放射線医学　腎疾患

腎細胞癌

成人充実性腎腫瘍の85%は腎細胞癌
大半が多血性

CT所見
単純→正常腎より低～等濃度
造影→動脈優位相で濃染
　　　実質～静脈相で低濃度
膨張性発育

超音波所見
等エコーが多い
大腫瘍→不均一エコー
繊維間質成分豊富・管腔形成→高エコー
管腔形成乏しい→低エコー

※経皮針生検禁忌

腎盂腫瘍

内腔突出型、壁肥厚型、腎実質浸潤型に分かれる
大半が移行上皮

CT所見
腎盂壁肥厚、欠損
浸潤性発育→水腎症、無機能腎
動脈優位相→腫瘍染まらない

超音波所見
中心部エコー消失
腎盂尿管移行部、腎皮質への圧排・浸潤

腎癌との鑑別
腎癌→膨張性発育、多血性腫瘍、血行性転移、腎機能保持
腎盂癌→浸潤性発育、乏血性腫瘍、血行性転移はまれ、無機能腎

気腫性腎盂腎炎

急性腎盂腎炎の劇症型
90%以上で糖尿病合併

画像所見
集合管、腎実質、腎周囲組織などにガス→超音波では見にくい

尿路結石

大半がカルシウム含むX線非透過結石

超音波所見
著明な高濃度像＋アコースティックシャドウ

単純X線所見
尿酸結石・キサンチン結石はうつらない
生理的狭窄部に停留しやすい
（腎盂尿管移行部、腸骨動脈交差部、尿管膀胱移行部）

膀胱腫瘍

大半が移行上皮
膀胱内から外へ浸潤→肝や肺などへの血行性転移と尿道や精嚢への直接浸潤

CT所見
膀胱内造影欠損
浸潤像

超音波
内腔に突出する高エコー
径尿道超音波なら深達度もわかる

MRI
腫瘍と粘膜下層が早期造影