![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/28441698/rectangle_large_type_2_49e9240808cdd7ec8f36c9a671ff39a3.png?width=800)
救急医学 急性中毒
標準治療
全身管理、吸収阻害、排泄促進、解毒薬・拮抗薬投与
が四大原則となる
吸収阻害
①活性炭の投与:吸着作用により毒物を吸着
活性炭は便と一緒に排泄される
②腸洗浄:毒物を排泄させる
③胃洗浄:あまり有効ではない
排泄促進
①尿アルカリ化:弱酸性の毒物を排泄しやすくなる
②活性炭繰り返し投与
③血液浄化:脱血した血から毒物を除去して戻す
解毒剤、拮抗剤
①受容体拮抗薬
フルマゼニル:ベンゾジアゼピン類に対して用いる
ナロキソン:オピオイド類に対して用いる
アトロピン:コリンエステラーゼ阻害薬に対して用いる
②酵素活性を回復させる薬物
ヒドロキソコバラミン:チトクロムオキシダーゼに対して
亜硝酸塩:同上
プラリドキシム:コリンエステラーゼに対して
③毒性代謝物の産生抑制
エタノール
各論
①有機リン
コリンエステラーゼ阻害を引き起こす
症状:ムスカリン様症状・・・縮瞳、流涙、気道分泌亢進、徐脈、失禁、下痢など
ニコチン様症状・・・頻脈、高血圧など
中枢神経症状・・・頭痛、めまい、振戦など
治療:アトロピン、プラリドキシム
②パラコート
NADPHを消費し活性酸素を生じる
症状:潰瘍、腹痛、下痢、循環不全、心停止など
治療:酸素投与
③シアン化合物
強アルカリなので消化管を腐食する
症状:口腔や咽頭の灼熱感、激しい頭痛、めまい、苦悶感など
治療:速やかにヒドロキソコバラミン
④メタノール、エチレングリコール
ギ酸となり毒性示す
症状:かすみ目、視神経乳頭充血、うっ血乳頭など
進行すると失明、痙攣、肺水腫
治療:エタノール投与
⑤硫化水素
粘膜刺激、ATP枯渇
症状:濃度に応じて粘膜刺激症状→細胞呼吸障害→痙攣発作、昏睡、呼吸停止
治療:亜硝酸ナトリウム
⑥CO
酸素供給を阻害
症状:頭痛、めまいなどの酸欠症状
治療:酸素投与
⑦刺激性ガス
二酸化硫黄、塩化水素、アンモニアなど
症状:水溶性に応じて部位が変化する
流涙、結膜炎
鼻炎、咽頭炎
咳嗽、気管支炎
など様々
治療:気管挿管、人工呼吸器
⑧アセトアミノフェン
代謝により毒性代謝物生じる
症状:悪心、嘔吐→黄疸、低血糖など
治療:N-アセチルシステイン
⑨アスピリン
乳酸産生促進
症状:耳鳴り・難聴、過呼吸・頻呼吸、悪心・嘔吐
治療:尿アルカリ化
記事閲覧ありがとうございます 毎日医学系記事書いています! スキ・サポートいただければより励みになるのでよければお願いします! 質問・感想などコメントもご気軽にどうぞ