シェア
かんやん
2023年4月11日 06:51
駅の待合室で暮らしている男がいる。いや、正確には暮らしているとは言えないかもしれないけれど、滞在していることは確かである。 家具(椅子)付き冷暖房完備で家賃0円、自販機まで三歩だから、悪くはないかもしれない。入場の度にお金はかかるし、終電と始発の間には駅のシャッターが閉まるから、外に出なければならないけれど。 平凡なサラリーマンの片桐は、通勤の行き帰りに、いつしか待合室の男を外側から観察