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コワーキングをサブカテゴライズするということ:今日のアウトテイク#253(2024-07-28)

<アウトテイク>
・SNSに投稿するのではなく、これを自分SNSとした投稿
・記事として仕上げる前の思索の断片、または下書き
・一部、筆が乗ってきて文字数多いのもあり〼
・たまに過去に書いたネタを展開する場合も
・コワーキング関連のネタが多め
・要するに「伊藤の現在地点」
・いずれKindle本にまとめる予定


#今日のBGM

#今日のコトバ

"私たちは物事をありのままに見ているのではない。
ありのままの私たち自身を見ているのだ。"
(アナイス・ニン)

#コワーキングをサブカテゴライズするということ

Linkedinにオモシロイ投稿があった。そろそろコワーキングにサブカテゴリーを付けようという提案。

冒頭、こうはじまる。

コワーキング業界を分類し、サブカテゴリーを構築して、私たちが何者で、何をし、何を提供するのかを明確に定義する時が来た。

これをしない限り、人々が共感できるような強力なブランドを構築することは難しいと思う。

『これが私たちの正体です』と、業界一丸となって言う必要がある。

何のこっちゃい?と思うかもしれないが、「業界」という言葉はさておき、この考えにぼくは賛成だ。

そう、自分たちのコワーキングは何者であって、どんな価値を生み出せるのかを明らかにし、そこに共感する人を集めるためには、ブランディングが必要だ。

例えば、ここではホテルを引き合いに出している。ホテルにもいろいろある。日本の分け方と違ってるかもしれないがそのまま引用すると、

・バジェット(いわゆるビジネスホテル):最小限のアメニティ
・ブティック:50〜100部屋。ルームサービスあり。
・バジェット・ブティック:より安めでデザイン重視。ルームサービスあり。飲食部門あり。
・ライフスタイル:ブティックホテルの次世代型。チェーン展開型。
・アパートホテル:家具やキッチン、リビングなどフル装備。自宅にいるみたい。
・ホステル:シェアルーム型。設備は共用。バックアパッカー向け。
・ラグジュアリー:ハイエンドクラスのサービスと体験。家族向け。
・リゾート:ビーチホテルにアメニティ満載。

ま、だいたいどう違うか判りますね。

つまり、こういうサブカテゴリーがあるおかげで自分が求めるクラスのホテルが見つけやすい。逆に、ホテル側も自分のホテルに相応しい宿泊客を誘致しやすい。

で、この投稿はそれをコワーキングスペースでもやるべきだと提案していて、それをホテルになぞらえて、こんな風に分けている。

バジェット:
最低限のアメニティ。マンツーマンのサービスなし。お得料金。

ブティック:
小規模。個別サービス。独立系。デザイン重視。

ライフスタイル:
ブティック型の影響あり。ソーシャル、ウェルネス、飲食部門あり。

ニッチ:
特定の業界の専門知識を持った企業向け。ラボ、テックセンター、工房。

インディー:
独立型で非常に小規模なグループ。ローカルコミュニティにフォーカス。

ラグジュアリー:
ハイエンドなサービスと体験。

カジュアル / オープンハウス:
ネクタイなし、コミュニティ志向、軽食つき。

日本でここまで細かく分けてコワーキングを考えている(見ている)人はまだ少ないと思うけれども、確かに、そのコワーキングを利用するコワーカーの属性や利用形態によって、ある意味キャラクタライズが進み、色分けはされていくのが普通だと思う。

昨日も書いたように、そのコワーキングの個性に惹かれて、その世界観、価値観に共感を覚える、もしくは期待するコワーカーが集まり、さらにカテゴライズが進む。

ところで、気が付かれた方もおられるかと思うが、「インディー」がちゃんとあって、「独立型で非常に小規模なグループ。ローカルコミュニティにフォーカス」とある。

ぼくは、今後、日本のとりわけローカルでインディー・コワーキングが増えるだろうと考えているし、そうなるべきだと思っている。

インディー・コワーキングについては過去に何度も書いているが、

「ローカルコミュニティにフォーカス」というところがキモで、パンデミック以降、通勤から開放されたワーカーが生活圏内のコワーキングを利用するようになったことで、その地域内のコミュニティの場としてもローカルコワーキングが機能するようになってきている。

こう聞くと、「え、コワーキングって仕事するところじゃないの?」という方もおられるかもしれないが、実はそれだけではない。

いろんな目的や課題を持った人たちがやって来て、それを達成したり解決したりする、それを手助けする仲間を見つけ、協働する、共創するハブであり、インフラであり、コモンズである、というのがコワーキングの本当の姿。←これ自体がコミュニティだ。

そのことはこの「コワーキング曼荼羅」で表されるが、インディー・コワーキングはまさにこうした身近にあるテーマを持ち込み、相互に関わり代を設けてコミットしていくローカルコワーキングだ。

だから、その達成や解決のために、コワーキングはこの5つの価値を提供する。していないのなら、そこはコワーキングではない。

ここで、あらためてCat Johnson氏のインディー・コワーキングの定義をあげておくと、

・インディー・コワーキングは、人間優先のワークスペース・コミュニティであり、ローカルハブである。

・インディー・コワーキングは自主性と柔軟性を持ち、グローバルなコワーキングコミュニティやローカルスペース、パートナー、近隣の人々との創造、コラボレーション、つながりを持つことができる。

・インディー・コワーキングはサービスマインドを持ち、独自の声と文化を持ち、地域コミュニティのニーズや価値観を反映したコンテンツやプログラムを自由に提供することができる。

・インディー・コワーキングは、熱心なコミュニティマネージャー、メンバー、サポーターによって運営されており、健全なビジネスの成長だけでなく、地域社会への影響や経済発展に重点を置いている。

注意しておきたいのは、「インディー・コワーキングは、熱心なコミュニティマネージャー、メンバー、サポーターによって運営されて」いるというところ。そうです、メンバーも、大なり小なりコワーキングの運営にコミットしているのが、インディーたる所以。詳しくは先に上げた過去記事を読まれたし。

最後に、もとの投稿で「定義されたサブカテゴリーが必要だと思う理由」として、とても重要なことを書いてる。

私たちは進化し、自分たちで決定的なサブカテゴリーを作る必要がある。 そうすることで、家賃に左右される価格設定から脱却することができる。

その代わりに、提供するサービスによって商品の価格を決める。 私たちが成熟し、メンバーの目が肥えてくれば、こうしたサブカテゴリーもより明確になっていくだろう。

以前、コワーキングの利用料金を時間制ではなく、コワーカーに提供するサービスの内容に応じて課金することを提案した。

引いておくと、

例えば、起業創業の相談も受け付けてアドバイスなり伴走なりしている、ビジネスに集中できるよう煩雑なバックオフィス業務を請け負ってサポートしている、なんていうコワーキングは、しっかり収益化している。

それ以外に、健康管理やイベント企画、あるいは旅の計画なども相談に乗っている、なんていうコワーキングは、それをそのままメニュー化できないか、考えてみてもいいと思う。

そういうメニューがあるから、どこでもいいというのではなく、そのコワーキングを利用するコワーカーが現れる。それがカテゴライズされたコワーキングとして存在感を増し、ブランディングになる。他と違う、そこならではの価値を持つということ。

これから各地にコワーキングが生まれてくるだろう、それは喜ばしいのだが、他所と同じようなコワーキングではなくて独自の価値を持たないと、途端にコモディティ化して、不毛な価格競争に巻き込まれてしまう。それは避けたい。というか、コワーキング全体にとって損失でしかない。

そこで、重要になってくるのがブランディングで、カテゴライズはブランディングのひとつのプロセスと言える。

ただ、ひとつ懸念があるのは、カテゴライズの「言葉」だけが独り歩きして、実態の伴わないコワーキングも出てくるのではないか、ということ。そうそう、コワーキングという言葉が正しく理解されずに乱用されて、誤解が誤解を呼び、利用者をミスリードしている情けない実態がまだあるように。そこは、心配。

なお、ブランディングはコワーキングにとっては最強のマーケティングになると考えているので、また書くことにします。

ということで、今日はこのへんで。

(カバー画像:CoWomen


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