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【創作小説】まわれ!今川やきくん!フィンランド の巻⑴


パタパタ。パタパタ。

「♪〜あなたからぁ〜!メェ〜リックリスマス!わたしっかぁ〜ら、メェリ!クリスマス!」

「♪〜ペッペペッペ!」



え?クリスマス?


ブルブル。

「ひゃーーーーーっお!!さみぃーーーーぜーーーーっ!!!」


ブルブル。ブルル。


中国でペリリと はがしたダンボ耳、残り一枚を握りしめ、やって来ました今川ダンボ…いえ、今川やきくん。

ここは森と湖…(+サンタクロース)の国フィンランド上空。


「うひょー!! ペーちゃん!下を見てくれ!雪!雪!雪だぜーーーー!」

「ぺ!ペーーーーっちゃん!」

「どぉ〜うりで寒いわけだーーーー!


澄みきった青空の下、フィンランドの森に広がる一面の銀世界。


「ここの空を飛んでると なんだかワクワクしてくるなーー!」


中国とは まるで反対の気持ちになってる今川やきくん。
実は?サンタさんが目当てで、ワクワクしてるんじゃ?



「ペーちゃんよ…。オレは…ガーナや中国で 悲しい気持ちになっちまった」

「ぺぺ」 

「世界は広いんだ…。だから オレは…ヒナちゃんだけじゃなく、世界中の人間の子供たちも あふれる笑顔で いっぱいにしたくなった!」

「ぺ!」


「そこで!だ! オレは 職人のオッチャンが 家のテレビを観ながら、こんなことを言ってたのを思い出したんだ」

「ぺ?」

「『フィンランドって国は、子供たちの学校や教育が 何て素晴らしいんだ!』ってな…」

「ぺぺ」


「だから オレは これから世界中の人間の子供たちに その素晴らしさを伝えたい!」

「ぺ?」


あれれ?今川やきくん?
スウィーツ勝負はしないの?


「フィンランドに来て その素晴らしさを 勉強するぜ! 今はスィーツに挑んでいる場合じゃないんだよ。えっへん!」

「ぺぺぇ…」

「フィンランドには 一年中サンタさんもいるしなーーーーっ!うふふ」


ほら!ほら!やっぱり!
うふふ…じゃない!まったくもう!

なんとなく 自分のワクワクを ごまかし気味の今川やきくん。


「っと 言うことで!とりあえず あの森の中に降りて、これからの作戦を練ろう!」

「ぺ!」


パタパタ。パタパタ。スチャ。

「着いた!それにしてもこの国は めちゃくちゃ さぶいぜーーーーっ!!オレは あったかくないと 旨くなくなってくるんだ!」

「ぺぺ」

「ペーちゃんは いいよなーー!オカメインコだから羽毛に包まれてて!」

「ぺっぺん!」



「ふふふ!そうなの? なら、ボクたちが 包んで あっためてあげるよ…」


「え!?」

「ぺ!?」



サラサラ。サラサラ。



「え?え? 茶色い雪!? ち、違うぞ! な、なんか!降って来たぜーーーー!」

「ぺ!?ぺーーーー!」



続く

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