5-10分で読める青空文庫/北大路 魯山人著『美味論語』

こんにちは、神崎翼です。

皆様ご存知、誰でも自由に読むことができるインターネット電子図書館『青空文庫』で、短い時間で読めるお話を中心に読書記録を付けています。

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今日の読書記録は北大路 魯山人著『美味論語』です。
(読書日 2021/04/29)

分量:約3分

副題は『――まずいものはなんとしてもうまくならぬ――』です。この一文に興味をひかれまくって読みました。魯山人先生の作品は語り口が面白くて読んでて楽しいです。

「まずいものを、なんとかしてうまく食う方法を教えてくれ」という注文がときどぎ来るが、まずいものをうまくする……そんな秘法は絶対にない。魔術もなかろう。まずい米は所詮まずい。肉も魚類も菜もみな同様であって、一歩も動くものではない。(本文より引用)
固い牛肉をやわらかくすることや、固いたいをやわらかくすることはできる。だがそうすることによって、味がうまくなるとはかぎらない。うまいものは本質的にうまく、まずいものはどこまでもまずい。(本文より引用)

「うまい」「まずい」というのはそもそも本質的なものである、というとらえ方が私からすると新鮮でした。おいしいトマトはまるごとかじってもおいしいですもんね。特に和食は素材のおいしさを引き出すものが多いですし、そもそもの素材がまずいと料理ではいかんともしがたい、と。結局、自然のものを人間の技術で変質させるのには限りがあるということでしょうか。難しい話です。

以上です。
次の読書記録で会いましょう。

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