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臨床診断学 腹部診察

腹部診察の基本

視診→聴診→打診→触診 の順

仰臥位で行う

患者から了承を得て行う

視診は膝を伸ばして行う

視診

腹部の外形、膨隆

皮膚の性状:色、発疹、腫瘤など

表在静脈の拡張

蠕動運動

聴診

打診、触診すると腸管が刺激されるので、その前に行うこと

膜型聴診器を用いる

音の種類

①腸の蠕動音:通常1~2箇所で1~3分聴取する(OSCEでは最低10秒

②振水音:心窩部から聴取する、腹部全体を揺らした際の水のはねる音

     幽門狭窄や腸閉塞を示唆する

③血管雑音:腹部の7箇所聴取する やや強めに聴診器をあてること

      腹部大動脈、左右腎動脈、左右総腸骨動脈が重要

      腹部大動脈・・・正中やや左で聴取

      腎動脈・・・剣状突起とへそを結んだ線の中央で聴取

打診

手を温めて行う

患者の顔を観察しながら行う

打診で痛みを訴えた場合、その部分の触診には気を付ける

9領域にわけて打診する

肝や腎では場合により叩打痛の確認をする(左手を腹壁にそえて右手で叩く)

触診

こちらも手をあたためて行う

患者の顔を観察しながら行う

疼痛がある場合はその部分は最後にする

浅い触診(圧迫1cm以内、片手)と深い触診(片手を腹壁にあて、もう一方の手を上から添える)を行う

①肝の触診:右手を腹側、左手を側腹部から背部にあてる

②脾の触診:吸気時に左手で胸郭下部~上腰部を前方に押し上げると触知しやすい

③腫瘤の触診:位置、可動性、性状、硬さなどを調べる

       胃腸などの腫瘤は可動性

       呼吸性の移動などもある

腹水

仰臥位で一方の側腹部に手掌をあて、他方の側腹部をたたくと腹水中を振動が伝わり、その波動を感じ取る

打診では体位変換現象(体位変換により音が変わる)により調べる



       


      





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