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脳神経外科学 良性脳腫瘍

良性腫瘍は基本的に脳実質外腫瘍である

髄膜腫

30~50代女性好発
矢状洞、大脳鎌などに好発

症状
頭痛
視野障害、言語障害、麻痺など

診断
MRIが最も有用
他にCT、血管撮影など

治療
症候性(3cm以上)なら手術→定位照射

摘出度に応じて再発率変わる(Simpson分類)

無症候性なら経過観察

有効な薬物はない

下垂体腺腫

分類
①機能性
成長ホルモン産生腫瘍→末端肥大症
副腎皮質刺激ホルモン産生腫瘍→クッシング病
プロラクチン産生腫瘍→プロラクチノーマ

②非機能性下垂体腺腫

症状
①末端肥大症
手足の拡大
巨大舌
特徴的顔貌

②クッシング病
肥満
糖尿病
高血圧

③プロラクチノーマ
乳汁分泌
月経異常

④非機能性下垂体腺腫
視野障害:両耳側半盲

治療
手術が第一選択
経蝶形骨的摘出術(ハーディ手術)
最近は経鼻的手術が主流

術後管理
尿崩症、高Na→デスモプレシン(抗利尿ホルモン)
髄液漏出→脳脊髄液ドレナージ
髄膜炎→抗生剤
下垂体機能低下症、低Na→ホルモン補充療法

薬物療法
プロラクチノーマでは第一選択→ドパミン作動薬、ブロモクリプチン
末端肥大症→オクトレオチド

放射線治療
手術不可能例に用いる

下垂体卒中

下垂体腫瘍からの出血
急激な視力低下と頭痛を生じ、緊急手術が必要

神経鞘腫

聴神経鞘腫が主(三叉神経鞘腫はまれ)

症状
聴力低下、めまい

診断
MRI

治療
①摘出術 概ね3cm以上のもの 65歳以下推奨
②定位放射線治療 概ね3cm以下のもの 65歳以上
         聴力温存率は半分程度

頭蓋咽頭腫

下垂体茎の胎生期遺残から生じる
若年に多い

症状
両耳側半盲
尿崩症、下垂体機能低下

治療
経鼻的、前頭側頭開頭、半球間、脳室経由
の4種のアプローチが一般的

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