今日のアウトテイク#97「デジタルノマドとつながりを維持するプログラムを考える ほか」【メンバーシップ特典】(2024-02-23)

<アウトテイク>
・SNSに投稿する前の推敲(もしくは配慮)なしのメモ
・投稿せずに、いや、やっぱりやめておこう、と思った殴り書き
・ブログ記事として仕上げる前の思索の断片、または下書き
・一部、筆が乗ってきて文字数多いのもあり〼
・たまに過去に書いたネタを展開する場合も
・要するに「伊藤の現在地点」

※noteメンバーシップ「Beyond the Coworking 〜移働の時代〜」に参加いただくと有料記事も全文読めます。
※2月から「初月度無料」がはじまりました。試しに1ヶ月ご参加ください。

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祝日なので軽く。


#今日のBGM

#今日のコトバ

"考えるだけでは習慣は変えられない。
考え方の習慣を変えなければならない。"
(『アルコホーリクス・アノニマス』)

#一坪コワーキング

今、この本を(他の数冊と併読で)読んでるんだけれど、鹿児島県指宿市には「一坪図書館」というのがあるらしい。過去にコワーキングツアーやらで2回ほどおじゃましているが、このことは知らなかった。

鹿児島県の旧山川町では、財政難から閉館した図書館に代わるものとして、町内にある公共施設や一般家庭の一部を借りて、1980年から「一坪図書館」を開設し、市民の読書を支えてきた。これはいいアイデアですね。

最初は13館でスタートし、その後どんどん広がって、一時期は「一坪図書館」での貸出冊数が6,000冊を占めるほど盛んになる。

一坪図書館はたちまち人気となり、学校帰りの子供だけでなく、農業書を目当てに地下足袋を履いた農家の男性も通っていたという。一坪図書館は読み聞かせや映画会、クリスマス会などさまざまな地域活動につながっていった。

この運動は後に山川町立図書館への開館にもつながる、大きなムーブメントだった。

しかし、市民の少子高齢化に伴い、2018年には4館にまで減少してしまう。指宿図書館の館長はこのことを重く受け止め、ただ図書館にいて利用者を待つだけではなく、「なくてはならない図書館」にならなくてはならないのだという思いを噛み締めた、という。

「一坪図書館」はただ本を置くだけではなく、地域文化の拠点にしたいという思いが起ち上げメンバーにはあった。つまり、本を媒介にしつつ、地域住民の交流するコモンズだ。

で、また思った。コワーキングもローカルコミュニティでありコモンズであるとすれば、その役割はほぼ同じだ。だから、「なくてはならないコワーキング」にならなくてはならない。

図書館の新しい利用のされ方についてはここに書いた。これはそのままローカルコワーキングだ。

町のあちこちに図書館があるように、あちこち小さなコワーキングがあってもいいかもしれない。いわば「一坪コワーキング」。いや、さすがに一坪は難しいが、地方なら必ずしも何千㎡も必要ない。例えばうち(カフーツ)なんか8坪ぐらいしかない。でも、それぐらいから始めても十分使用に耐える。

むしろ、それぐらいのサイズのコワーキングがその町に複数あって、互いに連携しているほうが、バラエティが出ていい場合もあると思う。コワーカーも利用するコワーキングを日替わりにしてもいい。そうすると、行く先々でまた違った層との出会いが生まれる。

要はハコの大きさではなくて、コミュニティの中身。別に、毎日、そこにギューギューに詰め込まなくても、来なくてもつながりがちゃんと維持できてるかどうか、そっちのほうが大事。これ、昨日も「いわばコワーキングにとっての関係人口づくり」と書いたが、そういうことです。

一応、この本、オススメしておきます。「一坪図書館」はほんの数ページだが、指宿図書館、山川図書館を拠点にいろんなカツドウが繰り広げられる。ローカルコワーキング運営の参考になると思う。

#デジタルノマドとつながりを維持するプログラムを考える

昨晩は、noteメンバーシップ「Beyond the Coworking 〜移働の時代〜」の、月一回のオンライン・トークセションだった。今回のテーマは、いよいよ春から日本もデジタルノマドビザが発給されることを受けて、「デジタルノマドと地元の人たちを繋ぐイベント企画」のアイデア共有だった。

アイデア共有だが、その前提になることをまず共通認識とし、意見の他に疑問、課題なども、参加者が互いに投げかける形式で進行した(毎回そうしてる)。

イベント企画と言っても、海外からデジタルノマドをお客さんではなく、仲間として呼び寄せたときに、どんなプログラムがあれば喜んでもらえるかを、メンバーである向井さんが企画されているある町村のケースをベースに、あくまでコワーキング目線で話し合った。

ぼくの意見はいつもと変わらない。

コワーキングを起点とするならば、人と人をつなげて、共創、協働関係を作るのが理想。日本で就労してはならないというノマドビザの要件もあるが、ローカルの人も巻き込んで、一緒にコトを成す、それが別にビジネスでなくても、何かを教え合うのでもいい。ともに行動したという体験が、結局は彼らにとっての最大の価値だと思う、そこにハマるプログラムを考えたい。

参考になったのは、もう5年も前の、長崎県五島市でのワーケーションのプログラムだ。

長崎県の福江島に、主に東京圏のIT企業の方を対象に1カ月間の開催で、3泊4日以上、9泊10日以内であればいつ来ていつ帰ってもいいという建付け。島の保育園や小学校に体験入学できる制度も用意され、子ども同伴でも島に長期滞在しやすいトライアルだった。

これに応募者が殺到した。ここで注目なのは、都会のIT企業から来た人が島の住民にインターネットやホームページのことを教え、逆に、島民は船を出して都会の人たちに釣りを教えたという。つまり、お互いに教え合う機会ができた。これが人間関係を育むのに有意に働いたのは想像に難くない。

それもあって、その後、参加者のうち6人が島で起業し、一方で移住者も現れたというから、やっぱり人を呼ぶのは人であるということが判る。

これ、相手が外国からのデジタルノマドであっても同じだと思う。

彼らも、客人としてだけではなくて、我々と人間関係を結びたいと思ってるはず。とりわけミレニアル世代は、モノを持つことよりも体験に時間とお金を使う。だから、予定されたお膳立てを漫然と進行させるのではなく、日本の住民たちと交流する際、彼らもいちプレイヤーとして役割を演じてもらうプログラムが望ましい。

そうしてできたつながりは、国に帰ってからも続く。まして、共創、協働関係ができてれば再訪することも大いに有り得る。一時の消費を期待するのとは、将来的にもたらされる価値が全然違ってくる。

今回、非常に濃密な対話ができたと思う。ぜひ、日本各地のモデルケースになることを、期待します。

この月一回のオンライン・トークセッションは、このメンバーシップの「プレミアムコース」のメニューです。セッションはZoomを利用して録画し、YouTubeにメンバー限定でアップしています。

初月度無料なので、もし興味ありましたら、こちらからご参加ください。

ということで、今日はこのへんで。

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