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文字通り暗闇も青空も見たこと無かった話。

自分はどうやら真っ暗闇も真っ青な空も経験したことがないというのが発覚したのは約2年前だった。
どうやらビジュアルスノウ(降雪視症候群)というやつらしいのだ。

日常生活に支障がないならとのことで、医師にも特に問題とされなかったし、発覚までの16年間疑いもせずそのまま生きてきたので実際何も問題はないのだ。

ただ、自分だけ周りの人間と違う世界を見ていて、なおかつそれが汚れたような視界であるのはまあまあショックだった。

自分にとっては普通だが、自分の視界はだいぶうるさい。
電気を消しても、目をつぶっても完全な暗闇は訪れない。
常に緑と紫の斑模様のノイズが膜のように視界を覆っている。
丁度テレビの砂嵐が常に見えているような視界だ。
空を見上げても鮫肌のような青が目に入る。
加えて自分は飛蚊症もあるので空にはボウフラの死骸みたいなのが浮かび、たまに動物細胞みたいな見た目のつぶつぶも浮かんでいる。

暗いとうるせぇし、明るいと飛蚊症も相まって汚ぇのだ。
自分の視界は。

完全な暗闇や青空を経験していないはずの自分が、完全な暗闇と青空を想定出来ている点は不思議だなとは思う。

自分の視界がおかしいことを告白したところでどうということでも無いが、自分は暗闇や青空を知らなかったし、これからも真に経験して知ることはないだろうという現実はそれなりに悲しい。

なのでこの文章を読んでくれた方の多く(『多く』なんて言葉を使うほど読まれてるわけない)は自分みたいな人よりしっかりと美しいものを見られるので、その分たくさん美しいものを見ておくといいと思いますよ。




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