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「新しい老舗」の航海日誌① 今までの振り返りと経営合宿でパーパスを作ったら、全てが楽になった話

最近、noteを更新していないのは、noteを書くことで晴らしていたストレスがなくなったからだと思う。タイトルにあるように役員で経営合宿を行い、外部のプロの伴走も得ながらミッション(パーパス)の策定を行った。会社にとって大きな節目だったので、内面の整理も含めて最近あったことを書こうと思う。

合宿前の状態の振り返り

自分は研究者やコンサルをしたり、東京で起業したりしていたが、12年ほど前に実家の小平株式会社 の代表になった。30歳の時だった。ただ、親父が株の大半は持っていたし、彼は統制型のマネジメント(クラシック親分子分型)を行う人でまだまだ彼のスタイルの統制から手を離す気もなさそうだった。なので、「別に自分のリーダーシップの発揮はいらないよな」と割り切って、地方企業の近代化を行う「コンサル」の立場として社長業を行うことにしたのだった。

その当時は事業買収や貿易事業の大損などいろいろあってキャッシュもなかった。まずはその資金繰りを改善しないといけない事もあり、現状維持であまり何もやってこなかったというのがこの12年だったかと思う。その間に、個人としては、農場作ったり、インドで農業したり、スタートアップしたりと色々と個人で外ではやっていたが、本丸のビジネスへの干渉は意識的に避けていた。

会社への好感度が下がっていた時期があった

社長就任から10年の月日が経って、資金繰りが改善し、全体的な経営も安定を迎えてきた。ただ副作用として出たのは、社内の現状維持志向の強まりと、伴う圧倒的な仕事のつまらなさだ。社内で「CRMやりません?」とか「Webマーケやりません?」とかいうと「なにそれ?」の説明から入らないといけなく、「そこからかよ」と落胆したのを覚えてる。この時は社員ともチグハグな感じで「なんだか、ツマラねぇな」という気持ちが増えていった。

ただ、ちょうど自分の首の手術や感染症の蔓延などもあったので、一旦モヤモヤは横に置いて、組織は現状維持にしていた。会社に行く気にもならず、リモートと称して田舎で適当に遊んでた。

変化を生んだキッカケ

一番大きなきっかけは、感染症の蔓延により社内の心理的安全性が低下、社内で上司まで巻き込む大喧嘩が起こって、煽りで当時の総務部の役員が退職することになったことだ。その後、当時仲良くなっていた、同じ歳の 池田君に声を掛けて入ってもらった。

今、思うと、彼の勧誘のプロセスで、会社のことを整理して話せたというのも良いことだったと思う。一歩引いた目線で自社の状態を俯瞰できて、「まだ、これから面白い感じに出来るのでは」と思い始めたのもあったんじゃないかと思う。株式の親父から自分への引き継ぎも行え、ようやく経営が自分ごとになってきた感覚が出てきたと思う。

musuhi社の存在

それと、池田君と相談して、今回、会社のチームビルディングに組織コンサルのmusuhi社に入ってもらった(コンサルと呼ばれるのが嫌らしいが説明のため
便宜上、組織コンサルと呼ぶ)

musuhiに頼めたのは本当によかった。色々揉めてトップが変更した総務部のチームビルディングから手伝ってもらえ、池田君には短期でチームとの信頼感の構築をしてもらえた。第3者の目線で意見をもらえるので、自社の長所もより輪郭が見えてきたと思う。「会社の雰囲気が悪いなと感じたら、はい、musuhi」というキャッチコピーを昨日考えたんだけど、当時の会社の状態にぴったりな会社だったと思う。同じようなことで困ってる鹿児島の会社にはとてもおすすめだ。それで将来的な大きなトラブルを回避できるなら高くないと思う。

また、3月の池田君のジョインで自分と同じスピードで思考し、動いてくれるパートナーが出来たのも大きい。この頃(4月上旬くらいかな)から、加速度的に動き始めた気がする。そして5/12-13に1泊2日で役員合宿をmusuhiにプログラム作成と運営をお願いして実施した。

最高の合宿だった

結論から言うと、最高の合宿だった。初日はペアインタビューから、現状の整理、色んな問題に関しても丁寧にみっちり話ができた。夜の会食も古参の役員から聞けた昔の話もよかった。2日目はミッションの作成に移り、会社が大事にしていたこと、レゴシリアスプレイから最後のミッションが決まる瞬間まで、1本の映画のように流れていたと思う。

役員のチームビルティングができ、全役員が経営を自分ごとにでき、最高のミッションができた。文字にすると嘘みたいに上手くいった感じだが、最近、会社は辛いことが多かったので、とても印象深かったと思う。ミッションの全社発表は9-10月になると思うが、浸透させるための準備と共に社員と共有できたらと思う。

ミッション、パーパスがあると経営が楽だ

会社のミッションを示すレゴ

作り込まれたミッションが出来て思うのは、「こいつがあるのは楽だ」という事だ。やること、やらないことをミッションが決めてくれるので、経営判断の労力が半分くらいで済む。ミッションをベースにしてバリュー(価値観)やビジョン(xx年後にあるべき姿)を作る。その後にバリューを具体化した行動規範に落とし、それを評価や採用の人事制度にはめ込み具現化する。また、行動規範があれば、ペルソナとして興味を持ってほしい人を設定して効果的なPRにつなげられる。経営戦略は現場の数値とビジョンの達成の合間をバランスとって進めればいいし、銀行にもビジョンを見せれば非定性的な部分の説明の手間が省ける。自分は過去の投稿でパーパスなど不要だと書いたこともあったが考えをあらためた。

ミッション作らない、と言う選択を経営者が行うのもありなのだが、出来るととても有効なので、プロセスを大事にしてミッションを作ってみるのを今はお勧めしている。存在意義を達成したらどうするんだ、と言うが、達成したり社会が変わったらミッション作り替えたらいいだけなのだ。

最後に

そんなこんなで、色々アップダウンあったが、今、ようやく自分ごととして経営が楽しくなってきた。「仕事はゲームに過ぎない」(なので自身の健康や家族を犠牲にする価値はない)と前に働いていたコンサル会社の社長が言っていて好きな言葉でもある。このゲームを20年くらい楽しんで色々やって行けたらと思ってるし、その航海誌はまたnoteに書いていきたい。

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