
次男は相当落ちていた状態から少し復活し、
適応教室にもほんの少しだが復帰していた。
本人に聞いていた高校への考えと、
説明会の日程的にもこのタイミングは逃せない。
もし次男が本当に会場にも入れないなら
そのときはまた話し合うしかない。
もうこれは賭けだ。
私は次男に言った。
「どれだけ不機嫌でも構わないけれど、
今日は一緒に行ってもらう」
次男はより一層不機嫌になった。
それでも何とか会場まで行った。
私の隣に座って全体の説明会を聞く。
その間も次男は憮然とした顔で
イライラと膝をガタガタさせている。
でも私は何も言わない。
そのうちきっと落ち着いてくる。
最初を乗り越えたら大丈夫、きっと。
先生方の話の後、
生徒さんが実際の学校生活を説明してくれる。
だんだんと次男の様子が変わってきた。
彼が興味を持っているパソコンの話で一気に食いついた。
生徒さんが一生懸命話をしている姿を見て、
拍手をする、会釈をする。
普段の次男が戻ってきた。
よし、ここまでくれば何とかなりそうだ。
その後、体験授業。
聞いた瞬間、次男は身構えていた。
子供たちはグループワーク。
保護者は子の近くに行ってもよいと促されたが
私は遠くから様子を見ることにした。
何とか頑張ってるじゃん。
小4までの次男の姿が重なった。
こうやってずっと無理をしてきたんだなと
改めて思った。
とはいえ、思ったより楽しそうにやっている。
少人数で話し合いをするような授業スタイルは
実は彼にとっても楽しいんだろうなと思った。
他の生徒さんも見てみる。
高校の特性からしても、次男同様
学校に行きづらいお子さんが多い。
先輩方も含め、お互い共通項があるからだろうか
終始あたたかく優しい空間だった。
きっと久々の授業の子も多いだろう。
最初は緊張していた子供たちが、
徐々に笑顔を浮かべて一つのテーマについて
話をしている。
心の底から「学びたくない」と思う子供は
実は少ないんじゃないのだろうか。
新しい知識を得ることが嫌なわけではなく、
むしろ嬉しいことなんじゃないだろうか。
笑顔で会話している子供たちの熱心な姿を見て
思わず涙が出そうになった。
この子達の可能性を潰したくないと
改めて強く思った。
私に何ができるだろう。
経験者の行動
体験授業の後、次男は
「楽しかったし、すごく話しやすかった!」
と言った。
「ただめっちゃ疲れた~!」
まぁそれはそうだろうね、
授業というものに何年も出ていないし
緊張していたしね。
それでも、ひと山越えたような表情。
「来てよかった。連れてきてくれてありがとう」
これからもこの感情のジェットコースターは
しばらく続くだろうな…
それも想定はできている。
次男の様子をよくよく見ながら
「ちょっと押す」と「ちょっと引く」を
調節しながら寄り添うしかないと
腹は括っている。
…しかし、さすがに私も振り回されて疲れることもある。
が、ここにきて思わぬ誤算があった。
ありがたいことに
この絶妙なさじ加減については
経験者である長男が非常に上手いのだ!!
ものすごく自然に、次男が重荷にならないように
ふわっと背中を押してくれる。
私も相談相手がいてくれるので助かるし
長男の動き方を参考にしながら
次男への向き合い方を考えることがらできる
経験というのは無駄じゃないね…と心から思う。
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