僕は決めた、君を一万年愛すと
昭和の大ヒット曲、沢田研二の「時の過ぎゆくままに」です。
日本のヒット曲の多くは中華圏でカバーされています。
カバーと言っても、同じ曲を別の歌手がそのまま歌うのではなく、
曲を元歌のままにして、歌詞だけを中国語にします。
中国語に翻訳するのではなく、作詞家が新たに歌詞を創作します。
ですから、元歌とはまったく違う内容になることもあります。
「時の過ぎゆくままに」は、台湾のロックシンガー伍佰(Wu Bai)が、
「愛你一萬年」(君を一万年愛す)というタイトルでカバーしています。
これがまた台湾をはじめ、中華圏全体で大ヒットしました。
聴き比べてわかるように、元歌とカバー曲は丸っきり対照的です。
「男と女、二人冷たい身体を合わせ、
時の過ぎゆくままに、この身をまかせ、
墜ちてゆくのもしあわせ」
と、やるせない男と女の情を哀切に歌う元歌。
これに対して、カバー曲は、
「僕には君しかいない、
君に僕の真心を献げるよ、
僕は決めたんだ、君を一万年愛すと」
と、男が女に熱い思いをストレートに曝け出します。
都会的で、妖しい男の色気を漂わせるジュリー、
一方、汗まみれで、ごつい男っぽさ漲らせる伍佰。
歌詞の内容も、歌手の歌いっぷりも、まるで別物です。
しかも、元歌はバラードですが、カバー曲の方は後半がロック調になっています。
ちなみに、広東語、台湾語のカバー曲もあります。
これらも、またそれぞれ歌詞も雰囲気も異なっています。
広東語版
台湾語版
トリビア: 映画『恋する惑星』の1シーン
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