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苦悩「美容室が苦手」

苦悩「美容室が苦手」

こんにちは。
かんぴょうです。


皆さんは髪が伸びたとき、どうしているでしょうか?
美容室に行く方、床屋に行く方、自分で切る方、様々ですね。

大学生になったあたりからでしょうか。
いっちょ前に世間慣れのステータスが欲しく、私も美容室で切ってもらい始めました。

ただ、ほぼ毎回違うところで切ってもらっています。
それはなぜか。簡単です。

美容室というものが非常に苦手だからです。
世間の女性などは美容室に行くのが好きで、至福のひと時と感じる方も多いようですが、
私は残念ながらそう思えません。

嫌いだとか、美容室が悪いわけではないです。
私の落ち度で苦手なだけなのです。

それはなぜか。
私の苦悩を紹介していきます。
全くもって正論ではないので、そんな目で見ていただけたらと思います。


その1 マウンティング・シザーハンズ

髪を切られている間、美容師、というより美容室自体にマウントを取られている。
正直、これがほぼ全てです。
ずっと、ずっとマウントを取られ続けている。

いや、別に誰にでもマウントを取りたいわけではないのです。
でもマウントを美容師にとられ続けるのが圧なのです。

美容室で髪を切ってもらう間、基本的に動けません。

「いや、ちょっと休もっか、お互い、疲れたでしょう」

なんてハイキングのようなセリフは吐けやしないのです。
正直お手洗いに行くことも出来ません。

だから私は美容室を出ると早足でお手洗いに向かいます。
傍から見たらワックスで整えたのが気に入らず自分で直しに行くように見える
かもしれませんが、違います。

全然尿です。10:0で尿。

マウントされていることを根本的に分析したところ、
「知らない初対面の峰不二子みたいなギャルや屋内で次元大介のような
ハットを被った男性」に刃物を突き付けられているのが恐怖なのだと思われます。
残念ながら石川五右衛門のような職人タイプでいかにも「刃物でござい」
というような方は美容室にはいません。
五右衛門タイプは大体床屋にいます。

髪型ではなく、精神が五右衛門の方は床屋なんです。

美容室では明らかに『銃タイプ』の人たちが私にハサミという刃物を突き付けてくるのです。
これは怖い。

おそらく、床屋での顔剃りがあまり苦ではない、むしろ快感なのは
美容室は「切りながら話す場所」であり床屋が「話しながら切る」場所
だからだと思います。

おそらく美容室でもほぼ話さないというのは出来るのでしょうが、0というわけには
いかず、シャンプーやお会計、好みの髪型などで必ず聞かれます。

これは後述する内容の通り、
“話しても話さなくても地獄”という状態になるのです。

その2 ご注文は普通ですか?

美容室では必ず出合い頭に「今日どうしましょうか?」と聞かれます。
これもかなりキツイです。

職業柄、普通の髪型であれば良いという埋め込みがあるのか、
根っからの性格なのかは知りませんが、好みの髪型と聞かれたら
本音は一つです。

「短くしてえんだよ」

正直自分で髪の毛を切る技術があるなら確実に自分で切ってます。

もし髪の毛にミシン目がついていて、自分で千切れるDNAがあるのなら、
迷わず体に取り込みたいと心から思います。
そんなDNAの方と結婚できるなら、散髪に苦労のかからない
DNAの子を作っていきたいものです。

いや、そもそもこの悩みを抱えないような、まっすぐな子供がいいか。

とにかく、短くしたいんです。
醤油ラーメンの「並」を頼みたいのにわざわざ
「中華料理のラーメンを日本風の醤油味にして麺は3分茹でて、チャーシューは二枚、
メンマと海苔とネギを麺が少し隠れるくらい載せてください」
と頼みたくないのです。

でも二郎で「ニンニクマシマシヤサイアブラカラメ」って頼んじゃう。
好きだもん。

その3 かゆくない、歯がゆい

髪をあらかた切り終わると、別室送りにされ、シャンプーが始まります。

美容師の方から見て一番私を厄介だと思うのがこれだと思います。

なぜか。
基本的に私は美容師の方と積極的にしゃべらないので、
数十分黙って切られていると喉が完全に閉じてしまうのです。

そんな状況下で、爆音のシャワーが流れる中
「痒いところないですか?」と聞かれても、

「~ょう…ぇs…」
「えっ?」
「ダイジョウブデス…」

となります。

閉じ切った私の声帯<シャワーのデシベル
です。ほぼ確実に。

なのでこれは「話さないと地獄」です。

ただ、最近は自動で洗ってくれるシャンプーマシーンもあったりして、
あれはこの場における唯一の救いです。

いや、正確にはもう一つ白い紙のアレ、キムワイプみたいなやつ。
あれもなかなか助かります。
鼻息が荒いことがわかるのが玉に瑕ですが、他人の視線を伺う私の視線を
ごまかすことができます。

ただそういった救済があっても、シャワー終わりに顔拭くのを待ってもらうのは
なかなか苦痛です。

「どのくらい拭き続ければノルマ達成なのか」
「早いと「何も拭いてねえじゃん」と思われるのか」
「長いと「この潔癖野郎め」と思われるのか」
「目ヤニとか鼻水とかついてたら引かれるのか」

など、恐怖は無くなりません。

居酒屋のおしぼりで顔を拭き終わるまで隣で注文待ってくれる
「いつでも笑顔!ユカリ」と油性マジックで書かれた店員さんも
同じように考えていると思うと、つくづく中年にはなりたくないものです。

んでもオジサンが酔って店員のお姉ちゃんにダル絡みしてるのは
ちょっと羨ましいとも思う。ごめん、ユカリちゃん。
ユカリちゃん知らんけど。

その3 また来てね

ここからは「話すと地獄」についてお話します。

美容室では、相当なレアケースでない限り美容師はお客に
マシンガントーク、マシンガンヒアリングを仕掛けてきます。

まさしく『機関銃』。
閉じた私の喉の門を蹂躙すべく、次元、不二子ペアは
拳銃から機関銃に持ち替えて、私を襲ってきます。

さらに恐ろしいのが、顧客管理をしているのか、はたまた
美容師の方の記憶力が群を抜いているのかは知りませんが、
一度行った美容室にもう一度行くと、必ずと言っていいほど
前の話をしてきます。

何なら一回目の時から二回目を想定したトークで
私との場を「マワしに」くる司会者系美容師もいるくらいです。

半年前に一度しか対応してもらっていない美容師から、一度しかしてない会話の詳細を書かれた
手書きの『年賀状』が届いたときにはゾッとしました。

なので、もう覚えてもらわないために、最近は適当な嘘をついています。

「海外ドラマが趣味の大学生」
「アニメ、ゲームを見続ける社会人」
「野球にお熱な営業マン」

「断片的には嘘ではない情報」を使いこなし、私は話を何とか組み立てています。

しかし、

「え、おすすめの海外ドラマって何ですか、教えてくださいよ!」

などという成歩堂くんも真っ青の『待った』をかけてくる美容師もいます。

知らん。海外ドラマは。
プリズンブレイクしか見とらん。

「ああ、良いですよね、プリズンブレイク!べリック刑務官が好きです」

なんで詳しいんだよ。
んでべリックて渋いな。

同意見だよ。


☆ まとめ
というわけで、私がどういう対応をしても美容室は苦痛です。

これからも私は、毎回場所を変えながら、「流れの客」として
髪を切っていくでしょう。

動けない私は常に主導権を握られ、答えても答えなくてもバッドエンドまっしぐらの
会話ルートを歩んでいくのです。

ただ、座り続ける私は髪除けのポンチョとマスクの中で、
ひっそりと反逆の機会を窺っているのです。

一休のとんちで屏風から出てくるのを待つ虎のように。
牙を見せ爪を研ぎ、美容師にマウントを取って思いっきり
「普通にしてください」
と言えた時、私はようやく『常連』になれるのだと思います。


薄黄ばんだ八重歯に深爪の虎と、ハサミを持った一休、どっちが怖いかはわかんないけど。

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