【創作小説】まわれ!今川やきくん!フィンランドの巻⑹
さあ!栗の話に戻そう。
「だからサンタさん! 心の伝統を受け継いだ パンダさん月餅たちがデビューしたら…!!」
「したら…?」
「はい!人間の真心を込めて作られた月餅に もう一度…ボクが挑む日が来たら…! 」
「来たら…?」
「ボクのお腹に 粒あんと ひと粒の栗が入っていれば、ボクは最強の今川焼きになって、月餅たちにも 負けないと思います!」
え? そっち?
真心には、真心で 挑むんじゃないのか?
「なぜじゃ…?」
「はい!月餅にアヒルのゆで卵が入っているのが 中国の伝統なら、日本の伝統は 栗が入っている和菓子だと、ボクは思います!」
「そ? そ、そうか…」
「はい!日本では、栗は クルミと一緒に、お米を食べる もっと前の大昔から、主食として人間たちに食べられていました!」
「ほーぅ」
「お米を食べるようになってからも、お米や麦を助ける大事な食べ物として、おやつ に使われるようになりました!」
く、詳しいな…この今川焼き…。
「そして 月餅を半分に割ったら、アヒルのゆで卵が 月に見えます!」
「なるほど…月…だから月餅と言うんじゃな」
「はい!栗が入っている ボクのお腹を割ったとしても、月に見えます!」
「あ、はーん…なーるほど」
「ボクのお腹には!もう めいっぱいのオッチャンの真心が入っています!」
「今川やきくんを作ってくれた人だね?」
「はい! だから ボクのお腹に入っている 十勝産粒あんの真ん中に 伝統ある栗が入れば!」
「入れば?」
「ゆるぎない真心を持った証(あかし)となることを!!ここに!誓(ちか)います!」
すごいな…この今川焼き…。
宣誓(せんせい)しちゃったよ…。
まじめか!(タカ・ト○風)
続く
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