見出し画像

臨床診断学 脱水・浮腫

体液量異常はナトリウムバランス異常に起因する
血清Na濃度異常は水バランス異常に起因する

Naの調節

再吸収促進
①RAAS
②交感神経系
③ADH

再吸収抑制
④ANP(心房性ナトリウム利尿ホルモン)

脱水

分類

等張性:Na濃度正常→細胞外液の喪失
低張性:低Na→細胞外液の喪失大きい 塩分欠乏型 強い血圧低下
高張性:高Na→細胞内液の喪失大きい 水分欠乏型 強い口渇感

等張性
低張性:嘔吐、低アルドステロン症など
高張性:水分の喪失による 不感蒸泄、尿崩症など

症状
口渇:高張性で強い
倦怠感、疲労感:循環障害
たちくらみ、ふらつき:起立性低血圧 低張性で強い
意識障害

所見
体重減少
組織間液減少:皮膚乾燥など
循環血漿量減少:毛細血管再充満時間延長、頻脈、起立性低血圧
BUN/Cr比上昇:尿素は再吸収されるがクレアチニンはされない
尿酸値上昇
ヘマトクリット上昇
レニン上昇

腎の反応
尿量減少
濃縮尿
Na排泄低下

検査
起立試験:血圧低下を調べる
毛細血管再充満時間:中指圧迫後充血が戻るまでの時間 正常4秒以内

脱水の原因

①水分摂取不足
②腎外性:発汗、下痢、嘔吐など
③腎性喪失

浮腫

組織間液の部分に余分な液体成分が貯留した状態

圧痕性浮腫:大半はこちら
非圧痕性浮腫:体液よりタンパク成分の多い液体が貯留する
       粘液水腫、甲状腺機能低下症などで見られる
局所浮腫:リンパ浮腫、静脈性浮腫、血管浮腫、RS3PE症候群

機序
浮腫形成:血管内から組織間への水・Naの移動
→静脈圧減少、低アルブミン
浮腫の持続:体全体のNa貯留
→腎不全、RASS亢進

症状
むくみ、呼吸困難、腹部膨満、体重増加

合併症
夜間頻尿
易感染性

消化吸収障害、腹膜炎
呼吸困難・心不全

治療
利尿薬:通常はNa利尿薬
食塩摂取制限
アルブミン、血漿製剤投与:低たんぱくに対して
弾性ストッキング:静脈血栓対策

局所性

①血管性浮腫
口唇、喉頭に多い境界不明瞭な表皮下浮腫
ACE阻害薬、NSAIDsなどで誘発

②RS3PE症候群
寛解性
リウマトイド因子陰性
対称性
滑膜炎

記事閲覧ありがとうございます 毎日医学系記事書いています! スキ・サポートいただければより励みになるのでよければお願いします! 質問・感想などコメントもご気軽にどうぞ