放射線医学　呼吸器画像診断　気管編

びまん性肺疾患

肺胞性陰影

肺胞腔内の浸出液や細胞浸潤で形成
病期進行によりKohn孔、Lambert管を形成

境界不鮮明
斑状影、塊状影
気管支透亮像

よくみられる疾患：肺炎、肺水腫、肺出血
　　　　　　　　　肺胞蛋白症、悪性リンパ腫など

間質性陰影

線状影(Kerley line)などを形成
気管支や血管の走行に一致
辺縁鮮明

よくみられる疾患：間質性肺水腫、ウイルス性肺炎
　　　　　　　　　サルコイドーシス、特発性間質性肺炎

びまん性粒状影

5mm以下の円形陰影、辺縁明瞭　特に1～2mmのものを粟粒影とよぶ
肺胞性か間質性か区別が困難なもの

ＣＴでの評価

気道中心性：細菌性肺炎、肺結核、びまん性汎細気管支炎、過敏性肺炎
　　　　　　マイコプラズマ肺炎、ウイルス性肺炎など

広義間質性：サルコイドーシス、悪性リンパ腫、珪肺

血行性：粟粒結核、転移性肺腫瘍

肺胞性：細菌性肺炎、肺水腫、肺出血、肺胞蛋白症

各論

細菌性肺炎

基礎疾患からの続発
均等影、小葉性陰影、細葉性陰影
陰影内空洞

肺結核

結核菌による疾患
発熱、咳嗽など

初感染結核：小児発症、自然治癒
　　　　　　リンパ節腫大、斑状融合性浸潤影

成人型結核：気道分布に沿って粒状影、結節影
　　　　　　線維化、石灰化、気腫化

粟粒結核：全肺野にびまん性微細粒状影

ニューモシスチス肺炎

肺門から末梢に広がる線状・網状影、スリガラス影、融合浸潤影

間質性肺炎

肺胞隔壁に浮腫や細胞浸潤をきたす

初期：下肺野の淡いすりガラス影、網状影、微細粒状影
進行：網状、多発輪状影、肺容積減少
終末：蜂窩肺

過敏性肺炎

肺胞アレルギー反応

急性期：肺胞性融合影
亜急性期：結節状、網状結節状影
慢性期：線状影、蜂窩肺

サルコイドーシス

壊死伴わない類上皮細胞肉芽腫

縦隔・肺門リンパ節腫大
両肺の粒状影
線状影

肺気腫

横隔膜低位・平坦化
肺野透過性亢進
肋間開大
滴状心

気管支拡張症

軌道状陰影
輪状陰影

びまん性汎細気管支炎

日本人に多い

肺過膨張
びまん性小粒状影
細気管支拡張

肺水腫

間質性：水分貯留により間質組織が肥厚

肺胞性：肺胞性陰影

鑑別診断

びまん性線状・網状影

特発性間質性肺炎などにみられる

間質に病変
Kerley線
蜂窩肺形成

びまん性融合性陰影

肺血管見えない
気管支透亮像
すりガラス影