フォローしませんか?
シェア
かんやん
2021年9月15日 06:02
ちょうど多感な高校生のときに、ちくま文庫で太宰治の全集が毎月一巻ずつ出版されて、それを読むのが楽しみになった。10巻もある全集を読破した元々のきっかけは、当時、ギター少年がロックレジェンドに心酔するような仕方で傾倒していた三島由紀夫で、たしか『小説家の休暇』という日記の体裁を借りた批評集の中に、有名な(?)太宰批判があったからである。 手元にないから、何十年も昔の記憶で書くが、『斜陽』を俎上
2021年9月16日 06:47
全集を読破するほどの愛読者だったから、太宰治のことは詳しく知っている。実をいうと、高校を卒業した春、津軽にある太宰の生家が「斜陽館」といって旅館となっているときに泊まりに行ったことさえあるのだ。後に本当に斜陽になって潰れてしまったらしいが。 長兄が国会議員を務めた程の素封家である実家の仕送りで、都会で勉強もせずに堕落した生活を送っていたが、尋常ではない文才の持ち主だから、そのだらしのない日々