見出し画像

「院展」と「ドライブマイカー」

1/29 「院展」と「Drive my car」

今週はワンコを飼い始めただけでなく、
職場もコロナ禍の影響で大変だった。

私の職場は、家族に風邪症状の人が出るだけでも休むことになっている。
人手が足りず、代わりに早くから出勤する日が相次いだ。

なるべく出かけたくない時期なのだけど、この土日しかチャンスが無いと思うと我慢出来ず、ドキドキしながら出かける。

昼間の出かけなら、
少々のことなら言い訳が出来るだろう〜と、自分にとって都合の良い解釈にする。

電車は通勤時よりガラガラだったし、映画館や院展は思ったより人は居たけれど、
だからといって密では無い。

少し安心。

目的地は福屋本店
(広島のデパート)の「院展」と「八丁座」。


「院展」の目的はもちろん、山浦めぐみさんという方が描かれた、絵の中のnomuraさんに逢いに行くこと。

nomuraさんは私もお世話になっているミュージシャンだ。

そういえば子供の頃、母に連れられて何度か院展を見た覚えがある。
平山郁夫さんの絵を見て、なんて神々しいんだろうと、まじまじと見た記憶は、院展だったのだろうと思う。

院展を観に行く、というのが懐かしかったし、母は絵が好きだったのだろう。
お陰で絵を観に行く習慣があって良かったと思った。



一つ一つ見て歩き、最後の門を曲がると、視線を感じた。

視線の先は、目的の絵だった。
絵の中のnomuraさんがこちらを見ていた。


こんなに絵から離れていても、リアルなnomuraさんと同じエネルギーを感じるんだ!
絵なのに!と驚き、可笑しくて笑いたくなった。



近づいて絵の中を覗き込む。

絵の中のnomuraさんに挨拶すると
「かおりん、ありがとね」
と聞こえる気がする。

その場に居合わせたら、本当にそう言ってくれるのでは無いかな。

何度も離れたり近づいたりして絵を見る。

近くで見て目の中を覗き込むと、離れて見た時とはまた違う印象があった。

それは少し意外で新鮮な気がした。
写真では分からなかった事だ。

絵の瞳の中を覗いた時に私が感じたものが、作者の心なのか、それともnomuraさんの心なのか、あるいは両方が混じっているのか分からない。

だけど、私の知らないnomuraさんが見えた気がした。
そういう、人の内面やエネルギーまで描ける画家って凄い!と思った。

それでもう一周回ってみたけれど、他の絵の中の人物は、そんな風には思わなかった。

単に、絵の中の人物を知っている、というせいかもしれないけれど。

時間の都合で、残りの駅前展の方は見なかったけれど、広島では2/1まで。
(フラッシュ無しの撮影はOKと聞いています)

(キーボード奏者のnomuraさん)

***
絵の話と一緒で申し訳ないけれど、同じ階の映画館「八丁座」へ。


(実際には朝から映画の方を先に観た)



Codaという音楽映画も気になっているのだけど、それより前から気になっていた
「ドライブ・マイ・カー」
を観た。


凄い映画だと思った。

演劇が同時進行する。

言葉が何度も自分の中に引っ掛かりながらも、口が聞けず手話で会話する役者さんの、
「言葉以外のことを聞く」
という感覚にハッとする。

表現者でありたいという思いがある私にとっては、舞台進行が勉強になる。

そうして長いドライブの後の、核心をついた場面では、ボロボロ泣いてしまった。

ドライバー役の役者さんの痛みは、私自身のトラウマに引っ掛かかった。

もうすっかり忘れて克服したつもりでいても、子供時代の心の痛みは、そんなに簡単には消えないのかもしれない。

私の母も長い間、心の病気だった。
今はそれなりに回復し元気になり、仲良くしているけれど、

この映画の女の子が母を埋めてしまったのと同じく、私も自分が大人になるために、一時期は長い間離れる必要があった。

それと同時に、主人公の抱える葛藤は、我が家にもある夫婦の葛藤かもしれない。

私は亡くなった妻側の気持ちが分かる気がする。

それでも生きていく力を教えてくれる映画。

(広島ロケシーン、多数でした!広島って美しいと思う)

…絵と映画で、充実の日。

持ち帰った映画フライヤーは、音楽映画ばかりだった!

#チェロ弾き
#日記
#絵
#院展
#ミュージシャン
#nomuraakihiro
#映画
#ドライブマイカー
#Durivemycar

この記事が参加している募集

#映画感想文

66,723件

文章が誰かの心に響いて、それが対価になって、それを元手にさらに経験を積んで文章など色々な表現で還元出来たらと思い続けています。 サポートお待ちしております♪