見出し画像

還暦ゴルファーの徒然草 「以心伝心」

こんばんは。
今日はのんびり来週の授業準備をしていた還暦ゴルファーです。日本語教師は実際の授業時間以外に、準備にとても時間が取られる仕事。最近は慣れもあって随分と短縮出来る様になりましたが、準備なしでは授業に臨めません。


実はしばらく前に息子からラインで
すごい素敵な本見つけたから送っといた〜!
暇な時読んでみて!
とのメッセージがありました。

1週間ほどすると(沖縄ではAmazon primeも1週間後に到着します)Amazonの包装で西加奈子さんの『くもをさがす』が届きました!
この本は発売当時から気になっていて、メルカリで検索保存して毎日チェックしていたもの。

「うわー!凄い凄い!まるで以心伝心!!」
どうして欲しいのが分かったのだろうと思うくらい興奮しました。


いつも「最近読んで良かった本は何?」
とお互いに聞いたりしています。
「あ、お母さんもそれ読みたいから送って〜」
とかは今までにもあったけれど、
「送っといた〜!」は初めてのこと。

嬉しいサプライズです。

そして昨日読了しました。
【第6章・日本、私の自由は】の文章が私の心にズシンと響きました。

寛容さの欠如。同調圧力。何とも言えない窮屈さを私も感じていたからです。

インドネシアで僅か8ヶ月過ごしただけでも、
帰国後は「やっぱりこの窮屈さは異常」
「この価値観の中で生きていくのは苦しいなぁ」と改めて感じてしまいました。

西さんはその窮屈さを「国土の狭さゆえ」と考察されていて、それを読んで私も初めて腑に落ちた気がしました。

確かに物理的な狭さが心に及ぼす影響は小さくないです。狭いのに物や情報に溢れている家や街。心がいつもザワザワしています。

私は沖縄へ移住して、そんな窮屈さからは解放された気がしています。
狭いですが、天井の高い室内。
ベランダから見える山や海。
行き交う人の少なさ。

「住む場所は自分で選ぶ」
私はそう決めて動きました。
思えば大学を京都に決めたのもそうですね。
昔からそういう考えなのかもしれません。

「いつか」では絶対実現出来ないから
「いつ」というのを決めて動きました。

でも皆「そんな事簡単に出来るわけない」って。する前提で動くのではなくて出来ない理由を探してしまうのですね。

もったいないって思います。
たった1回きりの人生なのに。
やりたい事があるなら「やる」って決めて逆算すればいいのに。

それで叶わなくても「やれるだけの事はやった」という満足感は手に出来るし、後悔をする事にはならないと思うけど、なかなか理解してもらえません。。

移住を決心してくれた主人でさえ「みんな貴方のようには簡単に決められないから」って言っていましたっけ。


どこでもスーツケース1つで暮らせると思うのですが、そんな風に思う私は変わってるのでしょうか?

人よりかなり好奇心が強いのは自覚しているけど。。ま、そんなこんなでいつも楽しくやっています♡


もしも貴方が今生きている場所が苦しいのなら「どこでも生きて行ける」という事だけは忘れないで欲しいのです。大丈夫。どこでもいいのです。ゆったりと呼吸出来る場所は必ずあります。全く違う世界が広がっていますよ。


癌を治療して寛解しても「助かった後ろめたさ」や「再発の恐怖」に直面するそうです。

私の父もごくごく初期の肺癌を見つけてもらい生還しました。市の健康診断でレントゲンを撮った際、先生から「明日も来るから痰を取って来て検査する?」と言われ喀痰細胞診を受けたのです。

その結果、肺癌である事がわかり治療を始めました。手術の日取りが決まった頃、健診結果でレントゲンは異常なしとの通知が来ました。

先生にたまたま声を掛けて頂いたお陰で、文字通り命拾いをしたのです。手術や放射線治療を経て生還した父も、西さんと同じ様に感じていたのでしょうか。

5年間再発はなかったのですが、8年経った頃にまたもや肺癌という診断が下りました。
その時は覚悟していたかの様な雰囲気でした。


私自身は「癌でなくとも、ある日突然という事はある」と思っているし「寿命は見えていないだけ」と感じています。

それでも、このコロナ禍の海外で癌治療する事の困難さを思うと、自分にこれだけの恵み(人との巡り合わせや支えてくれる人たち)は無いと断言出来てしまいます。

歳を取ると人との繋がりが何よりも大切だと言いますが、残念ながらそこは私に欠けているところ。こちらに来て少しずつ変わりつつある部分でもあるので、今後に期待という事にしておきましょう。

東京の息子から「以心伝心」で、読みたかった本が届いたというお話しでした。そうそう、タイトルの「くも」はずっと「雲」だと思っていましたが「蜘蛛」の方でした。最後までお読みくださり、ありがとうございました。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?