今日のアウトテイク#127(日曜無料版)「ドイツが留学生と実習生にフォーカスするワケ」ほか【メンバーシップ特典】(2024-03-24)

<アウトテイク>
・SNSに投稿する前の推敲(もしくは配慮)なしのメモ
・投稿せずに、いや、やっぱりやめておこう、と思った殴り書き
・ブログ記事として仕上げる前の思索の断片、または下書き
・一部、筆が乗ってきて文字数多いのもあり〼
・たまに過去に書いたネタを展開する場合も
・要するに「伊藤の現在地点」

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新しい人が出てくるのはいいこと。


#今日のBGM

#今日のコトバ

"不愉快な連中に対してできる唯一のことは、そんな人間にならないことだ。"
(イアン・マッケラン)

#110年ぶりの新入幕優勝

大相撲春場所で、まだ大いちょうも結えない新入幕の力士が優勝した。実に110年ぶり(!)。初土俵から10場所目での制覇ってスゴイですね。

ぼくはそう熱心な相撲ファンでもないし、ずっと見てるわけでもないけれども、こういう逸材が国技と言われる競技に出てくると、なぜか嬉しくなる。なにかしら、日本、を感じたりするからかなぁ。

それはともかく、尊富士、立派です。優勝、おめでとう。

#神戸が官民協働でウォーカブルなまちづくり

これはいい取り組みですね。六甲山の木を移植して、神戸の町中に木陰を作るプロジェクト。

木陰があると、体感温度を約7度下げたり、地表面の温度が上昇することの抑制、蒸発散により周辺の気温上昇を緩和することが期待できます。

期待する、する。将来的には三宮から元町周辺に「木陰の回廊」をつくる構想もあるそうで、それも楽しみ。

海外では都心部の車の乗り入れを規制して、歩行者優先のいわゆるウォーカブルなまちづくりに転換する都市が次々とその計画を実行している。

国内では、駅前の大手前通りを2019年に大改修し、2022年8月から道にテーブルや椅子が並ぶようになった姫路市の事例が記憶に新しい。

こっちの国土交通省のブログ記事も詳しい。

実は神戸では「都心・三宮再整備 KOBE VISION」というプロジェクトがスタートしている。三宮駅周辺を中心にした大規模な再開発事業だ。

ここを見ると、歩行者の利便性を考慮し、かつ大幅に緑を配置する設計のようだ。今回の『こうべ木陰プロジェクト』もその一環かも。

神戸は東西に細長い町だけに、歩くにしても縦(南北)ではなく横(東西)に移動して終わる(戻ってこない)という感じ。なので、「回遊性」という点では難しい課題もいろいろあるのではないかと想像する。

できれば新しい施設を建てるのではなく、今あるものを再活用してつなぎあわせ、人の移動がしやすい動線を作るといいと思うのだが。ついでに、半径◯km以内は車の進入禁止にするのもアリかなと思う。

ちなみに『こうべ木陰プロジェクト』は、官民協働で取り組むそうで、共感するスポンサー企業の募集に加えて、3月下旬にはクラウドファンディングも行う予定とのこと。

なんでも自治体に任せっきりにせず、市民も自分たちのまちづくりに参加することは、とても大事なことだと思う。

#ドイツが留学生と実習生にフォーカスするワケ

ヨーロッパでまたまた興味深い取り組みがはじまる。ドイツは、熟練労働者の誘致と維持のための新しい取り組みとして、留学生と実習生に対してビザの規制を緩和する。

これ、画期的です。

ドイツは今月、新しい技能労働者法を採択し、EU圏外からの留学生や実習生がドイツの労働市場で学び、働き、転職することを容易にするいくつかの重要な変更を導入した 。←ここ、学ぶだけではなくて就労できるという点、めちゃくちゃ重要。

この制度により、留学希望者は大学入学願書を準備する間、最長9ヵ月間ドイツに滞在することができる。この間、週20時間までの就労が許可されるため、経済的に自立し、貴重な職業経験を積むことができる 。

これは留学生にメリットがあるだけではなく、ドイツが「幅広い技能と経歴を持つ人材を惹きつけるだけでなく、ドイツ経済に貢献する機会を提供する」。つまり、そうなることを目的に制度設計している。

ドイツの大学に在籍する留学生は、就労可能な時間が暦年で140日または280日半に増え、より広範囲で働くことができるようになった。この変更により、学生は学業と並行して収入を得るための柔軟性が増し、ドイツは国際的な人材にとってさらに魅力的な目的地となった 。

実習生にも、

外国からの実習希望者にも恩恵を与え、B1レベルのドイツ語能力を持ち、35歳未満であれば、実習を希望しながらドイツに9カ月間滞在できる ようになった 。

こうした好条件を提示することで、「留学生や実習生が ドイツでの長期的なキャリアを模索することを奨励し 、彼らの技能や知識をドイツの労働市場にもたらす」ことが期待できる。実に周到な作戦だ。

この「留学生と実習生」に絞ったところが秀逸。誰でもいいわけではない。若い世代で学ぶことや技能を習得することに積極的な、つまり「やる気のある」学生に狙いを定めている。

一見、いまや世界中で発給されているデジタルノマドビザのように見えるが、それとはまた違った角度から有能なワーカーを獲得しようとしている。

こういうことは、日本もお手本にするべきと思う。観光業の思考回路で誰でもいいから消費してくれる人にデジタルノマドビザを発行するんじゃなくて、働いてくれる人にフォーカスすということ。その上で、日本での就労を(条件付きでもいいから)許すべき。そうして、内と外との融合により「知の再結合」を誘発するべきだ。

ここでも書いたが、

デジタルノマドには、日本で能力を発揮して「共創」「協働」してもらいたい。そうして、日本の各地の活性化に協力してもらいたい。

「ドイツの新しい技能労働法の導入は、世界各国が労働力不足と技能労働者不足に直面するなか、流入する労働者を惹きつけることの重要性を浮き彫りにしている 」。まさにその通り。

それは、日本とて例外ではない。

#フランスで離婚した親による週4日勤務の実証実験

もうひとつ、ヨーロッパから。週4日就労制が各国で導入され始めているが、フランスでは、親権を共有する離婚した両親のみを対象とした週4日勤務のテストを開始する。

報道によると、一部の公務員を対象に9月に開始される予定。試験的プログラムの参加者は、標準的な週35時間労働を維持するため、4日間にわたって延長勤務を行う。

なんで「離婚した親」が対象なのか。

このプログラムは、離婚した親が仕事と家庭の時間を両立させるために考案されたもので、理論的には、特定の週に子どもの親権を持つ親のスケジュールにうまく対応するためのものだと説明して いる。

離婚した親の子育てを、仕事と両立するのはなかなか難しいだろう、だから就労日数を減らしてみよう、ということか。それは判りますね。

ちなみにフランスでは、すでに約1万人の労働者が週4日制で働いているんだとか。この取り組みが良い成果をあげたら、その数も増えることだろうし、政府もそこを期待しているのだろう。

これも対象を絞り込んだ制度設計の話だが、先のドイツにしろ、対象を細かく分けて、その層に相応しい取り組みが行われていることに注目しておきたい。

ワーク・ライフバランスはひとつの制度では解決しない。個々のワーカーの実情に沿ったプログラムが必要だ。

さて、(毎回言ってるけれど)日本ではいつその実証実験を始めるのだろうか。

ということで、今日はこのへんで。

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