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二十代・羽化継続|短編小説

 明日と今日に境目などない。30と29の間にも。あるとしたら世間にだろう。けれど某文豪曰く、世間とは個人のことらしい。凪いだ焦燥感が胸に居座る。私は、私の境目を超えられるだろうか。

 心のさざ波を子守唄に、時計の針はなめらかに夜を超える。代わり映えのない昨日と今日。とっくに失くしたはずのモラトリアムの欠片を、私は未だ手放せずにいる。

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誕生日に思うこと。

この作品は[pixiv/アルファポリス/カクヨム]にも掲載しています。

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