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ママのこと

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59才で膵臓がんで亡くなったママの記録。 病気発覚から亡くなるまで1ヶ月半。 人間ってこんなにすぐ死ぬんだ。へなちょこな娘が頑張って向き合った記録。
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#死別

ママのこと⑬救急

退院してから2回目の通院日。
ママは着替えるのもやっとで、行きたくないといっていた。
この頃から夜はばあばがママといてくれることになった。

なんとか着替えさせて私の運転で病院へ向かった。

入口でママを降ろして、駐車場へ車を置いてから私も病院へ。

ホールでママは待っていたけど、歩くのが辛いようで、「車椅子借りようかな」と。

車椅子を借りて内科へ。

予約でも総合病院はかなり待つ。
やっと呼ば

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ママのこと⑫怖がりな自分

ママは治療しないと決まってからクレジットカードや通販の会員などの解約をしだした。

私は悲しかった。それじゃあほんとに死んじゃうみたい。

ママはじいじを癌で亡くしてるから、これからどうなっていくかが分かってる様だった。

意識があるうちに…後から家族が困らないように…。

コストコの会員だけお店に行かないとできないみたいで、どうしようどうしよう。と言っていたので、そんなの私がやるから気にしない

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ママのこと⑪自宅療養

ママが自宅療養するにあたってみんながそれぞれいろいろしてくれたと思う。

ママの妹(叔母さん)はどこかで見つけて是非試してほしい!とガンにも効くという電気治療の機械をレンタルしてきた。これ1ヶ月のレンタル料が10万以上もするもの。
叔母さんは看護師ではあるものの、ママの回復を信じてた。というか現状を信じたくなかったのか…。
お金のことは気にしないで!と借りてきてくれた。
いろいろな周波数があって

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ママのこと⑩通院

お正月休みの後半、ママはやっぱり具合が悪くなって救急で病院へ行ったらしい。全然知らなかった。
そこで抗がん剤はもうやらないことになったそうだ。

効果がなかったということだろうか。つまりもう治療はしない。ということだ。

私はなぜか自分も死ぬんじゃないかという気持ちに支配されていた。
なぜかわからないけど、次は私の番だという気持ち。
病気なのはママで、1番苦しいのはママなのに。

動悸がすご

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ママのこと④検査へ

ママのこと④検査へ

今日は雨が降っている。
ママのお通夜は大雨で、次の日の葬儀も雨。
初盆も大雨。
来てくださった方々はほんとに大変な中来てくれたんだと思う。

微熱が続いていたママ。
私も様子を見に行ってはいた。でも痛いとか、苦しいとかは言っていなかった。

でも1週間ほど寝込んでいて、祖母が(ママの母
)がさすがに心配して、ママの妹(私のおばさん)に病院に連れて行ってくれと頼んだ。
おばさんは看護師で今はママと同

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ママのこと③ストレスだと思ってた

ママのこと③ストレスだと思ってた

しばらく空いてしまった。やはりなかなかママのこと書く気が起きない。でも最近また自分が不調だし、そのせいかママを思わない日はない。

続き。

祖母が引っ越してやれやれと思っていたところ、ママの調子が悪くなっていった。
と言っても介護施設でのパートも続けていたし、あまり気にしていなかったが、ある日私のところへパパからラインがきた。
昼前だったか、「ママ起きてる?」
様子をみたら起きたようだし、犬の散

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ママのこと②異変

ママのこと②異変

ある日私達のリビングの方へ来て、
「ああ〜、こっちは明るくていいなぁ。子供たちもいるし、楽しそう。」
と言ったママ。
「向こうは大人だけでシーンとしちゃって本当につまらない。」
そんなことを言うので
「こっちにいたければいればいいじゃん」
と返したけど、そういうわけにもいかん。と帰っていった。
同じ屋根の下にいるのに生活が変わって孤独を感じているようだった。
今思えば晩御飯くらい今までのようにみん

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ママのこと①そもそも

ママのこと①そもそも

2020年7月、うちは実家を建て直した。
それまで私、夫、子供3人、ママ、パパの7人の大所帯で、料理はママとかわりばんこ。でも掃除、洗濯などだいたいママが率先してやってくれていた。というかA型気質のママは私のやり方じゃあイマイチ納得いってなかったんだと思う。

子供も6年、4年、幼稚園児とだんだん大きくなってきて、いろいろやってもらうのもこっちもやりづらくなってきたので、思い切って建て直そうという

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