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駐在妻が帰国後の仕事に困らないためにすべき17の行動【12】自分が進化していることを実感できるようにする

みなさんこんにちは!Kaoです。

駐在妻になったあなたが帯同先の生活で何か夢中になれることを見つけられた場合、絶対に取り組むべき「環境づくり」があります。それは、

自分が進化していることを実感できるようにする

です。

適度な刺激を保ちつつ、そのときの感情をエネルギーに変えていく。これは、仕事をしていると周りが勝手に用意してくれるものですし、大体の人があまり意識せずうまくその波に乗れています。

駐在妻の場合はこの環境を自分で設定することになります。

決して難しいことではありません。大金も必要ありません。日常の中から「進化を実感できる場所」を探せばすぐに見つかります。

私が試した方法の中でおすすめのものを3つ紹介します。(私は中国語学習に力を注いでいました。皆さんが夢中になっていることに置き換えてみてください)

自分の進化を実感するための具体的方法

語学検定で自分を「定期観測」

私が帯同先の上海で情熱を注ぎ込んだもの――それが中国語です。

語学力がある程度のレベルに達すると、「次は仕事のフェーズに」と考えるようになりますが、駐在妻の大多数はビザの関係で就労が禁止されています。

そこで私が腕試しに活用していたものが語学検定。

語学検定は「立場」に関係なく実力がそのまま評価されるので、専業主婦しかできないというジレンマを抱えていた私にとっては非常に嬉しい存在でした。

中国に携わっている期間や苦労したエピソードで物事を語りたがる人に多数出会いましたが、それを否定するつもりはないにしても、やはり「仕事をしていない=苦労していない、何も考えていない」という目で見られることも多く、悔しい思いをしたことが何度かあります。そりゃ、相手が言いたいこともなんとなくわかりますよ。

しかし、そういったエモーショナルな部分とは全く関係のない指標で、やったことがやった分だけ明確な数値として表れる語学検定は、私にとっては一番公平な「ものさし」だったのかもしれません。

色々な感情をぶつけるように、ただ淡々と自分の実力(語学力)アップに励んでいた時期もありました。そういうときほど、不思議とよい成績が出るものなのです(笑)

定期的に語学検定を受けて自分の位置を確認する。結果が出るとやはり嬉しいものですよ。こうやって自分が前に進んだ「距離」を定期観測することは、一番簡単にできるモチベーション維持でもあります。

身近な環境で一番を目指してみる

現地の大学はレベル別にクラスが別れていて、1クラス20~30人程度でした。もし同じような環境の場合は、是非「一番」を目指してみてください。

「一番だなんて……」

こんな感情、ありませんか?

考えてみてください。恵まれた環境で思い切り学習に打ち込めるせっかくのチャンスです。クラスで一番を目指すという経験自体、大人になるとなかなかできないですよ。

私は何かに取り組むときに絶対なくてはならないものが2つあると思います。

それが、目的目標です。

目的とは、何のためにそれを学んでいるのかという明確な理由。将来的にそれを活用して、どういったことがやりたいのかということですね。

目標とは、いつまでにどこに到達するかということ。これは長期的なものも大切ですが、短期的なものの方が設定しやすいです。

目的を持たずに毎日授業に行くのは非常にもったいないことです!でも、仕事のように「今期の売上○○百万円達成」「シェア○○%アップ」なんて細々した目標を立てられるものでもないですよね。

だから最もわかりやすい指標、「一番」で!

成績もそうですが、一番一生懸命取り組んで、一番楽しんで、一番の中国通になってやる!と毎日の授業をここぞとばかりに吸い尽くしていました。

おまけとして、留学生コースの成績上位者には副賞のようなものがあり(大体どこの大学でもあります)、次の期の学費が1~2割安くなるという「ご褒美」があったのです。

成績優秀=実力アップだけでなくお金も少し浮く。一石二鳥です。

外部のコンテストに応募する

大学の授業(と毎日の課題)を吸い尽くすことに重点を置いていましたが、常にあった小さな疑問――「よい点数が出ても、うまくいっても、それって結局大学の教室の中だけの指標だよね」

私は、大学の外の世界では私はどれほどのものなのだろうかという疑問を常に持っていました。

そこで、大学とは無関係の団体が主催するコンテストに何度か応募したことがあります。作文コンテストやスピーチコンテストなど、外国人が中国語能力を競うイベントが定期的に開かれていますので、ネットや大学掲示板などから情報収集し、エントリーしていました。

決勝まで残って数百人の前でスピーチしたこともありますし、悔し涙を流しながら帰ったこともあります。これは非常によい経験になりました。

大学や語学教室など、普段通っている場所でまずは全力を出す。これと並行して外の世界にどんどんチャレンジすること、本当に大切です。自分では想像できないぐらい刺激をもらえます。

目の前のことに少し余裕ができたら(自分のペース配分通りにできるようになったら)、是非一度「外の世界」に目を向けてみてください。

自分が進化したことを捉える行動がなぜ大切なのか

飽きがこない

駐在妻になって1年、2年と時間が過ぎると、帯同先での生活に慣れつつも「少し飽きてくる」ということが発生します。幸い何か夢中になれることを見つけられたとしても、ある段階に差し掛かると何か少し煮詰まってくるような気持ちを感じることがあります。

なぜでしょうか?

その原因のひとつとして、駐在妻の環境は自分が変化していることを感じにくいということがあげられます。駐在妻は、仕事をしているときのように他人からの評価というものはありません。逆に怒られることもないような生活です。気楽といえば気楽ですが、自分が前に進んでいるかどうかが非常にわかりにくい環境にあるのです。

これ、放っておくとモチベーションも徐々に下がりますし、そのままなんとなく飽きてしまって続かないということもあります。私は非常にもったいないことだと思います。

「気楽にやっている方が負荷もなく続けられそうじゃない?」

こう言う人もいると思います。

しかし、人間って不思議なものでただ楽しいだけだと案外続かないものです。自分が前に進んでいるということを実感できた瞬間は何とも言えない嬉しさを感じ、その感情が生み出すエネルギーは「継続」を生み出す。この種のエネルギーは、ただ楽しいだけという情況からでは決して生み出されないものなのです。

夢中になれるものは定期的に自分に揺さぶりをかけながら、自分で自分の成長を自覚するのです。

決してうまくいっている必要はありません。語学検定の合格ラインにあと一歩届かないこともあります。しかし、結果発表の日が近づくにつれ感じる「ドキドキ」、点数を見たときに感じる「悔しさ」、これがモチベーションにつながります。

大切なことは「小さな挑戦の種」を自分のまわりに撒いておくこと。

履歴書に書ける

帯同期間中の理由が「モチベーションの維持」であったとしても、合格した検定や経験したコンテストなどは履歴書に堂々と書いてよいものです。面接でも自分の言葉で語れるものになります。

特に語学検定に関しては、帯同期間中に合格しておくことをおすすめします。

語学は検定・資格が全てではありません。しかし、最初の書類選考で「十分に実力があるけど証明するものがない人」と「証明できる記載がある人」であれば、どちらが有利かは明らかですよね。

上海で中国語を学習している駐在妻は多いです。そして、上級レベルになってくると実力の差もそれほどありません。大学に通って短期で集中して立ち上げる人、アットホームな中国語教室に通って長く細く続けている人、様々です。しかし、面白いことに語学検定を受ける人と受けない人ってきっぱり分かれるのです。(中国語の語学検定はHSKというものが最も有名です)

私は割とサクサク受けていたのですが、友人は「まだいいかな」といったまま受けていませんでした。彼女はその時点で十分な実力もありましたし、検定にこだわる必要はないのかなーなんて、私も思っていました。

その友人、急に本帰国が決まり日本で再就職に向けて動くことになりました。中国語も中国も大好きだから、中国語を使った仕事がしたい!と考えた彼女が帰国後にまず取った行動、それが「HSK6級(最上級)を受験する」でした。

私には証明するものがない!と焦って受験していました。彼女の実力からすれば検定自体は決して難しいものではないですが、前職が中国語と無関係の仕事だったので、履歴書に記入できるものがないことに帰国することになってから気がついたと言っていました。

そのため帰国してすぐに受験の予定を立てていましたが、検定って毎月あるわけではありませんよね。結果、数カ月の「待機」が発生して非常にもったいない情況に陥ります。

こんなことも実際にはあるので、「自分の成長を知るきっかけ」にもなる語学検定、ある程度実力がついたらタイムリーに受験されることをお勧めします。

今のうちに失敗しておける

「自分の進化を知ることができる場所」というものは、何かしらの「挑戦」にしかくっついていません。

そしてその挑戦が自分の中で少し大きなものであるということ。

でも、挑戦は全て成功するわけではありませんよね。もちろん、失敗の中から学べることはたくさんあります。それも収穫です。頭ではわかっています。

しかし、挑戦に対して臆病になることってありませんか?

私は会社員時代に多かったです。

前職では営業を10年やっていました。仮設を立て、新しいことにチャレンジしながら道を切り開いていく(売上・利益を拡大していく)ことが仕事です。

しかし、仕事となれば「失敗=損害」になる場合もあります。下手すると○千万の売上が飛んだり、取引先の信用を無くしたり、社内でダメ営業のレッテルを貼られたり。

私に対する印象が変わってしまうかな?評価が下がるかも?などなど、少々臆病なマインドではありますが、これがないというとやっぱり嘘になります。

一歩を踏み出すときに慎重になるのはよくあることです。私も人間です。失敗して怒られるのは嫌ですよ。

しかし、駐在妻である期間の挑戦は、

失敗したって、誰からも怒られません。

失敗したって、損害を生むことはありません。

失敗したって、誰も私のことなんて気にかけていません。

失敗したって、降格になることも左遷になることもありません。

失敗したって、誰かに迷惑をかけることはありません。

だから私は声を大にして言いたいです。

今のうちにたくさん失敗しておきましょう!恥はできるだけ駐在妻のうちにかいておきましょう!

例えばスピーチコンテスト。数十人の前でスピーチしたとき、一部の発音が下手でうまく発生することができず言葉につまってしまい、クスクス笑われたことがありました。

これが社内のコンテストだったら「あのとき大失敗したってみんな憶えているかな」なんて少し恥ずかしくなりますが……場所は中国。私を笑った人と今後会うことは99.999999%ありません。

こう考えると、人に笑われることなんて恥ずかしくなくなります。余計な恥ずかしさを取り払うことができ、失敗した「中身」にだけ集中して改善に向けて動くことができます。

この立場、この環境を利用して、今のうちにできるだけ多くの「失敗」をしておくことをおすすめします。

こう考えると、自分の進化を実感するために何かに挑戦することへのハードルが一気に下がりますよね。定期的に色々なことに挑戦して、「新しい自分」に出会ってくださいね。

まとめ:もつべきマインドととるべき行動

~もつべきマインド~

  • ただ楽しいだけでは続かない

  • 履歴書に書けるものは「普段から」意識する

  • 駐在妻のうちにたくさんの失敗をしておく

~とるべき行動~

  • 語学検定で自分を定期観測

  • 学校に通っているならクラスで一番を目指す

  • 外の世界に挑戦の幅を広げる

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。次回は、いよいよ本帰国に向けた内容を皆さんとシェアしていきたいと思います。環境が大きく変わるという意味では、帯同が始まったときと同じぐらい重要な時期になります。

<次回>駐在妻が帰国後の仕事に困らないためにすべき17の行動
【13】本帰国が決まったときの不安の構造を理解する

全シリーズタイトル

駐在妻が帰国後の仕事に困らないためにすべき17の行動

【プロローグ】駐在妻に立ちはだかる2つの大きな壁
【筆者について】私が退職を決意した理由

<退職前~出国まで>
【1】夫に「海外勤務になる」と言われたらまずやること
【2】退職直後に帯同 失業保険は「捨て」になるの?
【3】退職後に支払う住民税を計算しておく

<帯同開始~本帰国確定まで>
【4】定期的に行く場所を「ひとつ」つくる
【5】Excel、PowerPointを無駄に使う
【6】ブログを始める
【7】同じ感覚を持つ友達は1人だけで十分
【8】できる駐在妻の賢いお付き合い方法
【9】現地での語学学習を本気でお勧めするこれだけの理由
【10】この国でしか味わえない気分転換スポットを見つける
【11】できるだけ「国内旅行」をする理由
【12】自分が進化していることを実感できるようにする
【13】本帰国が決まったときの不安の構造を理解する
【14】未来図を描く

<本帰国後>
【15】知らないと損!失業保険の給付制限は短縮できる
【16】再会ラッシュに待った!集団ではなく「個」で時間をつくるべき理由
【17】プライドを捨て切る

【エピローグ】駐在妻を卒業した先にあったもの


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