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干物愛に魅せられた日。(静岡県伊東市『山国商店』)

静岡県の伊東駅から少し歩いたところにあるひもの屋さん、山国商店。
このお店のお父さんは、とにかく気さく。
そんでもって人見知りゼロ。

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ガラス扉をガラガラガラと開けて、入るやいなや
「いらっしゃーい!サービスしてあげるからちょっと食べていきなさいー!!」
と元気よく僕に語りかけると

たぶんまだ目すらまともに合っていないというのに店内奥のキッチン的なスペースに赴き、ソッコーで干物を焼いてくれて目の前にででんと差し出して下さいました。

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ここまでわずか5分くらいの出来事。
お父さんはさらにマシンガンのようにご案内を続けます。

「塩とみりん。どちらの味もうめえんだ。箸あるから好きに食べてよ!」

もう薫りから僕のお腹を鳴らしてきます。
そしてひと口食べると感じる、お父さんのバツグンすぎる味加減。
そもそもの干物の美味しさ。
食べ終わった途端、お父さんは次から次へと干物の試食を勧めてきます。

いきなりやって来て、まだあまり面識もないのにこんな美味しいものたくさんご馳走になっていいのかな。という思いもありつつも、出された干物出された干物どれもこれもみんなみんな絶品という摩訶不思議な状況。
頭の中はだいぶ混乱しながら
「干物って、こんなに美味しかったっけ!?」
そう思うくらいに人生史上一番の干物ブームが僕に訪れていました。

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干物本来の美味しさ、お父さんの百戦錬磨の味付け、これは間違いないんだけども、それ以上にお父さんが干物を心から愛していて、どれもこれもむちゃくちゃ楽しそうに僕にふるまってきてくださる。あのトーンがよりこの干物を美味しくさせるのかなぁ。

こうして干物に心酔する僕に、お父さんは一段と楽しそうな表情で語りかけました。

「きょう、フグ入ってんのよ。これがもう絶品でよ」

すでにサービスとは思えない量の干物を食べまくった僕。
何かお土産に何か買って行きたいな思っていた矢先にこの提案です。
「お父さん、干物とおんなじくらい商売うまいな」
と思いつつ、どの干物も美味しく平らげた僕はこの誘いに乗ってみることに。

数分後、目の前にフグの干物が現れました。

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(写真はごめんなさい。フグの干物に興奮しすぎて食べかけの写真しか残っておらず、これが現存する唯一のフグ干物フォトでした。詳しく知りたい人は
「フグ 干物」でググってね)

もうイワシ、アジの干物とは明らかにようすが違うフォルムなんです。
そしてフグの干物なんて初めてだし、味の想像がつきません。

でも、ひと口食べるとこんな僕でもわかるんです。
格が違う…!と。
味付けはもちろん、食感がもう異次元、異次元、異次元!と。

こうして干物を堪能したあとは山国商店のお父さんと一緒に顔をおさめます。

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ちなみにお父さんは絵を描くのが最近の趣味で、
「この看板は自分で描いたんだよ!」とのこと。
修学旅行生や観光客に対して干物作り体験を行うことがあるらしく、その記念になればと思って設置したんだとさ。

楽しかったし、美味しかったし、何より干物の奥深さを知ったなぁ。
そんでもって、山国商店のお父さん。初対面なのにずっと喋ってるし、良い人すぎるだろ!
また来るよ!


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