見出し画像

「新春に抹茶」の新習慣。クリーミーな泡立ちをおうちで楽しむ3つのコツ!

抹茶、お好きですか? 抹茶ラテや抹茶スイーツもおいしいけど、点てたばかりの「本物の抹茶」は別格です。京都や鎌倉のお寺でお庭を眺めながらいただくのも最高ですが、家で点てればもっと甘みのある茶葉で、もっとクリーミーな泡立ちを作ることができますっ。本当に本当においしいんです♡

日本人ならぜひ乗っかっていきたい「新春に抹茶」の新習慣

「昨日までクリスマス一色だったのに、今日からお正月だ!」と、ガラリと変わる日本の年末年始。町を歩くだけで「あぁ、いよいよかぁ」と実感でき、わが家も玄関のクリスマスリースをしめ縄飾りにかけ替えます。パキッとした変わり身の早さ、けっこう好きです。

わが家のしめ縄飾りは息子が作ったもの。とあるワークショップで優しいお二人に教えていただき、立派なものを作りました。本来は毎年買い直したほうがいいのでしょうが、息子の力作なので神様も許してくださるよねっと、しっかり保存して使い回しています。

日本の年末年始のもうひとつの特徴は、全国的に同じものを食べること。スーパーの食品売り場に行くと、「クリスマスですね、丸鶏いかが?」「年末はすき焼かカニ鍋で」「お雑煮の材料、全部揃ってます」「今日は七草粥の日ですよ」って感じで、売り場全体からぐいぐい提案されますよね。「きっとご近所さんみんな同じようなものを食べてるんだろうな」と思いながら、しっかり提案に乗っかって、丸鶏もすき焼きも雑煮も七草粥もぜーんぶ食べます。そういうのもけっこう好きです。

でも、スーパーではまだ提案されていないことがあるんです。
それが、「初釜」。抹茶です。

美しいグリーンは、見ているだけで心洗われるよう。抹茶ラテや抹茶スイーツもおいしいですが、点てたばかりの抹茶のおいしさは全くの別物。和菓子と一緒に味わうと、天にも昇る心地です。

初釜とは「初めて釜に火を入れる」、つまり、新年の最初に行われる茶会のこと。茶道をたしなむ人にとっては稽古初めとなる重要な場ですが、家庭では「抹茶を楽しむ機会のひとつ」として気軽に楽しめばよいと思います。

抹茶は新年に限らずいつ飲んでもおいしい飲み物ですが、何か機会があったほうが新しいことを始めやすいですよね。せっかくなので新春のタイミングで「おうち抹茶」をスタートしてみる、というのはひとつのきっかけになるかな〜と。抹茶を一缶買えばかなり持ちますし、本当〜においしいので、「やってよかった♡」と思えるはずです!

わが家のお茶好き地蔵、初抹茶はまだ髪の毛がうっすい2歳のとき。短い脚できちんと正座し「はー、おいち♡」と飲み干しました。以来、好きなときに抹茶を点てて味わっている息子です。

楽しむコツ(1) 一保堂茶舗の茶葉とダマ対策

おうちで抹茶を楽しむコツは、形式を気にせず、でもせっかくなので素敵な雰囲気で、そして何よりおいしく味わうことです。ポイントを3つほど紹介しますね。

「抹茶=苦い」と思っている人がいるとしたら、それはきっと茶葉のせいです。良質な抹茶は、まろやかな口当たりで甘みがあり、小さな子でも「もっと〜♡」とおかわりしたくなるおいしさなんです。

京都にて。寺院の庭園で供される抹茶は苦いものも多いのですが(外国人のお客さんも多いんだし、もっとおいしいのを出して抹茶の良さを広めたらいいのになぁと思います)、抹茶愛が強めな息子は気にも留めません。「ちょっと苦いね。でもおいしい」とやっぱり飲み干します。

私がいつも買うのは創業1717年、京都の老舗「一保堂茶舗」の抹茶です。玉露や煎茶もおいしくて、新年には「大福茶(おおぶくちゃ)」もおすすめです。高級な抹茶もありますが、1缶1000円前後から買えて、十分においしいです。茶筅、茶杓、茶碗、抹茶がセットになったスターターキット「はじめの一保堂」を買ってみるのもおすすめ。わが家も最初はここからスタートしました。

良質な茶葉を買ったら、さっそく点ててみましょう。ポイントは、必ずダマをふるうこと。

粒子が細かいパウダー状なのでどうしてもダマができています。
このまま点てると器の底にダマが残り、口当たりもいまひとつ。クリーミーなおいしさを楽しむために、必ず茶こしでふるいます。

抹茶の量は、1杯につき茶杓2杯分。茶杓がない場合は「ティースプーンで軽く1杯(2g程度)」と覚えてください。湯量は70~80mlが目安ですが、わが家はそれだと飲み足りないので、抹茶は茶杓2杯半、お湯は100mlで点てています。

(2)茶筅(ちゃせん)を用意して、クリーミーな泡を立てる

茶器にこだわるのは楽しみのひとつ。私もいずれ素敵な黒楽茶碗がほしいと常々思っていますが、本格的なものは当然ながらお高いし、だからこそ「気に入ったものをじっくり探したい」と思うので、即決はできないんですよね。でも、茶器でハードルがあがって抹茶自体を後回しにするくらいなら、まずはカフェオレボウルやお茶碗で飲んでみるのもよいと思います。

うちの場合、最初は先ほど紹介した「はじめの一保堂」の茶碗で点てて、白いコーヒーカップ(ソーサーつき)にうつして飲んでいました。こうすると茶碗ひとつで人数分いれられます。

今は、この器を使っています。

そばつゆを入れたり煮物をよそったりもする、普通の和食器です。形がかっこいいし、サイズ的にも抹茶にぴったり。白と黒をそろえています。いつか黒楽茶碗がほしいんですけど!

食器はさておき、必須なのは茶筅です。茶道の心得はないので(何度か教わりはしましたが)、所作の美しさは意識しつつも「とにかくおいしく」を最重視するのがわが家流(というか、息子流)です。

もうね、すごいですよ。「それ、筋肉痛になりません?」と心配になるほどの早業で、小気味よく抹茶を点ててくれます。なにしろこのきめ細やかな泡がクリーミーでおいしいですからね、高速泡立ても捨てたもんじゃありません。

使う茶筅がよくないと「苦労したわりに泡が立たない」ということになりがち。茶筅はなるべく良いものを選ぶのがおすすめです。わが家のは4000円程度とお手頃ですが、「わざわざ抹茶のためだけに買うには高いかも」と思う方もいるでしょう。でも、買って以降の満足度を考えたら「すぐに元が取れた!」と感じています。

国産の「100本立て」で、久保左文さんという伝統工芸士の作品。決して高くない!と思います。

茶道において、「泡を立てる」のは裏千家なので(表千家では泡立てず、泡が半月状にうっすら残ることが美とされています)、「裏千家 お薄用」の茶筅を買うとよいと思います。

所作は美しく、と肝に銘じつつも、「茶道」より「おいしい抹茶」。いわば「道」より「泡」なので(笑)、どんな流派のどんな家元よりも「こまやかな泡」をつくりあげるのが息子流。

お湯を注いだ直後は茶碗の底に抹茶の粉が沈んだ状態。そこに茶筅を優しく当てながら全体を混ぜ、ある程度溶けてきたら茶筅を浮かせてシャカシャカシャカ。手首を前後に動かして最初は小刻みに、最後は表面を整えるようにして混ぜます。

せっかく自宅で味わうのですから、美しい姿勢は保ちつつも、思う存分シャカシャカと、クリーミーな泡を楽しみましょう。

(3)美しい和菓子を添えてゆっくり味わう

コツというほどのことではないですが、抹茶を飲むと自然とほしくなるのが和菓子です。それだけで飲んでも十分においしいのですが、甘いものと一緒に味わうと、互いを引き立て合うんです。

創業から650年の長い歴史を持つ塩瀬総本家の美しい上生菓子。ピンクの「福梅」、赤い「梅一輪」、求肥と白あんの「丹頂鶴」。

個人的には「あんこ」ってそんなに食べないのですが、練り切りと抹茶の組みあわせは最強だと思います。練り切り食べたら抹茶が飲みたいし、抹茶を飲んだら練り切りが食べたい。見た目にも美しい、季節に合った和菓子を添えたいですね。

***

「は〜、おいち♡」と味わうだけだった薄毛&短足の息子も、今や「ときわ茶房」の店主としてお客様に抹茶を振る舞うようになりました。成長したもんです。

写真からもおわかりいただけるように、半袖の季節にも抹茶を飲んでいます(笑)。

ホワイトチョコと抹茶も相性抜群。息子はハーゲンダッツと抹茶の組みあわせも好きらしいです。

自宅で味わうおいしい抹茶。心の底からおすすめです。


この記事が参加している募集

子どもに教えられたこと

おうち時間を工夫で楽しく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?