見出し画像

鎌倉・建長寺でご利益ハイキング。245段の階段をのぼると絶景が待っていた!

建長寺発祥の「けんちん汁」を堪能→いざ腹ごなし

建長寺(正式名称=「巨福山建長興国禅寺 こふくさんけんちょうこうこくぜんじ」)は鎌倉五山の第一位の臨済宗建長寺派の大本山。鎌倉幕府五代執権北条時頼が建立した、わが国初の禅宗専門寺院です。

アクセスは、北鎌倉駅から歩いて15分くらい。北鎌倉といえば素敵な古民家カフェ「喫茶ミンカ」でランチしたり(カレーがおいしい♡)、大好きなコーヒー屋さん石かわ珈琲で石川さんのおいしいドリップ珈琲とチーズケーキをいただいたり、という過ごし方が定番だったのですが、じつは建長寺は初訪問。

訪れたのは「本物のけんちん汁が食べたい」という食いしん坊この上ない動機からでしたが、「あのけんちん汁をまた食べたい!」という強い思いと同じくらい、「建長寺、また歩きたい!」と思いましたよ。思った以上に楽しかったんです。

●建長寺発祥「けんちん汁」のご紹介はこちら↓

重要文化財「三門」をくぐり、国宝「梵鐘」を見て、その先へ

まず総門(巨福門)をくぐると右に受付、左に朱印所。その先に、重要文化財である「山門」があります。

018建長寺三門

山門とは、三解脱門(空門・無相門・無願門の三境地を経て仏国土に至る門)の略で、三つの煩悩「貪(貪り・欲求)」「瞋(怒り・恨み・憎しみ)」「痴(無知・無明)」から解脱する境界ともいわれます。山門には扉がない場合も多く、誰もが仏門に入ることを拒まない仏の大慈悲心の表れなんだそう。

三門に向かって右側には鐘楼があり、1255年に鋳造されたという国宝の梵鐘が。

019建長寺国宝梵鐘

左手には「君が代」に登場する「さざれ石」も。

017建長寺さざれ石

柏槇(びゃくしん)の古木がそびえる庭を抜け、重要文化財の仏殿へ。こちらにはご本尊である地蔵菩薩の坐像が安置されています。室町時代(15世紀)のものといわれる木造の菩薩様です。

020建長寺仏殿本尊地蔵菩薩坐像

禅宗のご本尊は、仏教の開祖である釈迦如来が一般的ですが、もともとこの地にあったお寺のご本尊が地蔵菩薩だったそうで、今でも建長寺のご本尊は地蔵菩薩なのですって。

021建長寺仏殿格天井

地蔵菩薩が鎮座する頭上の格天井。鳳凰などが描かれています。

仏殿の先にはこれまた重要文化財の法堂(はっとう)が。ご住職が仏様に代わって壇上で説法されるためのお堂です。

中央に安置されているのは「千手観音坐像」ですが、その前には「釈迦苦行像」があります。約6年間もの長きにわたって断食と坐禅の日々を送り、菩提樹の下で悟りをひらいたといわれる釈迦が極限の苦行・禁欲(断食)をしている姿を現したもの。貴重なガンダーラ文明の遺産であり、本物の像はラホール中央博物館に安置されています。建長寺のこちらは愛知万博にて展示された後、パキスタン国より寄贈されたものなのだとか。

023建長寺法堂釈迦苦行像

肋骨や静脈が浮き出した釈迦の像は初めて見ました。苦しみを通り抜けて、穏やかな表情になったということでしょう。

022建長寺法堂天井雲龍図

天井画は、建長寺創建750年を記念して、日本画家・小泉淳作が描いた雲龍図。

024建長寺法堂天井雲龍図

龍は仏の教えを人々に伝えるといわれ、天井に龍を描くのは修行僧に「法(教え)の雨を降らす」という意味があるのだそう。「火災から護る」意味もあるようです。

そしてこちらは方丈(龍王殿)です。

025建長寺方丈龍王殿

個人的おすすめは天空のパワースポット「半僧坊」!

建長寺の際奥にある鎮守府、半僧坊(はんそうぼう)。ここは鎌倉の「天園ハイキングコース」の一部にもなっていて、お寺散策の域をこえた"山歩き"を堪能することができます(コース全体はかなりの長丁場らしいです。健脚の方はぜひ全コース制覇を)。

026建長寺半僧坊


245段の階段はけっこう急なので運動不足気味の人は息が上がること間違いなし(笑)。でも、のぼった先にはこんな絶景が待ち受けているので、行ってみる価値ありです。すっごい気持ちよかったですよ!


028建長寺半僧坊

こんな顔してますが(笑)、息子も「来てよかったね。楽しかった。また来たい」と言ってました。

建長寺の広大な境内は縦長で、その最奥にあるのがここ半僧坊なわけですが、小さいながらも授与所(売店)があります(もうひとつの売店は総門をくぐってすぐの拝観受付の前。逆にいえばこの2カ所しか売店はないんです)。息切らしながらのぼった先でしか買えないお守り・・・これはご利益ありそうです。わが家も「半僧坊」を描いた御札とお菓子を購入しました。

急な石段を登りきると勝上献展望台です。お寺の中にこんなスポットがあったとは。まったく予想外でした!

027建長寺勝上献展望台

正統院(しょうとういん)は門外から見学のみ。

029建長寺塔頭正統院

建長寺の塔頭(たっちゅう)は繁栄時には49院あったといいますが現在は12院を残すのみ。正統院は現存する塔頭のひとつで、後嵯峨天皇の皇子高峰顕日(こうほうけんにち)の塔頭なのだそう。天皇家とも御縁があるお寺なのですね。

いやはやそれにしても。

「建長寺のけんちん汁が食べてみたい」というしょうもない動機で実現した建長寺初訪問でしたが、予想外にじっくりと、心地よい静かな時間を過ごさせていただきました。とくに半僧坊までの散策は非常に印象的で、またぜひ運動不足を解消しに行きたいと思いました。

また伺いま〜す。

031建長寺帰路新宿湘南ライン




この記事が参加している募集

一度は行きたいあの場所

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?