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法医学 損傷

損傷とは外力作用により組織の正常連絡が絶たれた状態
創傷はほぼ同義

鈍器損傷

作用面が平滑~粗、硬いものから柔らかいものまでさまざま

圧痕:限局した範囲の皮膚に強い圧迫が死後長時間与えられ形成される陥凹

ロープなどによる圧迫が代表的

表皮剥奪:鈍体が皮膚に作用して表皮剥離、欠損して真皮を露呈した状態

時間経過で痂疲化することがある

①擦過性表皮剥奪・・・いわゆる擦り傷

②圧迫性表皮剥奪・・・鈍体に皮膚が強力に圧迫されることで皮膚が進展する 爪痕など

皮膚変色:皮内出血、皮下出血など

皮内出血・・・打撲、圧迫などによる表皮下の出血

成傷器の形状をのこしやすい

皮下出血・・・皮下の血管が破れて皮下軟部組織内に出血

軟凝血により生前の出血とわかる

赤紫色→緑色→黄緑色→黄色→褪色 と変化していく

二重条痕・・・円柱状の棒などで殴られると圧迫部は蒼白化、皮下出血が辺縁に押しやられることで二本の平行な帯状変色となる

間違えやすい病態:熱傷、凍傷、老人性紫斑、膠原病など

DIC、凝固因子減少などで出血傾向があると重症化しやすい

挫創:鈍器による打撲など鈍体の直接作用による皮膚離断

皮膚が鈍器と骨に挟まれることで起きやすい

裂創:鈍力の間接的外力により皮膚が過度に進展し皮膚が離断

挫裂創:挫創と裂創の複合

デコルマン(剥皮創):大きな鈍力により皮膚が牽引され皮膚・皮下組織が筋膜などの下層から剥離

車両による轢過が最も多い

特徴的な成傷器

咬傷:人や動物の歯牙による損傷

歯型による被疑者特定ができる場合がある

杙創:杭、柵などが体に突き刺さる傷

スクリュー創:船舶用スクリュープロペラによる打撲

皮膚、筋肉、臓器挫創、骨折など生じる

墜転落創:高所からの落下による傷



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