読書感想文「夏物語 第一章」
本屋大賞の受賞作「夏物語」を読んでいる。
読み終えてから書けやって思うけど、読む前に思ってたことが大きいのと、読み進めていくうちにこの物語の魅力がとめどなくあふれたので、忘れんうちに書く。
まず、なぜ思い切ってハードブックのこの本を購入したのかというと、コロナで暇なGWに突入する外部的要因と、第二に女性の生き方に対して色々考えすぎて、また「自分は世界で一番可哀想な人間だ」という極端な思考にたどりついてしまったから。
(まあこういう極端な考えに至ってしまったのもコロナの影響で「おうち時間」が増え、したがって「自分と向き合う時間」が増えてしまったことによるものなのですが)
自分との向き合う時間が増えることで、生き方を見つめなおすというか。
今までは、自分の過去のほうに目を向けてなんでここにいるのかみたいな、理由付けばっかしてきてたんやけど、今は、「これから」に目を向けて、改めて生き方を見つめなおしてみている。
そしたら、「仕事」とか「結婚」とか「妊娠子育て」とか考えざるを得なくなって、そしたら「性別」とか「社会的役割」とかもうどうしようもないこと(最初から決まっていること)が邪魔で仕方なくなってしまった。
私は自分の子供が生みたい。生んでみたい。女性に生まれたからには、生む経験、母親として育てる経験をしてみたい。
とまあこんな感じで、女性として生まれてきたからというちょっとした古い考えや生き方を重んじている嫌いがある。
その中でも、なぜかこの子供を産みたいという思いは結構強い。本当に強い。
(女性らしいふるまいとかまじでできてないのにね。)
この考え方が、順当な『子供を産む』考え方と少しずれているのだとすれば、「自分の子」と表現してしまっているところに現れている気がする。
子供は自分の子である一方で、パートナーである父親の子でもあるから。
妊娠に対して、順当な考え(パートナーとの子供を産みたいという考え)を持っている人は、きっと今からいう私の考え方に共感できないかもしれない。
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「子供を産みたい」から自分の人生を逆算してみる。
子供を健康な体という条件で生みたい。できるだけリスクを減らしたいので、高齢出産は避けたい。だからできれば、30歳までに生みたい。
子供を産みたいから結婚しないといけない。
1年は付き合いたいので29歳までに結婚したい。
29歳までに結婚するとなると、28歳までにはパートナーを見つけていたい。
そしたら、
仕事を自由奔放にできるのは28歳まで。
今からあと3年しかない。
こんな感じで、妊娠には結婚が必要で、そのためには一生寄り添っていくパートナーを見つけないといけないという当たり前の感覚がある。
子供を産むだけでもめちゃくちゃ大変なのに、その前に結婚とか男女や御家のばりだるい壁を乗り越えなければならない。ほんまにだるい。頭くらくらする。
ていうか、これから先40年以上一緒に暮らしていく人を、この短い期間で探していけるのかというところに疑問がある。
24年間生きてきて、この人と一生仲良くしたいと思うのは10人未満(同性含む)
一方、24年間生きてきて、出会った人の数は1000人近い。
(715人のラインの友達がいるので、少なくとも715人とは出会ってきているという計算)
715人分の10人。1%の確立だ。
絶望じゃない??
1%の確立の人を3年間で見つけるの、むりちゃうか。普通に。
で、今たどりついてるのが、
子供を産みたいから、早く結婚をしなければならないという考えは非常に危険だということ。
(こんな考え方しとう女普通にきもいねんけど、意味わからん生きにくい自分とも向き合っていかなあかんということも自粛期間中に思っているので、ちゃんと向き合う。
で、自分の嫌いな自分が考えてることも、正しいと思うことは正しいとちゃんと判断してあげようとおもう。)
この妊娠先行型女性の「早まった結婚」に是非を問う私が勝手に提唱した新しい人生の在り方が「体外受精」である。
結婚せずにできる妊娠の形。これは「夏物語」の第二章で描かれていることなので、丁寧に読んでいこうと思う(意気込み)
第一章は、女性の賞味期限が短いという部分に違和を感じている人なら、なんとなく心がざわついて自然に涙があふれてくるような内容であったと思う。
上でも書いているように、女性は「性的」に女性と見られる時間が男性に比べて短いように感じる。子供を産むまでのリミットがあるから、妊娠や結婚にあこがれのある女性は早めにこの性的な目から見切りをつけて、「母親」という性とは少し離れた存在に自分を置くのではないだろうか。
でもそれに関係なく、おっぱいや下の大切な穴や生理など女性が「生殖」するために必要なものは体に残っていて、変に感じる。
「なんのためのだれのためのおっぱいなのか」という言葉が地味にしみた。
年齢と性の反比例ぐあいは、これはまあ男女問わずやけど、やっぱりしっくりこない。ある一定の年齢になれば、生理が止まるように、おっぱいとかちんちんとかも自然消滅する体になったほうが私としては納得がいく。
わき毛とか胸毛とかみたいに、なくていいのにあるものって年齢を追うごとに増えていく。
なんか保健体育の感想みたいになってもうた。
夏子も、おっぱいに固執する姉巻子から、年齢と性のバランスに疑問を感じ、緑子もまた、生理を通して女性になる事への抵抗感を抱く。
女性として結婚や妊娠の在り方に悩むことは別におかしなことではないと思って、ちょっとだけ救われたのが第一章の感想。
第二章も黙々と読み進めることとする。
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