今日のアウトテイク#83「コワーキングJVという選択肢 ほか」【メンバーシップ特典】(2024-02-09)

<アウトテイク>
・SNSに投稿する前の推敲(もしくは配慮)なしのメモ
・投稿せずに、いや、やっぱりやめておこう、と思った殴り書き
・ブログ記事として仕上げる前の思索の断片、または下書き
・一部、筆が乗ってきて文字数多いのもあり〼
・たまに過去に書いたネタを展開する場合も
・要するに「伊藤の現在地点」

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話すより聞くことのほうが大事。


#今日のBGM

#今日のコトバ

"現在を過去と違うものにしたいなら、過去から学ぶことだ。"
(スピノザ)

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#普通の人が話すストーリーを本にするということ

今、この本を読みたいのだけれども、絶版になっていて中古本しかない。

1972年に刊行された、スタッズ・ターケルによる二段組、700ページにも及ぶ大著。翻訳版は1983年5月15日が初版。晶文社刊。

あらゆる職業についている人をインタビューしたルポルタージュで、登場する職種は115種類、登場する人物は133人。実在の人物のナマの声を伝え、「仕事ってなんだ?」を再考させられる著作としてつとに有名。

でも、読んでなかった。。なんせ、二段組、700ページもあるし。。

で、その中古本が、アマゾンではコンディションの良さそうなので11,500円する。ワオ。

「仕事ってなんだ?」。これはぼくにとっても避けて通れないテーマだ。コワーキングに関わるようになって何年も経つと、世の中のいろいろな「仕事」のあり方を目にするし耳にもする。そうすると、コワーキングのあり方もそれらに応じて変容していく。

とりわけ、ここ数年のコロナ禍は、その変化のスピードを劇的に加速した。その時代の移り変わりの中で、コワーキングもどう変化していくのか、いやしないのか、それを自分のカツドウのテーマにして、それに関わる人たちの考えや行動を伝えていきたいと思っている。

なので、先達の(それこそ)仕事はちゃんとおさらいしておきたい。

人の話を聞いてそれを本にして世に出す、というのはとても大切な営みだと思う。その人たちが自身で言語化できなくとも、聞き取って、すくい取って、意図を捉えて、文章化することで、それを読む者に多くのインサイトを与える。

近頃、インターネット、というか、SNSのせいで、雑なテキストコミュニケーションが跋扈しているが(ほんと、これに毎日悩まされてる)、腕のいいライターがテキストにすることで、埋もれてしまっている物語を共有できるようになる。素晴らしい仕事、文字通り『仕事!』だ。

スタッズ・ターケルは、こういう聞き書き文学のオーソリティのひとりで、他にもたくさんインタビュー・ルポを書いている。

これはテーマが「死」だが、同じようにたくさんのインタビューイーに取材して、彼らの言葉を生々しく伝えている。

これは河出書房新社が文庫版で出してくれたから気軽に読める。まあ、テーマがテーマだけに、ときに涙ぐんだりするけれど。

余談だが、ページ数でいうと、この生活史シリーズも分厚い。というか、重い。一番短い沖縄編でも885ページ、東京編で1211ページ、大阪編で1271ページもある。ちなみに、これも聞き書き。リアルでビビッドな言葉がどんどん出てくる。そこがいい。

この本のことはここでも書いてるが、

ぼくは「コワーキング」というものを、いずれ社会学、もしくは民俗学の視点から論考したいと思っているので(といって、その素養はまるでないのだが)、その表現方法としてとても勉強になる。

なので、できたら『仕事!』も、復刊してくれないだろうか、晶文社さん。あるいは文庫化をどうでしょう、河出書房新社さん。

待ちかねている人、きっといると思うのだけど。

#コワーキングJVという選択肢

Yardi Kubeという、フレキシブル・ワークスペースの運営と財務を管理できるソリューションを提供する開発会社のリポートに、ちょっと面白い記述があった。

コロナ禍の影響で企業のオフィス政策が劇的に変わり、53%の企業がオフィスに戻る選択権を社員の方に与えているということが前提で、

フレキシブルスペースというコンセプトは、テナントが望む柔軟性を提供し、市場の不確実性の中でセーフティネットとして機能することで、物件の稼働率にプラスの影響を与える。

ビルオーナーとコワーキング・プロバイダーのジョイントベンチャーは重要なトレンドとなっており、コワーキング・テナントにコスト削減と柔軟性を提供すると同時に、リスクと立ち上げコストを共有することで、相互利益に焦点を当てた戦略的パートナーシップへと発展している。

とある。まあ、そうなりますね。

ビルオーナーとコワーキング運営者が、単に不動産賃貸借契約の関係ではなく、パートナーとしてタッグを組んで事業を展開するという発想は、もちろんビジネスとして検討されるべき選択肢だろう。

とすると、コワーキング・プロバイダー(運営会社)というポジションの重要性も高まるはず。肝心のワークスペースを回すのはビルオーナーでも不動産会社でもなく運営会社だから、その能力の高いプロバイダーと組んだほうがいいに決まってる。

ことにコワーキングスペースを運営するというのは、そう簡単にできる仕事ではないから、レベルの高い運営会社は引く手あまたになるかも。すでに、ヨーロッパではデキるコワーキングマネージャーのスカウト合戦が繰り広げられているし。

もしかしたら、コワーキングプロバイダーのランク付けなんかも出てくるかもしれないが、個人的にはそういう安直な判定は危険だと思う。コワーキングは個々に違う姿をしているコミュニティなので、ひとつのものさしでその良し悪しを測れるものではない。

でも、出てくると思うなぁ。キライだけど。

もうひとつ、こういう記述も。

COVID-19はコワーキング・ダイナミクスを再構築し、一部の都市中心部が回復する一方で、 郊外地域が重要性を増している。

ニューヨーク・タイムズ紙が表現しているように 、気晴らしのよい環境を求めて臨時のオフィスを求めるワー カーのこの傾向は 、毎日の都心通勤からのシフトを反映している。

これはかねがね言ってる郊外型コワーキング、つまり生活圏内にワークスペースを持つということ。

都心に物件を持つデベロッパーや不動産会社は気が気でないだろうが、通勤するしないの選択権がワーカー側に移りつつある限り、もうこれからはハイブリッドワークが主流になる。つまり自宅近くのコワーキングの需要がますます高まる。

とすると、都心のバカでかいコワーキングではなく、郊外の中小規模のコワーキングを専門にオペレートする運営会社が現れる可能性も出てくるかもしれない。

「いや、需要がそんなにないでしょ」と思うかもしれないが、コワーキングって場所を貸すだけが収益源ではないから、やり方次第。むしろ、ローカルだからできることが、実はいっぱいある。

コワーキングはコワーキング曼荼羅が示すように、必ずしも仕事に限った利用のされ方をしているわけではない。利用者の課題解決や目標達成のカツドウのための拠点であるとするならば(そうなのだが)、別に仕事以外にもさまざまなテーマがあって当然。

ただ、これらのカツドウを実行していく過程で、仕事、つまりビジネスにつながる局面が出てくる。その機会を捉えてコワーキング内でコラボやチームを組んで、更に新しい価値を生むカツドウに発展する。

それが、ローカルコワーキングの生命線にもなる。

要は、利用者の側に立って何がサポートできるか。そこを考えたら、意外といろいろ出てくる。それがまた面白い人間関係をつなぐし、人間関係をつなぐと、維持継続性が増してくる。

そう考えると、ローカルコワーキングって可能性しかないと思うのだが。

ということで、今日はこのへんで。

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