整形外科学　下肢骨折・脱臼

骨盤輪の骨折

①安定型
腸骨翼骨折、恥骨、座骨、仙骨、尾骨骨折など

②部分不安定型
恥座骨骨折、両側恥座骨骨折、恥骨結合離開

③完全不安定型
Malgaigne骨折

治療

①ダメージコントロール

②全身状態安定後に根治治療

股関節脱臼

ダッシュボード損傷が多い
胸部損傷、大腿骨頭壊死合併
座骨神経麻痺も時々

大腿骨骨折

骨頭、転子下骨折→若年の高エネルギー外傷
頚部、転子部骨折→高齢者の低エネルギー外傷

①近位部骨折
頚部骨折→内側骨折
転子部骨折→外側骨折

頚部骨折の特徴
骨頭壊死、偽関節になりやすい
骨粗鬆症性が多い→寝たきりの原因

早期手術・早期リハビリが基本

Garden分類
stage1,2→非転位型、骨癒合良好
stage3,4→転位型、骨癒合不良、人工骨頭置換術適応

Pauwels分類
Ⅲ型では剪断力強く偽関節生じやすい

転子部骨折の特徴
骨癒合良好
骨粗鬆症性多い→寝たきりの原因

②大腿骨骨幹部骨折

交通外傷などで多い

治療：髄内釘などによる手術

③非定型大腿骨骨折

ビスホスホネートが誘因
転子下に好発
両側性の大腿骨湾曲
骨癒合遷延

④大腿骨顆上・顆部骨折

膝窩動脈損傷が多い

膝蓋骨骨折

大腿四頭筋作用により骨片が離開

手術：引き寄せ鋼線締結法

膝周辺

外傷性膝関節脱臼：前方脱臼が大半

外傷性膝蓋骨脱臼：外側脱臼

膝関節骨軟部骨折：MRIで診断

下腿骨骨折

半月板損傷→疼痛、クリック、ロッキング
　　　　　　McMurray徴候、Apley徴候

靭帯損傷→疼痛、膝不安感、膝崩れ
内側側副靭帯：外反動揺性
外側側副靭帯：内反動揺性
前十字靭帯：前方引き出しテスト陽性
後十字靭帯：後方引き出しテスト陽性

脛骨骨幹部骨折

開放骨折になりやすい
偽関節は中下1/3に好発
コンパートメント症候群合併

開放骨折分類
Gustilo分類
typeⅢB：軟部組織の広範囲挫滅や欠損があり骨膜の剥離、骨露出伴い、皮弁による被覆を必要とする
typeⅢC：修復を必要とする動脈損傷伴う

治療：転位なければ保存治療可能

参考）コンパートメント症候群
著明な疼痛
ストレッチテスト
水疱伴う腫脹
＋
6P
paralysis：運動麻痺
pulselessness：脈拍消失
pain：疼痛
paresthesia：知覚脱失
paleness：蒼白
prostration：疲労
のいずれか

脛骨遠位部、顆部骨折

脛骨遠位端天蓋骨折：関節内骨折
顆部骨折：足関節捻挫に続発

どちらも腫脹が著明な時に内固定すると皮膚壊死

足部骨折

①距骨骨折
3/5が関節面
骨壊死、偽関節多い

②踵骨骨折
高所転落などで生じる
Bohler（ベーラー）角減少

③中足骨骨折
第五中足骨基部の疲労骨折