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小児外科学 総論

小児外科とは

16才未満の小児を対象とする外科

成人の消化器、一般外科、泌尿器、呼吸器などに相当する領域を担当することもあり幅広い疾患を取り扱う

小児外科の特殊性

①先天性疾患が多い

成人と同じ病気でも成因が異なるので治療法が異なる

②生理機能の違い

新生児~乳児は臓器の未熟さ故に抵抗力が低い反面、盛んな代謝により高い治癒力を有している

また、成長とともに臓器も成熟するので年齢層ごとに特有の生理機能を有する

③術後の社会生活の長さ

成人以上に術後のQOLに配慮が必要である

各年齢層の特徴

①胎児期

 受精卵期(0~2週):受精→着床  その後各胚葉へ分化

 胎仔期(3~8週):三胚葉形成→体腔形成

 胎児期(9週~)

②新生児期

 胎児環境から外界へ適応・・・肺血管抵抗の低下、生理的体重減少、生理的黄疸

③乳児期

 著しい身長増加

 四肢の協調運動→1人立ち→1人歩き と急速に成長していく

④幼児期

 精神、消化器の発達

 大泉門閉鎖

 排尿排便の自立

⑤学童期

 体の発達

 外界への適応

 リンパ系の発達

⑥思春期

 生殖系の発達

 ほぼ成人と同様になる

発生

①鰓弓

 鰓弓は妊娠4週頃に形成され、顔面~頚部の骨や筋肉の元になる

②耳

 耳介は1、2鰓弓から生じる

 発生異常により耳瘻孔、副耳など生じる

③消化器系

 妊娠6週に卵黄嚢から原始腸管が形成→前腸、中腸、後腸を形成

 中腸が十二指腸~横行結腸の右2/3まで

 前腸はさらに口腔、咽頭、舌、唾液腺、上気道

       食道

       胃                へ分化する

 小腸・大腸は一部が後の臍帯となる部分でループを形成することで一気に体積を増加させる

④肛門・泌尿器

 総排泄腔から分離して形成

 発生異常により鎖肛となる

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