リウマチ膠原病学　成人発症Still病・シェーグレン症候群など

成人発症Still病

Still病は若年性の特発性関節炎
全身型、少数関節型、多関節型の３タイプにわかれる

全身型と同様の症状が成人に現れたものを成人Still病と呼ぶ

病態

網内系活性化により発熱、関節痛、皮膚症状などを主症状とする自己免疫性疾患

症状

夜間間欠熱
関節痛、発疹、咽頭痛
皮膚症状：サーモンピンク疹、ケブネル現象
リンパ節腫脹、肝脾腫、肝機能障害
合併症：DIC,血球貪食症候群

サーモンピンク疹・・・隆起の乏しい赤桃色紅斑
　　　　　　　　　　　体幹、四肢近位に多い

診断基準

大項目
①発熱（39度以上が1週間以上）
②関節痛（2週間以上）
③皮疹
④白血球増加、好中球増加

小項目
①咽頭痛
②リンパ節腫脹
③肝機能異常
④リウマトイド因子陰性および抗核抗体陰性

合計5項目以上

検査所見

リウマトイド因子陰性、抗核抗体陰性
好中球増加、血沈亢進
フェリチン著増
肝障害
高γグロブリン

治療

副腎皮質ステロイド剤

効果不十分ならメソトレキサート、血漿交換療法、トシリズマブ

シェーグレン症候群

全身の外分泌腺を主なターゲットとする自己免疫性疾患

症状は非常に多彩

女性、40代に好発

症状

腺症状：口腔内乾燥・・・舌炎などを続発
　　　　眼乾燥
　　　　耳下腺腫脹、萎縮性胃炎、膵炎など

腺外症状：発熱、多関節炎、レイノー現象、間質性肺炎、腎障害、肝障害、感音性難聴など多彩

合併症：悪性リンパ腫、慢性甲状腺炎、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変

診断基準

乾燥症状
乾性角結膜炎
SSA,SSBに対する自己抗体

検査所見

眼乾燥：Schirmer試験・・・涙液量測定
　　　　ローズベンガル試験・・・角結膜上皮染色

唾液腺：唾液腺造影、シンチ
　　　　ガムテスト
　　　　サクソンテスト

血液検査：自己抗体・・・抗SSA抗体。抗SSB抗体
　　　　　高γグロブリン
　　　　　貧血、白血球減少

治療

腺症状のみ：唾液分泌促進剤、人工唾液、人工涙液

腺外症状あり：副腎皮質ステロイド投与

混合性結合組織病

全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、多発筋炎、皮膚筋炎の混合疾患

抗U1-RNP抗体陽性が必須
レイノー現象必発

肺高血圧症の有無が予後を大きく左右する