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眼科学 角膜

角膜の役割

透光体として内部に光を通す

レンズとして光を屈折させる

眼球の外壁として形態維持

眼球最前面で物理的防御をなす

角膜の構造

外側から順に上皮、実質、内皮で構成される

 上皮:涙液とあわせてバリアとして働く

 実質:透明性が高い

    角膜の90%を占め、特有の層構造により透明性を保っている

 内皮:単層の細胞 実質の水分をくみ出す

    分裂、増殖せず加齢により減っていく

角膜の混濁

浮腫:内皮の機能不全

細胞浸潤:炎症細胞の侵入

沈着:ジストロフィー、変性 特に角膜ジストロフィーが典型

   他にウィルソン病(カイザーフライシャー輪)、ファブリー病、ムコ多糖症といった代謝異常症も原因となる

瘢痕:コラーゲン繊維の配列が乱れる

疾患の種類

①結膜炎:細菌、ウイルス、アレルギーが主因

     細菌性結膜炎・・・急性の軽い充血、黄色の眼脂 原因菌はブドウ球菌など 淋菌、クラミジアなどの性感染症でも起きる

     ウイルス性結膜炎・・・急性の強い充血、角膜混濁 アデノウイルス3型(プール熱)、8型(流行性角結膜炎)が主

     アレルギー性結膜炎・・・慢性・季節性の軽度の充血、かゆみ

     スギ、ダニなどによるもの以外にアトピー性のものや、春季カタルと呼ばれる重症型もある(角膜潰瘍、結膜に巨大乳頭増殖)

②角膜炎:(ヘルペス)ウイルス、細菌・真菌、自己免疫が主因

     単純ヘルペス角膜炎・・・三叉神経節におけるHSV再活性化 アシクロビル著効

     感染性角膜炎・・・眼の防御機構が破綻した状態で感染性微生物が存在すると成立 コンタクト洗浄液内のアメーバ増殖などが症例としては多い

     リウマチ・膠原病の眼合併症・・・周辺性角膜潰瘍、強膜炎

角膜移植

100年以上の歴史を持つ移植手術で、成功率80%以上と高い

移植適応①混濁により透明性喪失

    ②形態異常により不正乱視

    ③感染制御や角膜穿孔の修復

移植には全層移植、内皮移植、表層移植、上皮移植がある

部分移植のほうが拒絶反応はでにくく、iPS細胞などの再生医療を採用しやすい





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