小児外科学 胆道閉鎖症と拡張症
胆道閉鎖症
原因:何らかの炎症により肝外胆管が破壊されるという説が有力
症状:黄疸・・・新生児黄疸に続発
灰白色便・・・胆汁排泄阻害による
肝腫大・・・進行に伴い大きさと硬さが増す
診断:便の色からの診断が多い(母子健康手帳には便色カードがある)
尿中ビリルビン陽性、便中ビリルビン陰性
肝機能検査異常値(胆道系酵素など)
ただし、ウイルス感染症や中毒症状とも類似しているので鑑別が必要
鑑別法
①腹部超音波
②十二指腸チューブ
③リポプロテインX測定
④肝胆道シンチ
治療:可能な限り早期の手術
肝門部腸吻合術・・・吻合不能型の場合、胆管を肝門部の腸につなぐ
術後は胆管炎予防のために利胆剤、抗生物質、栄養管理を行う
また、場合によっては再手術も行う
肝移植・・・重症の場合は移植も考慮する
根治術で黄疸が消失しないような重症例では移植しないと肝不全などを併発して死亡する
胆道拡張症
胆管の限局性拡張と膵・胆管合流異常を特徴とする先天奇形
a型:嚢腫状拡張
b型:憩室状拡張
c型:壁内拡張
膵液と胆汁が膵管や胆管で混合することにより酵素が活性化し、胆道壁を障害することで胆管が拡張する
診断:超音波、CT、
血液検査・・・ビリルビン、胆道系酵素、アミラーゼ高値
症状:腹痛、黄疸、腹部腫瘤 の3徴(すべてそろうのは2、3割)
他に急性膵炎症状、灰白色便など
治療:早期に手術
分流手術:肝外拡張胆管切除・肝管空腸吻合術
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