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法医学 損傷その2

鋭器損傷

刃やこれに類する器物や尖器による損傷 

刃物全般、アイスピック、錐など

創縁、創端、創壁、創洞の4つで性状を示す

創縁の長さ→刃の向き、幅など

創端→鋭角、鈍角で刃の向きがわかる

切創

鋭器の辺縁を体表面に押し当てて、あるいは長軸方向にひいてできた創

弁状創:皮膚に対しななめに作用し、皮膚の一部がつながった状態

面状創:完全に離断し皮下組織が露出した状態

創縁は整、創端は鋭角、創壁は整、創洞内に架橋形成を認めない

刺創

鋭器の尖鋭な部位が体内に刺入されてできる創

刺切創

切創と刺創の複合

被害者の動き(抵抗)により形成されやすい

割創

比較的重い刃器(斧、刀など)で叩いたり打ち込んだりした創

創縁で表皮剥奪を伴う

受傷者の意図による分類

逡巡傷

自殺時に、ためらいにより致命傷に至らない損傷が複数見られることがある

防御創

刃物からの傷害を受ける際、自分を守るために刃を握ったり払ったりした際にできる切創

銃器損傷

貫通射創

体を貫通した創

弾丸の通過順に 射入口~射創管~射出口 と呼称する

盲管射創

銃弾が体内に留まる

こちらは射入口のみ

距離による分類

接射:皮膚接触~50cm以内
近射:1~数m以内
遠射:それ以上

射入口:中心から順に

汚物輪・・・銃弾の付着物による汚染

挫滅輪・・・銃弾の侵入による皮膚挫滅

焼暈・・・煤煙と火薬粒

距離により形状が異なる

身体各部の損傷

①頭部外傷:別記事で書く予定

②頚部損傷:頸椎骨折・損傷・・・外力による過伸展
      後頭環椎、環椎軸椎脱臼は致命的

③胸部損傷:胸骨骨折、肋骨骨折

      気胸・・・気管、気管支、肺の損傷

      血胸・・・心臓、大動脈などの損傷

      心臓、大動脈損傷・・・起始部と峽部で多発

④腹部損傷:胃・消化管損傷

      肝臓、腎臓、脾臓、膵臓損傷・・・鈍体による損傷だと遅れて出血することも

⑤骨盤骨折:程度により大量出血

死因

①重要臓器の損傷

②出血:失血、出血性ショック

③ショック:外傷性ショック・・・挫滅症候群など

      細菌性ショック

④塞栓症:脂肪塞栓症・・・血管やリンパ管がつまる

     空気塞栓症・・・損傷した静脈から空気が入る

⑤窒息:出血、胸部圧迫、気胸など

⑥感染症


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