見出し画像

【第70回】改めて知りたい!パブリックリレーションズを語ろう!〜関西の企業・団体の広報に携わる方向け〜

第70回となる関西広報100研究会のテーマは「改めて知りたい!パブリックリレーションズを語ろう!〜関西の企業・団体の広報に携わる方向け〜」

登壇企業4社の発表に加え、希望者を募って1分間ピッチという企画を行いました。メディアゲストとして大手新聞のベテラン記者がお越しくださいました。なかなかに濃い話が聞けて、広報担当者はみな、真剣な目でメモを取っていました!
研究会参加者は、約40名。それではさっそく、当日の様子をお伝えしていきます。

会場について

研究会の会場は、パークサイドハウス大阪。ディライト株式会社さんが所有されている、結婚式などに使われている華やかなスペースでした。

研究会会員による登壇

登壇①:部署名が【パブリックリレーションズ】に。「PRって?」から1年、、

登壇者:中村 優子(なかむら ゆうこ)氏ディライト株式会社社長室 パブリックリレーションズ/マーケティング/事業推進 チーフ

ウエディングプランナーとして入社。7年前から広報に移転した中村さん。昨年度から部署がパブリックリレーションズとなったことを期に、1年間取り組んだパブリックリレーションズ活動について、実体験のこもったリアルな報告をいただきました。

パブリックリレーションズの定義は、「ステークホルダーに情報を届けることとコミュニケーションを取ること。会社の戦略に沿って方針を決めること。」と決めたこと。「広報の力で指名買いをされる。広報の力で自社を知ってもらって、訪れてもらうこと」を目標に定め、営業活動、採用活動に活かしていかれました。

23年度、メインに取り組んだこととしては、「基礎構築と情報発信」。オウンドメディア、社内情報収集、広報内の役割分担に取り組まれました。手元にある物を発信し続けることに注力し、誰にどの情報を届けるか?は意識しすぎないようにされたそうです。

現状自分たちができることを再確認し、今後数値目標をつくっていくための土壌が作れたそう。実際に体当たりで実行されたさまざまな取り組みに、行動力を感じました。参考になります。

登壇②:広報で会社ブランドを向上する!BtoB企業事例

登壇者:西山 裕子(にしやま ひろこ)氏 ミライフ代表/NPO法人生態会 事務局長/関西広報100 研究会代表

中小企業やスタートアップ企業に併走して、マーケティングや広報支援を行っている西山さん。さまざまな企業を見ておられる中で、まず広報の目的を確認することの大切さをおっしゃられました。

売上げを伸ばしたいのか?取引先を増やしたいのか?はたまた採用、集客?社員のモチベーションアップなど、企業が広報に求める目標はさまざまです。その中でも優先順位を付け、ターゲットを絞って行って行くことが広報をする上で重要だと西山さん。実例を交えながらの報告は、まさに実践集。実際広報にあたっていると忘れがちな、「本来の目的」を思い起こさせていただきました。

登壇③:自治体との関係を広報に活かすパブリックリレーション

登壇者:岡野 嘉市(おかの かいち)氏 浜田化学株式会社/代表取締役社長

年間20000トンの天ぷら油のリサイクルを行っている、1970年設立の企業。全国シェア約7パーセント。食の循環を完成させる関連事業を行っている岡野さん。現在、洲本市で廃校をホテル化するプロジェクト企画中とのこと。

自治体との関係が活かされた実例として、洲本市「廃棄の食用油が高級イチゴに変える」というプロジェクトについてお話しくださいました。洲本市との出会いから、バイオ燃料研究会を発足提案。国の補助事業に共同事業者として採択され、地域おこし依頼受けたという流れ。その後メディアにさまざま取り上げてもらうようになったことで、現在では、ローソンと共同でバイオ発電に取り組んでいるというストーリーをお話しくださいました。

岡野さんは、自治体と共に併走するために、広報ができることについてもコメント。まず自治体の抱える問題や社会の課題を知ること、そしてそれを社内でそれをどう解決できるか?を考える。自治体と一緒に汗をかいて、関係を構築し、社会性のある活動へと昇華させること。それがメディア掲載につながっていくのだと過去の事例を振り返って話されました。

どうしても、自社の商品をどう売るかばかりになりがちですが、自治体の抱える問題や社会の課題を知り、どう役立てるか?を意識されている視点に感銘しました。私も今後そういう目線で仕事に取り組みたいと思いました。

登壇④:地域、社会への訴求事例

登壇者:村中 克(むらなか かつ)氏 「自然にかえる天然素材の歯ブラシ」 t u r a l i s t 開発者/株式会社 プラス 自社ブランド「Nhes.」広報/株式会社 新進化学 代表取締役

お父様が経営されていたプラスティック加工会社。継がれましたが、時代の流れと共に廃業となったことを期に、改めて起業された村中さん。プラスティックが環境の悪になっていると感じており、地球温暖化などを調べ、今アクションが必要だと感じていたときに、海外で出会った「竹の歯ブラシ」。これなら事業家できるかもしれない!と事業をスタートされたそうです。

広報活動としては、まず手に取ってもらうことに注力していると報告。1500円の歯ブラシは日本では高級品。海外製の安価な竹の歯ブラシと対抗するためには、付加価値が必要であると考えたそうです。その後、日本や海外のアワードを複数受賞、認定を受けることに取り組まれました(ソーシャルプロダクツ賞、リサイクル製品認定証、大阪製ブランド認定証など)。クラウドファンディングの実施など、さまざまな広報支援を受けながら、メディア掲載もおこなって来られました。

初心者からの広報活動。認知度は広がってきたので、今後は売上げに繋げたいと考えているそうです。周りの信頼を得るために、受賞や認定を目指すのは正しいやり方だと感じました。

各社1分間ピッチ

5社の企業が登壇。さまざまなプロダクトやサービスを紹介されました。どの企業も興味深い……。

メディアゲストへの質疑応答

メディアゲストとしてお越しくださった大手新聞のベテラン記者さん。広報指南はしないと言われながら、広報担当者に役立つキーワードをたくさん教えていただきました。まず最初に、「取材対象を探しているメディア側と自社を発信したい企業側との間を埋めることが自分たちの仕事かなと思っている」。広報担当者からの質問事項に答えてくださっただけでなく、具体的なメディアの立場からのご意見を多くいただきました。メディア側の実情、現状を把握できたことは、広報担当者にはかなり参考になったかと思います。

取材を受ける際の受け方にも注意をすべき、というアドバイスも。「広告ではないので、表現1つをとっても、言い回しに気をつける方が良いです。記者が思ったように書いてくれるとは限りません」という言葉には、背筋が伸びました。非常に役立つお話をありがとうございます!

研究会には約40名ご参加くださいました!
竹歯ブラシ
試供品の配布も

次回の開催について

次回は2024年4月の開催を予定しています。

研究会の会員も継続して募集しております。 関西広報100研究会の会員は、2ヶ月に1度の研究会の参加や、Facebook秘密のページにて、耳寄りな情報をいち早く得ることができます。年に一度、研究会の幹事としてご協力もお願いしています。
はじめての方は、一度非会員として研究会に参加いただき、様子を見てから入会をご検討ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?